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大型トレーラーの荷台車を不正に北朝鮮に輸出したとして、福岡県警は13日、同県大野城市の自動車販売会社「ジパング」の実質経営者、森田隆幸容疑者(39)=同市大城1丁目=ら5人を関税法違反(虚偽申告)の疑いで逮捕し、同社の事務所や関係者宅など13カ所を捜索した。専門家によると、荷台車はミサイルの積載や移動式発射台への転用が可能といい、県警は輸出の経緯などを調べている。
ほかに逮捕されたのは、同社員石川一二郎(38)=福岡市博多区吉塚6丁目▽同社員伊藤賢史(44)=同市南区大楠1丁目▽同社員笠原幸伸(38)=同区那の川2丁目▽輸出代理業、北山三生(49)=大野城市錦町4丁目=の各容疑者。森田容疑者らは輸出の事実は認めた上で、「違法行為だとは思っていない」と話しているという。
調べでは、森田容疑者らは今年4月30日、実際には375万円するトレーラーの荷台車を25万円と偽って門司税関に申告した疑い。30万円以下の貨物は「託送品」として扱われ、通関手続きが簡易になる。荷台車は5月初め、福岡市の博多港から北朝鮮に輸出された。
関係者によると、ジパングは2月中旬から4月にかけて3回にわたり、北朝鮮にトレーラーの牽引(けんいん)車と荷台車を輸出したいと門司税関に申告した。
使用目的を「木材などの運搬用」としていたが、税関から報告を受けた経済産業省は、禁制品でなくても輸出を規制できる「キャッチオール規制」に基づき許可申請が必要と通知した。同社は申請したが認められなかった。
荷台部分を輸出した直後の5月初めには、中国・大連向けに牽引車を輸出したいと申告したが、これも認められなかった。
こうした経緯から、県警などは、牽引車と荷台車を別々にして、牽引車は大連経由で北朝鮮に送ろうとしたとみている。牽引車については外国為替及び外国貿易法違反(無許可輸出未遂)に当たる可能性もあるとみて調べている。
同社が輸出しようとしたトレーラーは30トンの資材を運搬できるとみられ、日本製では最大級のタイプ。軍事専門家によると、ほとんどのトレーラーの荷台車は改造すればミサイルの移動式発射台などにもできるという。
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<キャッチオール規制> 食料品などを除く貨物について、輸出先や輸出品の性能などから大量破壊兵器に転用される恐れがある場合、経産省が業者に輸出許可を求めるよう通知し、実質的に輸出を禁じる制度。外為法の輸出貿易管理令が昨年4月に改正されて導入された。
(10/14 10:50)
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