高学歴コンビ・ロザンの菅が爆笑の連続で描く自伝的小説『京大芸人』、2008年10月30日(木)発売!
著者:菅広文(ロザン)
発売日:2008年10月 30日(木)
定価:1470円(税込)
ISBN:978-4-06-215018-7
発行:講談社
1976年10月29日、大阪府高石市生まれ。大阪府立大学経済学部中退。1996年8月、高校時代の友人である宇治原史規(京都大学法学部卒業)と「ロザン」(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)を結成。
爆笑小説『京大芸人』が2008年10月30日(木)、いよいよ刊行されます。著者は高学歴のお笑いコンビとして大活躍中のロザンの菅さん。相方の宇治原さんとの出会い、京大合格大作戦、そして芸人になるまでを描いた自伝的作品です。
第2章 芸人なれへん?
第3章 宇治原独自の勉強法
第4章 夏期講習とゴールドカード
第5章 マークシート必勝法
第6章 センター試験で壊れたロボ
第7章 京大合格、サクラサク
第8章 浪人生になった僕
第9章 怖そうなおっさんと不思議な6畳間
第10章 友達からコンビへ
菅 僕らが中高生だったころ、先生の『BOYS BE…』がめっちゃ流行ってたんですよ。『週刊少年マガジン』でよう読んでました。
宇治原 僕は正直、漫画をほとんど読まなかったんですよ。でも、『BOYS BE…』は記憶にあるんです。
玉越 ありがとうございます。
菅 中学とか高校のときの連中と集まると「『BOYS BE…』、読んでたなー」って話になるんで。この『京大芸人』も、中高生の方が読んで、大人になったときに、「『京大芸人』読んだなー」ってなってもらえたらいいなぁって思いますよね。
玉越 ありがたいですよね。そう思ってもらえたら。
──ちなみに玉越さん、『京大芸人』は……。
(たまこし・ひろゆき)
漫画家。大阪府出身。主な作品に『BOYS BE…』(原作/イタバシマサヒロ 『週刊 少年マガジン』連載)、『ケ・セラ・セラ』(『スーパージャンプ』連載中)などが ある。
玉越 すごく面白そうだから、ちゃんと読みたいなって思ったら、手をつけられなくて。でも、あらすじだけは押さえてきました。宇治原さんがマシーンだったんですよね?
菅 そうです。“高性能勉強ロボット”。
玉越 僕、本当に本が読めないんですよ。高校も、当時大阪で偏差値が最低レベルの男子校で、そこでベベ(最下位)だったくらい頭が悪いんです。
菅 『BOYS BE…』的な、エロいことばっか考えてたんちゃいます?
宇治原 アハハハハ。
玉越 妄想はたしかにしてました(笑)。だから、ロザンさんが本当にうらやましくて。頭いい人って憧れます。『Qさま!!』とかで活躍されてるの、本当にカッコイイですよ。
宇治原 いやいやいやいや! 必死ですよ。
玉越 芸人さんはモテるっていいますけど、どうですか? 漫画家は全然モテないんです。
宇治原 モテる人はモテるけど、モテない人はモテないですよ。
菅 漫画家さんも一緒ちゃいます?
玉越 学生のころってどうでした? 頭がいいとモテるんじゃないですか?
菅 それぞれ、彼女はいましたけどね。
玉越 わー! すごーい! すごーい!
菅 僕は、中1から大学入るまで、同じ人とつき合ってました。
玉越 すごーい!
菅 『BOYS BE…』してましたねぇ。
玉越 いいなぁ~。
──『京大芸人』では、いわゆる性的な悶々とした要素はほとんど省かれてますよね。それはなぜですか?
菅 売るために(笑)。幅広いターゲット層を狙うための意図です。
──受験マニュアルとして読んでほしいですか?
菅 その部分もあるんで、参考になったらええんちゃうかなと思いますけどね。やり方はだれでもできます。ただ、継続するのが難しいんですよね。
──たしかに。(玉越さんに)宇治原さんは、まずは教科書を読んで読んで読みまくってぜんぶ暗記したんですって。
玉越 すごーい! あのぉ……『京大芸人』読んだら、僕でも京大入れますか?
宇治原 読んでいただければ(笑)。
玉越 必ず読みます!
菅 多分無理やと思います(笑)。
玉越 アハハハハ!
