2009年5月19日17時33分
広島大大学院の4研究科と原爆放射線医科学研究所(原医研)が03〜07年度に研究費計約3600万円を不正使用していたことが、広島大への取材でわかった。研究に使う物品を発注し、納入を受けたように見せかけた架空の伝票を業者につくらせて資金をプールしていたという。広大によると、教員らは「私的流用はない」と言っているという。
広大広報グループによると、不正使用していたのは、大学院の医歯薬学総合、工学、生物圏科学、総合科学の各研究科と原医研に所属する教授や准教授ら11人。国などから交付された研究費をプールし、次年度以降の研究費に充てていたという。年度をまたいで使うためには、大学側に申請しなければならなかったが、していなかったという。税務当局からの指摘を受けて発覚した。
11人のうち4人はすでに退職しており、広大は19日午後に残る7人について懲戒処分を審査する委員会を設ける方針。不正使用された研究費は拠出元に全額返還するという。