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海外逃亡企てた?“疑惑の漢検父子”逮捕

マスクで顔を隠して京都地検を出る、背任容疑で逮捕された日本漢字能力検定協会前理事長の大久保昇容疑者
マスクで顔を隠して京都地検を出る、背任容疑で逮捕された日本漢字能力検定協会前理事長の大久保昇容疑者
Photo By 共同

 財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)と親族企業の取引をめぐり、協会に多額の損害を与えたとして、京都地検は19日、背任容疑で前理事長の大久保昇容疑者(73)と長男で前副理事長の浩容疑者(45)を逮捕した。不透明取引などが発覚してから4カ月。受検者289万人を抱える公益法人の疑惑はついに刑事事件に発展した。

 京都市右京区にある大久保容疑者の真新しいクリーム色の洋館風の自宅には午後1時すぎ、京都地検の関係者3人が到着。「お話ししたいことがあります」とインターホン越しに話すと中に入り、任意同行を求めた。約20分後、野球帽を深くかぶり、スーツにネクタイ姿の大久保容疑者が3人に付き添われて外へ。待ちかまえた記者から「背任では」と問われると、「ないね。そういうことは」と語気を強めて否定。これ以外の質問にはほとんど応じず、硬い表情のまま地検の車に乗り込んだ。

 捜査関係者によると、逮捕は週後半の予定だったが、パスポートを取得したことが明らかになり、早まったという。

 逮捕容疑は05年9月〜今年1月、協会が広告代理店などに総額約4億8000万円で直接発注した業務を、大久保容疑者が代表、浩容疑者が役員を務める広告会社「メディアボックス」が仲介したように偽装。実態のない「進行管理費」などの名目で約2億5980万円を水増し請求し、協会に損害を与えた疑い。

 同時期に大久保容疑者ら親族がメディア社から受け取った役員報酬と株式配当は、計約1億8000万円に上った。

 地検は容疑事実の認否について「明らかにしない」としている。20日に協会本部や両容疑者の自宅を家宅捜索する方針。

 協会の調査委員会が文部科学省に提出した報告書では、メディア社との取引は浩容疑者が提案し、大久保容疑者が承認。同社に営業実態は全くなく、水増しは33回に及んだという。協会関係者によると、取引が理事会の議案に上り承認を得たことはなかったという。

 報告書はメディア社との契約について「外部委託の必要性すら認められない」と指摘。両容疑者の行為を「重大な任務違背」と結論づけた。

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