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【新型インフルエンザ】

開業医困惑「マニュアル非現実的」 東海地方も受診者増加

2009年5月19日

 東海地方でも感染を心配して一般の診療所を訪れる人が目立ち始め、開業する医師に戸惑いが広がる。

 名古屋市中区の開業医(73)は18日朝、地元の保健所に、患者に感染の疑いが判明した場合の対処法を尋ねた。職員からは「患者にマスクを与え、別室に隔離して帰さないようにしてください」と指示されたが、診療所内には別室などない。

 国の現時点でのマニュアルでは、症状がある患者がまず相談することになっている保健所の発熱相談センターは、相談者にメキシコや米国などへの渡航歴がなければ、一般診療所を受診するよう指示する。これでは、国内で2次感染した患者が、診療所の受診者に含まれてしまう可能性があり、この開業医は「マニュアルは現実に対応していない」と批判する。

 この診療所には同日、「新型ではないか」と心配した患者が数人訪れたが、熱やせきがなく、過剰反応だった。医師は「感染者が来院し私や看護師が感染したら、隔離される。その間の生活を、行政は補償してくれるのか」と訴えた。

 同区の別の開業医(50)の診療所では、患者4人が簡易検査を希望。A型の陽性反応は出なかったが、中には「大阪方面から来た人と一緒にいたため、会社から検査するよう言われた」という人もいたという。

 開業医は「患者が検査を希望すれば断れないし、簡易検査キットが足りず困っている」とこぼす。診療所には20人分しかなく、業者に依頼しても「どこにもありません」と言われたという。

 

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