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【第55回】 2009年05月19日

東京ヤクルトが必死の営業努力
観客動員数を増やす近道はどこにある?

――セ・パ交流戦で観客減、ファンクラブで動員増を狙う

 セ・リーグでは、巨人と阪神において、交流戦の方が動員数が多い。両チームのファンからすれば、伝統ある我がチームがパ・リーグ各球団を蹴散らすところを見たいという意識が働いているのではないか。

 しかし、それ以外の4球団は交流戦の方が少ないのだ。交流戦だと観客動員力のある対巨人・対阪神戦がなくなり、地味なカードが増えるというのが原因とも考えられる。

 観客動員数アップために始まった交流戦は、全体で見れば成功といえるものの、セ・リーグ4球団は観客減という痛みを受けているのである。

ファンクラブ特典を充実させて
動員数を増やしたい東京ヤクルト

 その交流戦の観客動員が最も少ない東京ヤクルトが、集客につなげるために、格安の企画チケットを販売している。

 今年はヤクルトが球団経営をするようになって40周年。その節目ということもあって、交流戦で選手は前身の国鉄スワローズの復刻ユニフォームを着てプレーする。その企画の一環で、交流戦2試合分の内野A指定席に国鉄スワローズのマークが入ったTシャツをつけたチケットを4200円で売っているのだ。内野A指定席は通常3600円。2試合分だと7200円だから、入場料だけでも3000円安い。それにTシャツがつくのだから、破格のお得チケットといえる。

 東京ヤクルトは、この他にもかなり思い切ったファンサービスを行っている。ファンクラブがそれだ。レギュラー・ファンクラブ(すでに今季の募集は締切)の年会費は5000円。これに入会すると特典として、ファングッズ(今年はミズノ製のパーカー)と外野自由席5試合分の観戦チケットがもらえる。外野自由席は1500円だから5試合見れば7500円相当だ。これだけで2500円得なうえに、しっかりした作りのスポーツメーカー製のパーカーがもらえるのだ。球場での試合観戦が好きな人にとっては見逃せないサービスだ。

 ファンクラブは昔から各球団で行っていたが、特典としてつくグッズはもらってもうれしくないチャチなものが多かった。しかし最近はどの球団も、3000円程度の年会費で応援用のレプリカユニフォームがもらえるなど内容が充実してきている。ただしチケットに関しては、割引や先行予約ができるという特典ばかり。外野席とはいえ一軍の公式戦が5試合も見られる東京ヤクルトのファンクラブ特典は、12球団を見渡しても破格のサービスといえる。

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