新型インフル対策 県内医師が備え呼び掛け
(4月30日午前11時10分)
外出の際はマスクを持って。予防の基本だ
新型インフルエンザについて、福井大医学部呼吸器内科の石崎武志教授は「鳥インフルエンザが変異して強い毒性を持つという、想定されていたタイプとは異なる」と話し、「タミフルなど抗インフルエンザ製剤も効くというのが安心材料だ」と指摘する。
ただ、懸念されていた「新型」の世界的拡大という点は同じ。感染への備えとして「通常のインフルエンザの予防対策であるうがいや手洗い、マスク着用の徹底」(石崎教授)を強調する。
●「丁寧に」が基本
予防策について石崎教授は「手にウイルスが付着すると、触れた物を介して感染が広がる恐れがある。また、ウイルスは気道に付くのでうがいは有効」と話す。手洗いはせっけんで30秒はもみ洗いして流水で流し、よく乾かすこと、うがいは上を向いてのどの奥まで行うなどとにかく丁寧に行うことが重要。
外出する際はマスクを持参し人込みでは着用する。「ウイルスは飛まつ感染する。感染しない、させない行動が基本」(石崎教授)。せきやくしゃみが出るときは、マスクやハンカチなどで口と鼻を覆うことが肝心だ。
もう一つ、感染への備えとしては日用品の備蓄が挙げられる。マスクをはじめ水や食品、ティッシュペーパーなどの消耗品などだ。流行時には物資の流通に影響が出る可能性もあり、また感染したり感染が疑われる場合は、外出を控える必要があるからだ。
「インフルエンザに感染した際、発症から回復までは2週間程度かかる」(石崎教授)とされ、この期間が備蓄量の目安になる。
●警報鳴り続く
福井健康福祉センター医幹の南陸男医師は、「発熱や頭痛、けん怠感、せきなどの症状に注意してほしい。本人や家族などに発生地域へ10日以内の渡航歴があり感染が疑われる場合は、各健康福祉センターの発熱相談センターに電話を」と、呼び掛けている。
折しも県内では、インフルエンザの流行が長期化している。例年、インフルエンザの流行は1月中旬から3月中旬の約2カ月間。今季、県が1月28日に発令したインフルエンザ警報は4月19日までの12週目も解除されず、過去最長(連続11週)を更新した。
期間の前半と後半でA型、B型2種のインフルエンザが流行したのが原因とみられる。4月に入っても学年閉鎖が相次ぐなど流行は終息しておらず、新型インフルエンザが上陸すればさらに被害が広がる恐れもある。南医師は「インフルエンザ予防を、今まで以上に意識して行動してほしい」と話している。