新型インフルエンザが海外で急速な広がりを見せているが、県内の季節性インフルエンザも終息していない。今シーズンのピークは過ぎたものの、先月30日には3小中学校が学級・学年閉鎖となった。県は、手洗いやうがい、マスクの着用など基本的な予防策を続けるよう呼び掛けている。
健康増進課によると、今シーズンの集団発生は昨年10月末、山陽小野田市の幼稚園で始まった。1月末から2月中旬にかけてピークとなり、県内71カ所の定点医療機関で確認された患者数は、1月5538人▽2月5326人▽3月1444人▽4月1249人。先月30日には、萩、防府両市の小学校で学級閉鎖、阿東町の中学校で学年閉鎖となった。
集団発生による患者数は、4月末までに3769人となり、昨シーズンの2・1倍を記録。ウイルス別では、シーズン当初はほとんどがA香港型だったが、3月以降はB型が占めるようになった。いずれも38度以上の発熱や、頭痛、せき、のどの痛みなどが症状という。
一方、新型インフルが疑われるのは、発生国から帰国して10日以内に症状が出た場合など限られる。県は「症状だけでは見分けが付きにくい。新型に心当たりのある人は、発熱相談センターに相談してほしい」と説明。一般相談は、健康増進課(083・933・2956)で受け付けている。【井上大作】
〔山口版〕
毎日新聞 2009年5月2日 地方版