<インフルエンザ>初夏なのに季節性流行 全国患者、推定17万人
5月19日18時26分配信 毎日新聞
冬場にピークを迎える季節性インフルエンザが、今年は初夏まで流行が長引いている。そこに、季節を問わずに流行する新型インフルエンザが追い打ちをかけた格好だ。
国立感染症研究所は全国約5000カ所の小児科・内科を定点医療機関に指定し、インフルエンザ患者数の報告を受けている。集計によると、通常なら3月ごろに終息する季節性インフルエンザが今年は現在も続いている。4月20〜26日の1施設あたりの患者は3・51人で前週より減ったが、流行の目安となる同1・0人を大きく上回っており、全国の患者数は推定約17万人になるという。
一方、新型インフルエンザは動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、体内で増殖できるように変化した後、人から人へ感染する。阪大微生物病研究会観音寺研究所の奥野良信所長は「人類のほとんどが免疫を持たないため簡単に感染しやすく、季節を問わず流行する。夏場でも広がりやすい」と指摘する。
過去の新型も、初夏から夏にかけて登場。スペイン風邪(1918〜19年)は4、5月に欧州で被害が起き、秋からの第2波で世界中に拡大した。アジア風邪(57年)も5月に発生し、夏にかけて世界に広がった。
今回、国内での新型感染が見つかりだしたのはゴールデンウイーク後。奥野所長は「連休中の海外旅行で感染した人が多いからではないか。特定の一人から広がったわけではない」と分析。「今後も多くの地域で小規模な流行を起こしながら終息していくだろう」と話す。
元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員長の菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「これまでの監視システムでは、定点医療機関以外では患者に渡航歴がなければ遺伝子検査まではしなかった。新型インフルエンザが季節性と混同され、見逃された可能性がある。精密に調べれば新型の感染者は、他の地域でも見つかる」と指摘している。【高野聡、関東晋慈】
国立感染症研究所は全国約5000カ所の小児科・内科を定点医療機関に指定し、インフルエンザ患者数の報告を受けている。集計によると、通常なら3月ごろに終息する季節性インフルエンザが今年は現在も続いている。4月20〜26日の1施設あたりの患者は3・51人で前週より減ったが、流行の目安となる同1・0人を大きく上回っており、全国の患者数は推定約17万人になるという。
一方、新型インフルエンザは動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、体内で増殖できるように変化した後、人から人へ感染する。阪大微生物病研究会観音寺研究所の奥野良信所長は「人類のほとんどが免疫を持たないため簡単に感染しやすく、季節を問わず流行する。夏場でも広がりやすい」と指摘する。
過去の新型も、初夏から夏にかけて登場。スペイン風邪(1918〜19年)は4、5月に欧州で被害が起き、秋からの第2波で世界中に拡大した。アジア風邪(57年)も5月に発生し、夏にかけて世界に広がった。
今回、国内での新型感染が見つかりだしたのはゴールデンウイーク後。奥野所長は「連休中の海外旅行で感染した人が多いからではないか。特定の一人から広がったわけではない」と分析。「今後も多くの地域で小規模な流行を起こしながら終息していくだろう」と話す。
元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員長の菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長は「これまでの監視システムでは、定点医療機関以外では患者に渡航歴がなければ遺伝子検査まではしなかった。新型インフルエンザが季節性と混同され、見逃された可能性がある。精密に調べれば新型の感染者は、他の地域でも見つかる」と指摘している。【高野聡、関東晋慈】
最終更新:5月19日18時26分