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2008年11月05日

Y染色体の世界分布

これまで、崎谷満著 『DNAでたどる日本人10万年の旅』を基に、Y染色体による「日本人の成り立ち」を追求してました。 図解 参照。
今回は世界的な視野で、Y染色体の移動・分岐経路と分布を追求してみたいと思います。

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●Y染色体の系統分類
Y染色体は、大きく分けてAからRまでの18系統に分けられ、幹→枝の分岐から以下の5つのグループに分けられます。  〈 〉は分岐年代。

 ・A系統    :アフリカに固有〈4,28万年前〉
 ・B系統    :アフリカに固有〈3,68万年前〉
 ・C系統    :出アフリカ第1グループ〈2,75万年前〉
 ・D-E系統 :出アフリカ第2グループ〈3,82万年前〉
 ・F-R系統 :出アフリカ第3グループ〈5,30万年前〉

現生人類発祥の地に留まったA系統とB系統を除くとアフリカから出て行ったグループは3つの系統(C、D-E、F-R)に分かれます。この出アフリカ3大グループの末裔たちが全世界に拡がった結果、現在の世界的なヒト集団の分布につながっています。

●Y染色体の移動・分岐経路
『ナショナルジオグラフィック協会』と提携し、DNA系統を分析調査する『Family tree DNA』に、Y染色体の移動・分岐系統マップが掲載されています。実際の移動はもっと複雑ですが、概略の把握に役立ちます。

(↓クリックすると拡大します)

●Y染色体の世界分布
『ウィキペディア(英語版)』から、イリノイ大学のJ.D.マクドナルド博士が作成した「Y染色体の世界分布」を掲載します。

(↓クリックすると拡大します)

日本人のY染色体は、旧石器時代に流入したC系統D系統(一部N系統)と、弥生・古墳時代以降に流入したO系統(O2b、O3)で構成されていることは、これまでの投稿の通りです。
Y染色体分布図から、日本を俯瞰してみると以下の点が解ります。

・C系統 
東南アジア(スンダランド)を基点とし、オーストラリアやポリネシア諸島へ拡散した系統と、シベリア方面で北方適応した後、日本及びアラスカ→北アメリカ大陸に拡散した系統が存在する。

・D系統 
縄文人の主系統に相当しますが、日本以外はチベットとわずかに南方に存在するでけだあり、世界的にも稀な系統であることがわかります。

・O系統 
漢族と呼ばれる系統がO系統に相当します。(※黄河流域がO3、長江流域がO2b。日本は弥生期に流入したO2bが中心。)
O系統は中国をはじめ、東南アジアやポリネシア方面にも拡散していることが伺えます。

以上、日本人を構成するY染色体を中心に考察しましたが、それ以外にも掠奪闘争が発生した中東から中央アジアにかけて、多岐にわたる系統が混在していることが鮮明になります。

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読んでくれてありがとう。 m027                     (by 世界のマツヒデ) 


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