2009年5月19日 19時42分更新
去年9月、岡山市で知り合いの女性を殴ったうえ海に投げ落として殺害したとして殺人の罪に問われている男に対して、岡山地方裁判所は19日、懲役12年の判決を言い渡しました。
岡山市南区の無職、近藤憲吾被告(25)は去年9月、岡山市東区南古都の駐車場で近くに住む杉本文さん(当時24)の首を絞め、頭などを殴ったうえで新岡山港に投げ落として殺害したとして殺人の罪に問われています。
裁判で弁護側は、近藤被告が利き手ではない左手で懐中電灯を持って殴っていることなどから、殺すつもりはなかったと主張してきました。
19日の判決で岡山地方裁判所の磯貝祐一裁判長は、「近藤被告の体格や、キックボクシングをしていたことを考えると、左手であったとしても殺意がなかったとはいえない」と指摘して弁護側の主張を退けました。
その上で、「被害者の頭を何度も殴打したうえ、海に落下させるという犯行は執拗かつせい惨なもので、被告の刑事責任は重い」と述べ、懲役12年の判決を言い渡しました。
判決を受けて杉本さんの父親は「人の命を奪っておきながら懲役12年という刑は軽く、とても悔しい。今も娘の顔が頭に焼き付いて離れず、どんなことがあっても近藤被告を許すことができない。」と話していました。