菅 もしもこの『京大芸人』が売れたら、きっと、次は相方が書けって話が出てくると思うんですよ。ロザンとしての2作目は、宇治原が自伝的官能小説書きますから。
宇治原 ワハハハハ! ひどいことになるやろな〜。
玉越 楽しみですねぇ。僕、挿絵、描きます。
宇治原 わぁ、うれしいなぁ~。
菅 それめっちゃオモロイな! この企画がOKになるには、「菅さんが言うんやったらしょうがないです」ってなるくらい、『京大芸人』が売れないと。『BOYS BE…』も、ものすごい出ましたよね。何万部ですか?
玉越 いやぁ~、2000万部……。
菅 (大声で)えぇ!?
宇治原 すごいなぁ~。すごいよなぁ。
菅 たった5万部で図に乗ってた自分が恥ずかしい……。
女性ファッション誌で妄想をふくらます!?
菅 漫画家って、ずーっと部屋にこもって仕事してるイメージありますね。
玉越 あ、そうです。漫画ばっかり描いてます。
菅 仕事ばっかりしてるってことを漫画に描く人って多いじゃないですか。あだち充さんとかもそうでしたよね。僕、漫画家と芸人って、仕事的に似てるところがあるなぁと思うんですよ。
玉越 え? そうですか!?
菅 芸人ってまず、漫画好きな人がめっちゃ多いんですよ。それは、伝える、表現するという構造において、ふたつの職業が似てるからちゃうかなと思うんです。芸人は頭の中で映像を浮かべながらしゃべる職業で、漫画家は、映像を絵に落とす職業じゃないすか。で、どっちも肝心なのはストーリーっていう。
玉越 なるほどー。僕も、大阪出身なので、子供のころから吉本新喜劇が大好きなんです。最初に笑いでつかんで、最後に落とす。そして、ちょっとウルッとさせたり、ホワッとさせる。自分では、そういう笑いのノリが、『BOYS BE…』に出てたと思うんです。
宇治原 ほぉ。
玉越 『BOYS BE…』では、昭和のベテラン芸人さんの名前を、登場人物の名前に、ズラッと使わせてもらってます。
菅 だから、関西の中高生は、はまったのかもしれないですね。
宇治原 僕ら芸人は、しゃべるときに色をつけることはありますけど、まったくゼロのところから話すことはほとんどないんです。漫画の場合はどうですか? 先生が描いておられるのって、自分の経験のなかからつくっていくもんなんですか?
玉越 本当に小さな糸くずを見つけて、なんとか紡いで着れるようにした、という感じです。『BOYS BE…』でも、自分や担当編集者の経験はもちろん、近しい人みんなネタにしてますね。原作者のイタバシマサヒロさんが「ひとネタ2000円で買う」って言ってましたから。
菅&宇治原 アハハハハ。
玉越 ネタはどちらが書かれるんですか?
菅 僕です。
玉越 大変ですか?
菅 大変なときは大変ですね。締め切りに追われるときとかありますよ。でも、思いつかへんときは、1週間、なんも思いつかへん。10分のネタが2分でできるときもあるのに。
玉越 最近、テレビの露出が増えたから、ネタを何個も考えて、やるのが大変そうだなって。漫画は1回描いてしまえばそれで終わりですけど、漫才とかコントとかって、違うじゃないですか。
菅 だからこそ、やっていくうちにネタが変わっていく面白さはありますね。同じネタが、回数を重ねることで、違うネタに変化していくんですよ。
玉越 “間”とかも変わってきたり?
菅 そうです、そうです。
宇治原 先生の絵柄も変わりましたよね。特に女の子。やっぱり、そのとき流行ってるコとかが影響してますか?
玉越 それはありますね。グラビアとか写真集とか見たり。でも、実は、あんまりそれは面白くなくて。それよりも、あえてファッション誌とか見て、妄想をふくらますほうが楽しいんですよね。
菅&宇治原 あ~~(ニヤリ)。
玉越 グラビアって……。
菅 見えてますもんね。見えてないところから、どうアプローチしていくかが楽しいんですね。
宇治原 わからなくはないですね(笑)。
玉越 意外と女性誌は、女性だけが読むと思って無防備なんですよね。
宇治原 記事も、けっこうエロい。
玉越 赤裸々なOLの実態とか。
菅 アハハハハ!
吉本の徹平&トヨエツ!?
──『BOYS BE…』はアニメ化もされましたしね。『京大芸人』も、他のメディアへの展開が楽しみです。
菅 ドラマ化なったらええなー、とは思ってます。あ、っていうか漫画にしてほしいわ。先生、してくださいよ。
玉越 頑張ります!
