天神・リンチ殺人　手配の２人　強盗容疑逮捕　福岡県警　暴行、携帯奪った疑い

　福岡市・天神のマンションで男性（２７）が暴行を受けて殺害された事件で、福岡県警は１８日、殺人容疑などで指名手配していた住所不定、無職楠原崇寛容疑者（２３）と同、自称派遣社員秋山喜一朗容疑者（２２）を、福岡県小郡市で今年３月に起きた別の事件の強盗、監禁容疑で逮捕した。県警は天神の殺人事件に関しても、殺人と死体遺棄容疑で再逮捕する方針。

　県警によると、楠原容疑者は「強盗はしていない」と一部否認、秋山容疑者は「自分は被害者」と否認しているという。

　逮捕容疑は、共謀して３月２３日午前２時ごろ、小郡市のカラオケ店駐車場で、同県の無職男性（２２）に言いがかりをつけて暴行、乗用車に監禁して佐賀県鳥栖市などを連れ回し、携帯電話などを奪った疑い。

　両容疑者は、今月５‐８日、天神のマンション６階にある知人女性宅で、知人男性に殴るけるの暴行を加えて出血性ショック死させ、遺体を１階の敷地に遺棄した疑いが持たれている。福岡県警によると、事件発生直後に自転車で逃走。近くで友人の車に乗って同県前原市まで行き、その後、長崎県内で目撃されていた。１０日午後に高速バスで福岡市内に戻ったとみられるという。

　「（両容疑者が）知人宅に潜伏している」との情報を県警が得て、１８日未明に福岡市中央区の別のマンションを捜査、身柄を確保した。逮捕時の楠原容疑者の所持金は約１万円、秋山容疑者は５００円だったという。

＝2009/05/18付 西日本新聞夕刊＝