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北ミサイル開発 頭脳と物資流出危機 発射6カ月前、科学者訪朝

2009.5.19 03:05

 北朝鮮が、ミサイルや燃料の運搬に利用できるタンクローリーを日本から調達しようとしていた実態が浮かび上がった。ミサイル開発、配備と密接に関連した物資の調達。北朝鮮は昨秋以降、日本の大学で学んだ在日朝鮮人のロケットエンジンの技術者を呼び寄せるなどミサイル開発に国家を挙げて動いていることも公安当局は把握している。日本から「頭脳」と物資が流出する危機が迫っている。

 今回、中古車販売会社に大型タンクローリーを発注した「朝鮮白虎7貿易会社」は朝鮮人民軍直轄の商社。経済産業省が「大量破壊兵器やミサイルの開発への関与の懸念が払拭(ふつしよく)できない」とするリストにも載っている。

 北朝鮮のミサイルのうち、大型発射台を必要としない弾道ミサイルはトレーラーで移動しているとみられており、情報衛星による所在把握は困難だ。タンクローリーもシャーシ部分を使ってトレーラーのように改造できることから経産省や各地の税関は特に厳重に輸出統制を敷いている。

 また、液体燃料を使う北朝鮮のミサイルシステムにとって、高い耐腐食性をもつタンクを据え付けたタンクローリーは必須の資材。大量の燃料を輸送できればミサイル運用の機動性は大幅に高まる。

 北朝鮮が調達に心血を注ぐのは物資だけではない。

 公安当局によると、昨年10月から11月まで、在日朝鮮人の科学者4人が、ロシア・ウラジオストク経由で北朝鮮を訪問。在日本朝鮮人科学技術協会(科協)の幹部や顧問らで、かつて東大生産技術研究所などに所属し、優れた研究業績から米国で表彰されたことのある権威もいた。

 訪朝の時期が4月のミサイル発射の約6カ月前だったことから、公安当局はタンクローリーの調達と関連がないか注視している。

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