2009年5月14日18時43分
法廷で被告人質問をするかどうか話し合ったとき、弁護士は「被害者の生の声に意味がある」と言った。女性はそれを聞いて「つらいけれど、自分が問うことで被告は真剣に考えるかもしれない」と思うようになった。
法廷では、「許されるなら被告の手首を斧(おの)で切り落としてやりたい」と泣きながら意見陳述。原稿段階で、弁護士から「血を連想する表現はやめるべきだ」と反対され、表現は変えたが削らなかった。被告は公判の最後に、その発言を引いて謝り、懲役2年の実刑判決が確定した。
女性は「判決が思う通りにはならないことはわかっていた。それより私にとって大切なのは納得。私はできることをした。だから今は、前を向いて歩いていける。よい弁護士との出会いは重要だ」と話している。(編集委員・河原理子)