宇治原 でも、先生に頼むんやったら、もっと女子が登場せんと。
菅 そやなぁ。宇治原の姉ちゃんしか出てきぃへんからなぁ。
玉越 お姉さんは似てるんですか?
菅 そっくりなんですよ。
玉越 あぁ~。それは読者が食いつかないですねえ。
宇治原 やかましわ(笑)!
玉越 おぉ、ツッコミいただきました(笑)。
──ドラマ化するなら、お二人の役は誰に演じてほしいですか?
菅 僕は、小池徹平で(笑)。宇治原は……。
玉越 トヨエツ(豊川悦司)とかどうですか?
菅&宇治原 ワッハッハッハ! ト、トヨエツ!?
玉越 宇治原さんの形がトヨエツっぽい。
菅 (遠くにいるスタッフに向けて)もしもドラマ化の話があったら、トヨエツさん第1候補でお願いします!
宇治原 むちゃくちゃやで、それ。オレがトヨエツって。
菅 小池徹平とトヨエツが同級生の絵ってめっちゃオモロイな!
宇治原 オモロすぎて、話が頭に入ってきぃへんって。
玉越 菅さんのイメージに、小池徹平はすごく合いますね。
菅 ほんまですかぁ? 僕、吉本の小池徹平って言われてるんです(笑)。宇治原も吉本のトヨエツって言われてるしな。
宇治原 言われてへんわ!
──そういえば玉越さん、最初に質問されていた「芸人さんはモテるか?」の答えは出ましたか?
玉越 出ました。芸人さんがモテるんじゃなくて、このお二人がすべてをもってたということです。頭、美貌、面白さ。
宇治原 そんなことないですよ! えらい顔してまっせ!
玉越 いやいやいやいや。かっこいいです(断言)。
菅 僕はとりあえず、『京大芸人』2000万部を目標にします(笑)。
【応募方法】
官製ハガキに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、下記の宛先までご応募ください。締め切り:2008年12月22日必着
[宛先]112-8001 東京都文京区2-12-21 講談社 Moura 京大芸人サイン本プレゼント係
※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※お送りいただいたハガキは抽選以外の目的では一切使用いたしません。
テストの点数が上がることだった
『京大芸人』を執筆することになったきっかけは?
菅「宇治原とのことを小説にしたら、面白いんちゃうかな”と思ったことですね」
宇治原さん、読んでみての感想は?
宇治原「とっても面白いです!」
菅「フフフフ(笑)」
宇治原「読みやすいですしね。僕が菅の書いた文章を読み慣れているので読みやすいんかなと思ったら、他の人も同じ感想でした。あと、僕にとっては“こんなこと、あったなぁ”と思える懐かしい物語でもあります」
菅さんが宇治原さんの話を書こうと思った時、どこをメインにしようと思ったのですか?
菅「予備校などで講演会をさせていただくことがあるんですが、そこで宇治原の勉強法を話したら、受験生やその親御さんがすごく納得していたので、“これはカネになるな”と思っていたんですよ(笑)。だからそこを軸にして、その軸を読みやすくするために、他の部分を面白く書こう、と考えました」
読んでみての感想ですが、菅さんと出会った頃の宇治原さんって……、イヤなヤツですね。
宇治原「マジっすか!? それは菅が仕掛けた罠ですよ!」
菅「アハハハハ!」
“高性能勉強ロボ”すぎて、人の気持ちがわからなすぎますよ!
菅「基本的に、“宇治原をつぶしたろ”と思って書いているので」
宇治原「えーっ!?」
お互いの第一印象は、どんな感じだったんですか?
