2008年01月27日
新しい伝統、サムルノリ30周年
「サムルノリ」と言えば、韓国では知らない人のいない代表的な伝統芸能だ。サムル(四物)は4つの楽器を、ノリは演奏、遊びという意味。
ケンガリ(鉦)、チャンゴ(杖鼓)、プク(太鼓)、チン(銅鑼)の4種類の打楽器を使う舞台芸術だ。韓国だけでなく、世界中に愛好者がおり、韓国の学校では音楽の授業でも教えられる。
韓国人も伝統芸能と思っているサムルノリ、実は作られてまだ30年の新しい芸能である。1978年、プンムルという伝統芸能のプロ奏者だった4人の若者が、韓国各地に伝わるリズムを抽出し再構成し、舞台用音楽として全く新しく作り上げた。彼らのチーム名が「サムルノリ」だった。
(プンムルの説明は、以前の記事(コネスト)を参照)
写真:あるチームのサムルノリ
サムルノリはまず外国で受け入れられ、その後韓国でもブームとなった。82年、東京のサントリーホールでの舞台は成功を収め、映像としてもきちんと記録され、伝説となっている。韓国が反共軍事独裁だった時代に、社会主義圏も含め全世界を演奏してまわった。
ケンガリ(鉦)、チャンゴ(杖鼓)、プク(太鼓)、チン(銅鑼)の4種類の打楽器を使う舞台芸術だ。韓国だけでなく、世界中に愛好者がおり、韓国の学校では音楽の授業でも教えられる。
韓国人も伝統芸能と思っているサムルノリ、実は作られてまだ30年の新しい芸能である。1978年、プンムルという伝統芸能のプロ奏者だった4人の若者が、韓国各地に伝わるリズムを抽出し再構成し、舞台用音楽として全く新しく作り上げた。彼らのチーム名が「サムルノリ」だった。
(プンムルの説明は、以前の記事(コネスト)を参照)
写真:あるチームのサムルノリ
サムルノリはまず外国で受け入れられ、その後韓国でもブームとなった。82年、東京のサントリーホールでの舞台は成功を収め、映像としてもきちんと記録され、伝説となっている。韓国が反共軍事独裁だった時代に、社会主義圏も含め全世界を演奏してまわった。
4人のうちの一人、李光壽(イ・グヮンス)氏は私のインタビューに「モスクワもユーゴもどんな国でも行った。日本に一番多く行ったから、ちょっと日本語もできるんだ。チャンゴやケンガリひとつあれば、どこに行ってもやっていける。飯は出てくるし、酒は出てくるし、かわいい・・・も出てくる」と笑う。50代となった彼をはじめ、金徳洙(キム・ドクス)氏ら4人はサムルノリ創始者として、すでに韓国伝統芸能の大先生である。
写真:李光壽氏
彼らは男寺党(ナムサダン)という、村々をまわってプンムルを見せて食っていく旅芸人集団の出身だ。5、6歳から男寺党に加わって流浪の生活を送ってきた。今は無い集団だが、男寺党は朝鮮半島全土だけでなく、太平洋戦争中は満州までも演奏しに行ったという記録がある。そんな男寺党最後の世代である彼らは、廃れていく旅芸人の技術を、現代に適した形に作り変え、成功したという訳だ。
写真:82年、ハワイ公演のとき
失われ変化し続ける農村の文化だったプンムルは、サムルノリという形で現代韓国に根付き、韓国の代表芸能にまで育った。4人の功績は、伝統打楽器の普及、各地のリズムの保存、男寺党の技術の継承という点ではとてつもなく大きい。反面、昔ながらの味のあるプンムルが、技術を重んじるサムルノリの影響を受けて現代的に変化しているという負の面もある。村総出で家々をまわって一日中遊んだプンムルと違って、サムルノリは室内の舞台の上で10分間で1曲だ。西洋的とも言える。
4人はそれぞれが後進の指導、世界中での演奏などで活躍しているが、3月に結成30周年を記念してソウルの世宗文化会館で記念公演を行う。
金徳洙、李光壽、チェ・ジョンシル、故キム・ヨンベ氏の代わりにナム・ギムン氏4人が集まる。サムルノリ人気の高い日本でも、各都市での公演が予定されている。李光壽氏は「歳も歳だし、40周年は難しいだろう。これが最後のオリジナルメンバーでの演奏になるはず」と話していた。それでも彼らはまだ50代中盤。これからも活躍を続けるだろう。サムルノリのオリジナルメンバーが再び同じ舞台で演奏するというのは、韓国芸能界では歴史的なことだ。
写真(ネットニュースより借用):オリジナルメンバーで集まり記者会見兼公演をしたサムルノリ。左からナム・ギムン、キム・ドクス、イ・グヮンス、チェ・ジョンシルの各氏。
写真:李光壽氏
彼らは男寺党(ナムサダン)という、村々をまわってプンムルを見せて食っていく旅芸人集団の出身だ。5、6歳から男寺党に加わって流浪の生活を送ってきた。今は無い集団だが、男寺党は朝鮮半島全土だけでなく、太平洋戦争中は満州までも演奏しに行ったという記録がある。そんな男寺党最後の世代である彼らは、廃れていく旅芸人の技術を、現代に適した形に作り変え、成功したという訳だ。
写真:82年、ハワイ公演のとき
失われ変化し続ける農村の文化だったプンムルは、サムルノリという形で現代韓国に根付き、韓国の代表芸能にまで育った。4人の功績は、伝統打楽器の普及、各地のリズムの保存、男寺党の技術の継承という点ではとてつもなく大きい。反面、昔ながらの味のあるプンムルが、技術を重んじるサムルノリの影響を受けて現代的に変化しているという負の面もある。村総出で家々をまわって一日中遊んだプンムルと違って、サムルノリは室内の舞台の上で10分間で1曲だ。西洋的とも言える。
4人はそれぞれが後進の指導、世界中での演奏などで活躍しているが、3月に結成30周年を記念してソウルの世宗文化会館で記念公演を行う。
金徳洙、李光壽、チェ・ジョンシル、故キム・ヨンベ氏の代わりにナム・ギムン氏4人が集まる。サムルノリ人気の高い日本でも、各都市での公演が予定されている。李光壽氏は「歳も歳だし、40周年は難しいだろう。これが最後のオリジナルメンバーでの演奏になるはず」と話していた。それでも彼らはまだ50代中盤。これからも活躍を続けるだろう。サムルノリのオリジナルメンバーが再び同じ舞台で演奏するというのは、韓国芸能界では歴史的なことだ。
写真(ネットニュースより借用):オリジナルメンバーで集まり記者会見兼公演をしたサムルノリ。左からナム・ギムン、キム・ドクス、イ・グヮンス、チェ・ジョンシルの各氏。
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この記事へのコメント
1. Posted by けすけ
2008年01月29日 01:49
内容を少し修正しました。