ひっそりとリニューアル NHK教育、番組変化
5月19日10時54分配信 産経新聞
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NHK教育で4月から始まった道徳ドラマ「時々迷々」(写真:産経新聞) |
4月から新しく始まった小学3、4年向け道徳ドラマは「時々迷々(ときどきまよまよ)」(毎週水曜前10時〜)。この枠では昭和62年から、「さわやか3組」が22年にわたって放送されてきた。リニューアルの背景について、NHKの学校教育番組デスク、東明(しのあき)克実さんは「今の子供たちはさまざまなメディアに触れ、先読み力がある。『失敗の反省で気がつく』といった単純なストーリーでは飽きてしまう。エンターテインメントの要素が必要だった」と明かす。
新番組は、脚本を映画監督の渡邊謙作や劇作家の青木豪ら人気クリエーター10人が担当、多角的な視点で物語が展開される。子供たちが判断がつかない場面などには、神出鬼没の女性、時々迷々(片桐はいり)が登場、子供たちを誘惑したりいさめたりする。
「時々迷々は迷う心の象徴です。主人公の選択が正しいか間違っているかを、一緒に考えてもらえれば」と淋代壮樹(りんだい・ひろき)ディレクターは説明する。
高校生の学力底上げに動きだしたのは、通信制の生徒らの教材として活用されてきた「高校講座」だ。通常講座とは別枠で、小学校高学年から中学程度までの国語や数学などを復習できる「ベーシック10」を4月に放送した。アニメやドラマ仕立ての問題をゲーム感覚で解くという仕組みで、中にはアルファベットの書き取りや分数の解き方といった基礎問題もある。番組は放送後、パソコンでネット配信されている。
番組制作の参考となったのは千葉県立姉崎高校の取り組みだった。NHKエデュケーショナルの教育部、猪瀬泰美さんによると、同校では学力が高校レベルに達していない生徒の学習意欲の立て直しが課題だった。そこで、小学レベルから学べる基礎ドリルを生徒に根気よく解かせたところ、“荒れ”が収まったという。
猪瀬さんは「入学した生徒をあるレベルにまで押し上げることで子供たちが充足感を得られるのなら、それはすごいニーズ。高校がやれないなら、高校講座の中で実現しようと思った」と振り返る。
視聴した生徒からは「初歩的なことから進めてくれたのでわかりやすく飽きない」「楽しく視聴しているうちに学習できた」などの反響が寄せられている。(三宅陽子)
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最終更新:5月19日10時54分