米GM、破産法申請がほぼ確実に=専門家

2009年 05月 19日 09:21 JST
 

 [デトロイト 18日 ロイター] 専門家の間で、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)の破産法適用申請は避けられないとの見方が強まっている。

 GMは経営再建に向け、債務・労務費・ディーラーの削減に向けて交渉を急いでいるが、再建計画の提出期限が6月1日に迫っており、クライスラー同様、GMも破産法の申請を余儀なくされるとの見方が多い。

 自動車業界アナリストのエリッチ・マークル氏は「(破産法の申請は)ほぼ不可避だろう。申請を回避する方法が見当たらない」と述べた。

 GMは販売低迷・シェア低下に苦しんでいるが、現在の最大の課題は債務の削減。企業再建専門家、アナリスト、自動車業界関係者は一様に、債務の削減が困難で、破産法の申請は避けられないと指摘。破産手続きも紛糾するのではないかとみている。

 ゴーディアン・グループの企業再建担当責任者、ピーター・カウフマン氏は「唯一、破産法の申請を回避できるとすれば、社債保有者の要求する債務の交換比率を政府が受け入れることだろう」と話す。

 GMが提示した債務の株式化案では、社債保有者が受け取る新生GM株はわずか10%。154億ドルの支援を実施した財務省は少なくとも50%、全米自動車労組(UAW)の退職者向け医療保険基金は約40%の株式を受け取る内容となっている。

 社債保有者はUAWに比べて条件が悪すぎると反発、過半数株式の取得を求めている。

 クラーク・ヒルの企業再建専門家、ボブ・ゴードン氏は「社債保有者、労組、ディーラーなどすべての関係者を納得させ、破産法の適用を回避するのは至難の業だ」と述べた。

 <短期再建は難しいとの見方も>

 GMのヘンダーソン最高経営責任者(CEO)は、60日間で再建手続きを終えることが可能だとの見方を示している。

 ただコンウェイ・マッケンジーの企業再建専門家、バン・コンウェー氏は「60日で再建を終えるのは不可能だ」と指摘。

 「(クライスラーにはフィアットという提携先があるが)GMにはそれがなく、連邦破産法11条の下で再建を進めなければならない。これは非常に時間がかかる」と述べた。

 マーケット・アクセスによると、GM債(2023年償還、表面利率8.25%)は、前週末時点で、額面1ドルにつき約4セント、利回りは185%を超えている。4月下旬には一時10.75セントまで上昇していた。

 
 
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