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【政治】

世論調査 鳩山氏リード 風向き一変

2009年5月19日 07時08分

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◆自民 選挙へ不安広がる

 民主党新体制発足で、支持率回復基調にあった麻生政権への風向きが一変した。主要各紙の世論調査では、次期衆院選に向け、首相や与党に厳しい結果が突き付けられた。逆に出直しを目指す民主党は上々の滑り出しとなった。

 「開店したばかりの店なんだから、客が来るのは当たり前だよなあ」。十八日の自民党役員会では、ある幹部が民主党の党勢回復を伝える各マスコミ世論調査にこう強がってみせた。

 しかし「どちらが首相にふさわしいか」でも、次期衆院選比例代表での投票先でも、民主党に後れを取った自民党の苦悩は深い。しかも「鳩山氏ならくみしやすい」と思っていただけに衝撃は大きい。

 中堅・若手議員からは「麻生首相が支持されていないことを再認識した」「絶望感はないが、まずいなという感じ」と不安の声が広がった。政府筋も「ご祝儀相場という考えはやめた方がいい」と警戒感を隠さない。

 選挙戦術の練り直しを求める声も上がった。

 村田吉隆国対筆頭副委員長は会見で「比例代表を大事にしないといけない。世論調査の結果を受け、選挙対策委員会でも対策を練るだろう」と指摘。具体的な運動方針の練り直しが急務となりそうだ。世襲議員の立候補制限や議員定数削減など「党の体質をガツンと変える」(党執行部)荒療治が不可欠との声が高まる一方で「決め手はない」(中堅議員)とのため息も漏れる。 (篠ケ瀬祐司)

◆民主『期待戻った』攻勢へ

 民主党の鳩山由紀夫代表は十八日、世論調査の「どちらが首相にふさわしいと思うか」との質問で、麻生首相を上回ったことについて「期待感はありがたい。期待に応えられるよう頑張るしかない」と強調した。

 小沢一郎代表代行の秘書が逮捕・起訴された西松建設の違法献金事件による打撃から、反転攻勢のきっかけをつかんだ格好。鳩山氏は「西松問題で低下していた期待感が戻ってきた。さらに高めていきたい」と述べた。

 党内には、小沢氏の処遇によっては、世論の批判を浴びるのではないかとの懸念もあったが、「二重権力構造との批判もすぐに消える」(幹部)と、挙党一致を訴えた新体制が受け入れられたとの見方が大勢だ。岡田克也幹事長も「代表選は非常に短い期間だったが、もう一回、民主党に期待してみようかということにつながった」と、国民の期待に手応えを感じている。

 鳩山氏は原則、一日一回は記者団の質問に答える機会を設けるなど、メディア露出を増やす方針だ。「十分に政権交代できる。首相との比較の中で、期待感を持っていただいている。積極的に党首討論をやりたい」と、小沢氏とは対照的に首相との直接対決に意気込んだ。 

 (後藤孝好)

 (東京新聞)

 

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