サービスとは?
一昨年の秋くらいからサービス・サイエンスということばが、ビジネス雑誌や学術誌を飾るようになってきている。また、日常生活においてサービスということばが、さまざまな意味で使われている。「サービスを科学する」というタイトルで本連載を行うにあたり、やはりサービスということばの意味について言及しなければならない。今回は、サービスということばの意味を概観する。
Web上のフリーな百科事典サービスであるWikipedia[1]によると本連載で扱うサービスに関する定義は以下のようになっている。
Wikipediaからの引用
「サービス(英 service)とは、経済用語において、売り買いした後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。第3次産業が取り扱う商品である。法用語では、役務(えきむ)などともいう。」
上記のようなサービスに関する定義があるが、サービスという用語の意味は多様である。わが国においてはサービス本来の概念から派生した「無料」という意味もある。またWikipediaではサービスの特性として以下の5つをあげている。
「同時性:売り買いした後にモノが残らず、生産と同時に消費されていく。 」
「不可分性:生産と消費を切り離すことは不可能である。 」
「変動性:品質は一定ではない。 」
「非有形性:触ることができない、はっきりとした形がないため、商品を購入前に見たり試したりすることが不可能。」
「消滅性:形のないものゆえ、在庫にすることが不可能である。」
本連載では、上記のサービスの特性に対し、事象の観察、仮説の構築、仮説に基づいた予測、机上検討や実験やシミュレーション等による仮説の確認、仮説の評価、仮説の追証という科学的な手続きを意識し、サービスについての議論を行う予定である。
[1]http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9