秋田県藤里町で起きた連続児童殺害事件で殺人と死体遺棄罪に問われ、仙台高裁秋田支部判決で1審の無期懲役が支持された畠山鈴香被告(36)から、家族に上告を取り下げる意向の手紙が届いた。取り下げられれば無期懲役が確定する。
家族によると、畠山被告は4月20日消印の手紙に「(上告について)いろいろ考え、決めた。(5月)18日に行動できるように荷物の整理をする。こう書けばわかるでしょう」、さらに今月13日消印の手紙で「予定通り18日に行動に出ます」と書いていた。
秋田地裁の無期懲役判決に対し、死刑を求める検察側、有期刑を主張する弁護側ともに控訴。双方を棄却する3月25日の高裁判決後、仙台高検は上告を断念した。
この判決前、畠山被告は毎日新聞の取材に「自分から上告することはない」と話していたが、期限の4月8日になって上告手続きをした。
畠山被告は面会した家族に「検察が上告するものと思っていた。今刑が決まるといわれても、あまりにも時間がなくて気持ちの準備ができなかった」と理由を話していた。
控訴審判決によると畠山被告は06年4月9日に長女彩香ちゃん(当時9歳)を橋から川に突き落として殺害し、同年5月17日には近所の米山豪憲君(同7歳)を自宅で絞殺して川沿いの草むらに遺棄した。
【田村彦志】
毎日新聞 2009年5月19日 15時00分(最終更新 5月19日 15時06分)