「法的観点からは既に解決済み」
イノウエ議員はこの後、4月2日にも西海岸のシアトルでの講演で再び慰安婦決議案への強い反対を表明した。日本側は既に謝罪しているし、こうした案件で日本を非難することは日米関係の現状からもよくない、という趣旨だった。
そのうえでの7月の上院本会議での声明だったのだ。この声明でイノウエ議員は以下の点をも強調していた。
「第二次大戦後、日本の戦争犯罪への賠償の諸問題は各国個別にサンフランシスコ平和条約と、その関連の一連の平和条約によって解決された。厳密な法的観点からすれば、慰安婦問題もこれらの条約によって既に解決されているのだ」
米国の議会にもこうした常識的、良識的な意見の強い表明があったことは日本側でも明記しておく価値があるといえよう。
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