菅「ホンマ、ロボですよね。うちの学校は、中・高一貫なんですが、高校から入学してくる人もごく少数いるんです。その少数派は超秀才で、宇治原もその一人ですが、中学からいる僕にとって彼らは全員ロボットに見えました。区別がつかない感じでしたね」
宇治原「僕は、菅とバスケ部で出会ったんですが、菅は部活に来たり来なかったりしていたんですよ。学校のクラブで、それも1年生で、こんなことってあるのか、と思いましたね。しかも、バスケがそんなにうまくない。なのに、体操着に着替えず部活をやったりするんですよ! PTA会長の息子なんかな、と思いましたね」
菅「気分が乗った日は部活に行き、気分が乗らない日は行かない、というスタンスでした。特に怒る先輩もいなかったですし」
普通、高校生が一番真剣に取り組むのって部活ですよね……。それが許されるという部活のスタンスにもよく現れていますが、お二人の通っていた学校って、変わってますよね。
二人「変わってますねぇ」
宇治原「僕は中学が広島の、いわゆる普通の公立だったので、入学した時に“変な雰囲気やな”と思いましたね。僕らみたいな転入生からすると、中学からそのまま上がってきてる人がロボに見えましたし」
菅「ロボ対ロボですよね。未来戦争ですよ」
宇治原「両方とも、武器をまったく持ってへんけどな(笑)」
作中に出てくるエピソードで、何が驚いたかって、自由研究です。高校生が選ぶとは思えないようなテーマを、みなさん選んでるんですよね……。
宇治原「菅が“徳川家光について研究してきたので、発表します”と言って、内容がほとんど鷹狩りについてだったこともあったよな。“こいつ、何を調べてんねん”と思った覚えがあるわ」
菅「当時、鷹狩りがメチャメチャ好きだったんですよね(笑)」
そして、読むとわかるんですが……、なんと宇治原さんの京大進学を菅さんが決めていた、という。
菅「当時から芸人になりたかったので、実際になったら“京大芸人”という肩書きは武器になると思ったんですよ」
宇治原「僕も“頑張ったらいけるんちゃうか”と、言われた時に思いました。それは現実を知らんもんの強みですけどね。実際、最初に模擬試験を受けたらE判定で絶望的でしたし」
でも、最終的には現役で合格するんですからスゴイ。それにしても驚きの勉強法ですね。
宇治原「一年後に受かるためにはどうしたらいいのかを考えた時、あれが一番自然な方法だったんですよ」
菅「僕も宇治原の勉強法を間近で見ていたけれど、まわりもそんなヤツらばかりだったので、違和感がありませんでした」
高校3年生の頃の、お二人の楽しみはなんだったんですか?
宇治原「僕はテストの点数が上がることですね」
菅「僕はなかったです。とにかく早く受験が終わってほしかった」
そして1年後、菅さんは浪人中に宇治原さんの勉強法を実践したとか。
菅「もう、みるみる学力が上がりましたね。おかげで、大学に受かりました」
芸人をやっている日々は、ロールプレイングゲームのようです
大学に入学したお二人は、本格的に芸人への道を歩き始めます。実際に芸人になってみて、驚いたことはありますか?
菅「ウワサでは聞いていたけど、ホンマに舞台のギャラが500円だったことですね。ATMで下ろせないんですもん」
宇治原「この世界に入りたての頃は、先輩芸人が怖かったですね。素人って、テレビや舞台を通してしか芸人を知らないので、普段のそんなにテンションが高くない表情を知らないじゃないですか。だから、すごく怖く見えました。多分、僕らも今、後輩にそう思われているんでしょうけど」
今、芸人になってよかったな、と思いますか?
宇治原「はい、毎日が楽しいです。日々、仕事が違いますからね。舞台で同じネタをやっても、お客さんの反応によって全然違ったりもしますし」
菅「自分が主人公のロールプレイングゲームをやっているような感覚です。毎日成長をしているし、かと思えばバンバン負ける時もある。“こんなアイテムを見つけた”と喜ぶこともある。本当にゲームのような感覚ですね」
この本を読んでいると、お二人の仲のよさを実感しますね。
宇治原「でも、びっくりするようなウソを菅がつく時もありますよ。僕は菅から10年くらい、“昔、リトルリーグに入っていた”と騙されてました。キャッチボールをしたら菅がバスケよりうまかったので、“うまいな”と言ったら、そう答えたんですよ。でも実は、入ったことなんてなかったんです。そんなウソをつく意味がわからない!」
菅「多分“うまいな”と言われて、その後の会話が面倒くさかったんやろな〜」
宇治原「俺、真実を聞かされた時、ホンマにびっくりしたぞ!」
それも仲がいいからこそ、ですよ。さて、ロザンは単行本を発売後、単独ライブが控えているとか。
菅「11月15日(土)に大阪のワッハホール、30日(日)に東京のルミネtheよしもとでやります。新ネタと過去のネタを混ぜて、今一番いいと思えるベスト版のライブになると思います。タイトルもズバリ『ロザンの08ベスト』です」
最後に、お二人からメッセージをいただけますか?
菅「『京大芸人』は受験生だけじゃなく、社会人の人にも役に立つことが詰まっていると思います。読みやすくて面白い1冊なので、ぜひ読んでいただきたいですね」
宇治原「うん、僕は読んで面白かったです! 読んでいる最中に、菅が3〜4回、“面白い? 面白い?”と聞いてきましたけどね」
菅「最後は宇治原からちょっとキレぎみで“だから、面白いって!”と言われました(笑)」