2009年05月19日 社会 


沖縄修学旅行解約9000人 観光業界は悲鳴

新型インフル 関西休校で急増


 大阪府や兵庫県で新型インフルエンザ感染が広がっている影響で、沖縄行き修学旅行のキャンセルが急増していることが18日、分かった。主要旅行会社5社によると、同日夕の段階でキャンセル総数は約50校・約9000人に達した。中学校が大半を占めている。大阪、兵庫では府県立学校の休校措置が取られており、今後もキャンセル数が増加するのは必至だ。生徒を運ぶバス業界も、県内3社が30校・4300人のキャンセルを受けた。中学校の修学旅行が集中する5月を直撃した〝インフルショック〟。関係者は「先が見えない大混乱だ」と悲鳴を上げている。

 キャンセルの内訳は、トップツアー沖縄支店21校3500人、JTB沖縄12校2200人、近畿日本ツーリスト沖縄12校2220人、日本旅行沖縄5~6校1000人程度、東武トラベル沖縄支店1校67人。

 出発地は大阪、兵庫に集中。感染者の確認を受け、両府県に休校措置が広がった17日からキャンセルが相次いだ。

 橋下徹大阪府知事が政令市を除く府内の公立中を一斉休校する、と発表した18日だけで、ある旅行会社では1000人余のキャンセルが出た。

 トップツアーは例年、5月に約1万4000~5000人の修学旅行を扱うが、「今年は約3分の1が延期などでキャンセルしている」と頭を抱える。日本旅行も「実際のキャンセルと、問い合わせや再検討報告などが相次ぎ、収拾がつかない状態。正確なキャンセル数も把握できていない」と混乱に包まれている。

 5月の大型連休明けは夏場の繁忙期との端境期で、旅行商品が比較的、安く設定されており、延期した場合は5月より高い金額になる可能性が大きい。ある旅行会社の幹部は「料金が折り合わず、沖縄に来なくなる学校もあるかもしれない。行政などが差額を補てんする仕組みができないものか」と訴えている。

 一方で、世界の感染者数が約9000人に達していることを受け、海外旅行を取りやめて沖縄に振り替える学校も増えている。JTB沖縄によると、これまで15校・2800人が米国、カナダ、ニュージーランドなどへの旅行をやめ、沖縄行きを決めたという。



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