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新型インフルは春先から国内で流行していたのに放置されていた? そして、一番の貧乏くじを引くのは日本?

2009年05月19日02時19分 / 提供:ニュースブロガー

ニュースブロガー

なんでも評点

■ 病人を新型ウィルスから守るのが一番の対策では?

 先の記事で、慢性疾患などで入院中の患者が新型インフルエンザに感染するのが最も心配と書いた。これまでのメキシコや米国からの報告によると、基礎疾患のある人が感染した場合に重症化することが多いとされているからだ。で、昨日の昼頃、母が入院している病院から電話がかかってきた。

 なんと、その病院では新型インフルエンザ対策として「入院患者への面会の全面禁止」を決めたという。家族であろうと面会はできない。実に早い決断である。私が抗議したはずがない。当然、「ぜひそうしてもらいたかったところです」と返した。いろいろ不便が生じるけれども、今のところは、これこそが最も確実な「新型インフルエンザ対策」だと思っていたからだ。

 健康体の一般人向けの対策に関しては、もはや万全の対策などありえない。映画館を休館するのも無意味だと思う。映画館などより、はるかに感染のおそれのある満員電車を禁止したら日本の経済機能は完全に停止する。

 今できる対策、そしてするべき対策は、新型インフルエンザによる死者数をできるだけ減らすことではないかと思う。これまでのデータを見ていると、新型インフルエンザの致死率は毎年1万人の死者を出している季節性インフルエンザと大差なさそうだ。しかし、感染力がおそろしく強いため、いずれは人口の1割以上が感染することも考えられる。

 そうなると、致死率が季節性と大差なくても、絶対的な死者数が増えることになる。季節性による毎年の死者数は毎年のことなので言い方は悪いが“織り込み済み”の数値で済むだろう。しかし、1000万人に感染して、イレギュラーに1万人もの死者が出たらどうなるか?


■ 放置していると“見殺し”が繰り返される?

 東京都の情報統制(というか、あえて詳しい検査を避けた姿勢)は、結局、オリンピック誘致が背景にあるのかもしれない。しかし、都内で新型インフルエンザにより1000人もの死者が出たら、もう誘致などできなくなる。

 東京都の病院も、上記の病院のように入院患者への面会に大きな制限を設けるべきではなかろうか。しかし、今のところは、詳しい検査が行われていないので患者数はゼロということになっている。だから、面会制限を設けるのも難しいだろう。

 このまま東京都や厚生労働省が放置していると、どんどん院内感染が広まって抵抗力の弱い患者を大勢見殺しにすることになりかねない。実際、厚生労働省には、薬害肝炎/エイズで大勢の人を見殺しにした前科がある。(ちなみに母もまた薬害肝炎の犠牲者のはずなのだが、本人がまだ元気なころは、もめ事嫌いということもあり、あまり追求しようとしていなかった)。


■ とっくに国内で流行っていた?

 さて、健康体の人に関しては、新型インフルエンザをあまり恐れる必要はなさそうに思われる。というか、先の記事のコメント欄でも医療関係者の人から「今年のワクチンは外れたとか言われてたので、その頃からブタが流行ってた可能性も考えられます」という指摘があった。実はそうなのかもしれないと思う。

 もうしそうだとしたら、メキシコが発生源だと騒ぎ立てたWHOとしては、今さら、もっと前から“アジア”で流行していたなどと撤回はできないだろう。しかし、どこかに春先の検体が残っていないだろうか。その検体を遺伝子検査にかけてみれば、まさしく新型インフルだったりするかもしれない。

 いや実際、先の記事で紹介した国立感染症研究所・情報センターの「インフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数)」ページに用意されている4月の各週のPDFファイルを見ると、前年度よりはるかに多くの学校で学級・学年・学校閉鎖が行われている(先の記事のコメント欄でもご指摘があったとおり)。

 “実害”はなかったのだから、今みたいに騒ぐより放置の方がよいという判断があったのかもしれない。春先から流行っていたとして、感染した人のほとんどは無事回復しているだろうし・・・。


■ 兵庫県はKY?

 先の記事では、「いきなり首都圏で多数の患者を報告するのではなく、まずは震災の経験で危機に対峙することに慣れている神戸から小出しに報告していくことにしたのではないか、と疑いたくなる」と書いたが、よく考えてみれば神戸という地方自治体がまじめな対応をした結果、感染者が多数に上ることが“発覚”したと見る方が妥当な気がしてきた。中央の政府としては、兵庫県やそれに追従した大阪府のことを「空気の読めないやつ」と思っているかもしれない。

 東京都は5月18日になってようやく重い腰を上げたのかそうでないのか、次のような動きを見せた。 

新型インフルエンザの国内感染問題で、東京都は18日、国内感染拡大を受けて対応を強化した。医療機関の発熱外来の受診対象者を、メキシコなどへの渡航歴のある帰国者などにくわえ、国内感染が発生した関西地域の確定患者との濃厚接触者にまで拡大した。 さらに、38度以上の発熱や呼吸器症状があり、迅速診断キッドで新型インフルエンザと同じA型陽性反応者が3人以上出た学校(クラス単位)や病院については、集団感染の可能性があると判断し、必要に応じて陽性反応者へのPCR検査を行うとした。【引用元】都が対応強化 発熱外来対象者を拡大 - MSN産経ニュース:

 “国内感染が発生した関西地域の確定患者との濃厚接触者”という下りには、「まだしらばっくれてるのか」という思いがしないでもない。東京都がここまで事態を放置していたのは、放置しても大丈夫という確証があったからではないか、という穿った見方をしたくもなる。いつもとは少し違うタイプのウィルスが流行っていることを前から知っていたのではないか、と。そして流行したが季節性と大差なかったから、別に放置しても影響ない、と。


■ 隠蔽に荷担して一番の貧乏くじを引かされる?

 ま、これは私の邪推に過ぎないとお断りしておく。その上で続ければ、今回の新型ウィルスに関しては、病原性は季節性インフルエンザと大差ないのに、肝心な情報が隠蔽されきたばかりに変に騒ぎが大きくなり、結局、隠蔽の一端を担っていた日本政府が一番の貧乏くじを引かされる結果になるのではないかという気がしてきた(オリンピック誘致失敗やら、高病原性鳥インフル用の対策を大げさに適用したことによる経済的損失やら、世界からの信用失墜やら)。

 それと、不思議なことに日本で学校閉鎖が相次ぐより2週間以上も前の4月20日ごろから中国陝西省の小学校で100名以上の児童が“インフルエンザ様症状”を呈し、学校が4日間にわたって閉鎖されたという話がある。この話は中国紙が伝え、英語のメディカルニュース・サイトで英訳された。さらに、下記ブログに日本語訳がある。

Nobody asked me but.... Doctors Blog 医師が発信するブログサイト

 もちろん中国では現時点で3人しか新型ウィルスの感染者が確認されていないので、この児童たちは別のウィルスに感染したに違いあるまい。そうでないと、いろいろとまずいではないか。


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