診療報酬の大幅引き上げなどを財政審で提言−日医・中川常任理事
日本医師会の中川俊男常任理事は5月18日の財政制度等審議会の財政制度分科会財政構造改革部会で、「国民皆保険を守るための緊急提言」として、「外来における患者一部負担割合の引き下げ」「診療報酬の大幅な引き上げ」の2点を提言した。
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中川常任理事は、国民の経済的困窮からくる受診抑制、重症化への懸念を解決するために「外来における患者一部負担割合の引き下げ」を、医療資源の大幅な不足・偏在による地域医療の崩壊を食い止めるために「診療報酬の大幅な引き上げ」をそれぞれ提言した。
これに対して委員からは、以前から財政審でも導入を提言している「少額医療費についての保険免責制をぜひとも導入してはどうだ」との意見が出たが、中川氏は「軽度の医療の負担割合が極端に大きくなってしまうので、皆保険制度の意義が問われる。医師会としては賛成できない」とした。
また、診療報酬の引き上げに関して委員から、「国民感情からすると、なぜいきなり診療報酬を引き上げるのか理解できない」という意見が出された。「不況の下で民間の給料は下がるのに、なぜ診療報酬だけが上がるのか。議論すべきは診療報酬の推進(引き上げ)よりも、むしろ配分の問題ではないか」との意見には、「診療報酬の配分の見直しという姑息(こそく)な手段では問題は解決しない」と反論した。
さらに、「混合診療についても前向きな議論をしてほしい」との意見に対しては、「最先端の有効な新薬については、速やかに保険診療の対象にすべきだ。混合診療を全面解禁にすると、安全性・有効性が確保できない。そういうふうな民間療法もすべて解禁されるので反対をしている」と述べた。別の委員からは、「混合診療の解禁が医師の収入を増やす突破口になるのでは」との意見も出たが、「そうは思わない」とした。
更新:2009/05/18 22:40 キャリアブレイン
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