2009-04-16 00:50:02

プライド時代の光と影11

テーマ:ブログ
「ファイトっ!!!」

レフリーがそう言って 軽く打撃を出して組み付こうとしてるのだが 緊張感で体がフワフワしてる。 上手く組み付いた!と思った瞬間 自分は気づくと下のポジションに。 「あれ?」
とにかくガードポジションに戻し一呼吸ついた。
なんかおかしい…

過度の緊張によって心拍数も速く、体もついていっていかない。
下からアームバーをキャッチし オモプラッタから三角へ行くかそのままリバーサルするか。
オモプラッタに行ったのだがカーロスは側転しディフェンスしまたガードに戻った。 お客さんかの「おー!」という感嘆の声が聞こえた。

しかし…

俺はそのたった3分間の攻防で 息があがっていた。 その時心の中で 「マジかよ…」
とつぶやいた。
相手の打撃で行くというソフトバンク(予想外)な発言で過度なナイーヴさを生み出し、スタミナのロスを異常なまでに早めたのだ。

そしてガードポジションの中で 痛くもないし痛くなくもないパンチをコツコツ打ちながら 「ハァハァ」言ってるカーロスを見て 「えっ 判定狙い!?」と叫びたくなった。
しかしスタンドの攻防で俺は左ストレートのダブルを打ち込みカーロスがのけぞった。 彼は鼻血を出していたのが一瞬見えたが多分 “すすって”いたんだろうな。
そしてなんとかタックルで上になったが スタミナ切れてる俺はフェイントもかけれず遅い動作のパスガードを狙った。 しかしカーロスはそこを上手くスィープしてきた。スィープしてきて寝技合戦か!と思ったらカーロスは立ち上がってしまった。 「ありゃあ寝技やる気ねんだ…」
普段やられない事をやられるのは完全に練習不足しかない。
1ラウンドはリードしていたが 2ラウンドはもう上になる力もなくガードの中で痛くもないし痛くなくもないパンチを受けて 2人で「ゼェゼェ」(笑)。
ゴングが鳴り、“ただ上にいただけ”の印象で
「判定ヤバいかも」と思ったら まず最初はカーロス。 そんで2人目のジャッジが俺。そこで一部の客からブーイング…そして3人目!

「高瀬!」

心の中で「ちゃんとパンチや一本狙っていたのを評価してくれたんだ」と思い 思わずガッツポーズを取ってしまった。
プライドのルールにも 判定は 一本を狙う姿勢が多かった方 に入る、とちゃんとある。
だけどカーロスは上になってた分数が多かっただけで勝ったと思ったのだろう。 後で解説をしていた高田さんも「どっちか難しいとこだね」 とおっしゃっていた。

勿論 俺はこんな試合をしてしまった事を本当に、やっちまった…と思ったし カーロスをなめてたのも良くなかった。

しかしちゃんと一本を狙う姿勢をジャッジが評価してくれた事に思わずガッツポーズを取ってしまったのだ。

しかしプライドの榊原社長はそのガッツポーズを見て 「なんであんな試合で彼はガッツポーズを取るんだ!?」と…
俺は別に良い試合をしたからガッツポーズを取ったわけじゃない。

そしてここから また 更に 更に 大きな渦に巻き込まれて行く事になるんだよね…

続く

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