漢検:前理事長らに背任容疑で逮捕状…京都地検

2009年5月19日 13時34分 更新:5月19日 14時38分

会見に臨む日本漢字能力検定協会の大久保昇理事長(左)と大久保浩副理事長(肩書はいずれも当時)=文科省で2009年4月15日、塩入正夫撮影
会見に臨む日本漢字能力検定協会の大久保昇理事長(左)と大久保浩副理事長(肩書はいずれも当時)=文科省で2009年4月15日、塩入正夫撮影

 財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)と関連の広告会社「メディアボックス」を巡る不透明な取引で協会に数億円の損害を与えた疑いが強まったとして、京都地検特別刑事部は19日、大久保昇前理事長(73)と長男の大久保浩前副理事長(45)について背任容疑で逮捕状を取った。同日中にも逮捕する。

 協会関係者によると、大久保前理事長は捜査に関し「悪いことはしていない」と私的流用を強く否定する意向という。取引が自らの利益を図る目的だったことも否認するのは確実とみられることなどから、地検は逮捕が不可避と判断した模様だ。

 前理事長はメ社の代表、前副理事長は役員。経費内訳明細によると、協会は06~08年度、メ社に約8億2500万円の広告企画や機関誌製作業務を委託していた。ところがメ社には実体がなく、実際の業務は協会職員が広告代理店などに直接発注。また本来は前理事長と前副理事長が協会役員としてこなすべき業務を受注して不当に利益を得る一方で、協会に損害を与えた疑いが浮上している。

 前理事長は4月の会見で「(関連会社は)漢検ができるまで貢献してきた。私物化と言われても答えようがない」と話していた。

【熊谷豪、木下武、広瀬登】

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