2009-04-18 10:52:11

プライド時代の光と影13

テーマ:ブログ
アカーシオ戦が終わってもっと強いヤツらと練習しなきゃダメだ。と思った俺は社長にお願いしてアカーシオがやシウバがいるシュートボクセに練習行く事をお願いした。
そして「良かった」 と言われたんだから 次挽回するチャンスをプライドで頂ける…と思っていた俺に来た試合は イギリスのケージレイジという金網の大会だった。 相手の名前は忘れたがかなり強い選手だったはず。(その外人さんケンカで刺されて以降試合してないけど(笑))

俺は「え? 打ち合えって言われて 勝ち負けじゃないって言われて 言う事聞いたのに? 」
当時プライドはケージレイジと提携してたんだっけな? もう俺は言葉にならない程の嫌な気持ちが溢れでてしまった。

自信をなくしていた俺はシュートボクセで練習させて下さいとお願いしてたのだが 当時ちょうど中村カズがシウバと試合か決まっていて 向こう側が断ってきた…という話だった。 それが本当かどうかは知らないが。
俺はもう こういう扱いばかりされる自分の立場に嫌気がさし もう試合をやる気など起きなかった。 周りにつまらない試合や何回負けてもチャンスをもらっている選手がいるのに俺は… みたいなね。 前に自分についていたマネージャーの方に言われた言葉を思い出した。「高瀬のため思ったら ここを(Jロック)出た方がいいんじゃないかと思うよ…」という言葉。
今までの事が溜まりに溜まっていた俺は 「やらないと知らないよ」と社長に言われたが 「やれません」と言ってしまい電話を切られた。

「もうこのまま格闘技を続けてもずっとこういうのが続くんだから やめよう」
その時そう思ったから 全て投げ出したかったんだと思う。

だけど よく考えて 格闘技が好きだし 可愛がってもらえなくても辛い思いをしてでも 我慢して我慢して 我慢して、やるしかないんじゃないか……
俺は迷って迷って迷った挙げ句 その日にマネージャーに電話して「社長にやらせて下さいと伝えて下さい」と言った。

しかしもう既にUファイルの佐々木恭介選手が代役に決まっており 遅かったようだ。(結局その強豪外人も怪我で欠場というなんともお粗末な結果に)

吉田さんから夜電話があり 疲れきった声で 「なんなんだよ… 言われたらすぐ返事しろよ…」と言われた。 恐らく社長にどやされてしまったんだろう。

これ以降 ヒクソンの寝技の大会があったくらいで 試合は完全に干されてしまった。 ウェルターグランプリも アカーシオに負けたから出れなかった、と思っていた人も多かったのでは?
残念ながらそうじゃない。 もうこの事があって社長はJロックを辞めさせるつもりでいたのだ。後に聞いた話だが 会社で「高瀬辞めさせるけどなんか言いたい事あるやついるか!?」と言っていたらしい。
契約が終わるまで 人の試合を見て歯を食いしばるしか俺にはなかった。
この時新たな話が違った所から舞い込んで来た。それは後ほど書こう。

アンデウソン戦が終わってもし自分が可愛がられていたら もっと良いプロデュースをしてもらっていたに違いない。 現に社長にも(損するタイプじゃなかったら)「もっと 上にいけたと思うよ?」と前に言われた事があった。
俺はふと 所英男選手を思い出した。 彼もヒーローズでペケーニョに勝ち ホイスみたいな“おいしい相手”とやらせてもらったり……(誤解してほしくないけど所選手は素晴らしいファイター)
俺も前から日本の社会の仕組みをわかっていたらきっとテレビにもバンバン出たり上手くプロデュースしてもらっていただろう。 あるマスコミの人に「高瀬君は本当にもったいないねぇ 発言とか誰かがちゃんと教えて、上手くプロデュースとかしてもらったら もっともっと上にいけるのにね…」と言われた事もあった。

そう 俺は 自分で自分の才能を潰してしまったのだ。 社長は社長で吉田さんは吉田さん。 社長が俺に合わせる必要なんてないんだよね。俺が社長に気にいられる努力をしなきゃいけなかったんだよ。 だけど俺はそれを怠った。というか知らなかったんだよね…
元々 勘違いされやすい人間なんだから人三倍はそういう “世渡り上手”にならなきゃダメだったんだ。


そして 契約が終わろうとして 社長と会社で話す日がやってきたんだ。
ケージレイジを断って以来 話をしていなかったから緊張したよね。

そして お互いに 意志は同じだったんだ。

続く

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