新型インフルエンザの国内での感染が拡大しています。
「中学、高校の皆さんが、今回の新型インフルエンザを広域に広める可能性が大きい。とにかく7日間は家でじっとしていて下さい」(大阪府 橋下 徹 知事)
国内感染者が144人と、思わぬ速さで広がりをみせる新型インフルエンザ。兵庫県で93人、大阪府で52人と感染が確認され、大阪では18日、「流行警戒宣言」が出されました。
高校生を中心に広がっていて、大阪府茨木市の「関西大倉高校」、兵庫県神戸市の「神戸高校」と「兵庫高校」など、少なくとも12の高校で感染が確認されています。
厚労省の要請を受け、大阪府と兵庫県の中学・高校、さらに大阪市と神戸市では、小・中・高校の臨時休校が決まりました。なぜ高校生を中心に拡大しているのでしょうか。
「社会的に動きが非常に大きいし、集団生活もしやすいし、感染の機会が多い」(国立感染症研究所 岡部信彦センター長)
国内で最初に感染が確認された神戸高校の生徒はバレーボール部に所属、バレーボール大会を通じて感染が広がったとみられています。
現在、41の国と地域で感染が確認されていますが、空港の検疫は、アメリカ、メキシコ、カナダの3か国からの入国者しか行われていない状況があります。
感染しても症状が出ない潜伏期間に検疫をすり抜けたのか、または検疫がない国からウイルスが日本に入り込んだのか、感染ルートは分かっていません。
「学校内での調査ですから、学校内での感染源はわかるかもしれないし、そこのご家族とか、そういうところまではわかるかもしれないけれども、相手が不特定多数になってくると、リンクが切れたという判断をせざるを得ない」(国立感染症研究所 岡部信彦センター長)
「とりあえず、うつらないようにいうことで」
「こんなのめんどくさいよ」(大阪市民は)
「どこまで広がるか、ちょっと心配」(神戸市民は)
政府はこれまで、水際対策の成果を強調していました。このことが、国内にはウイルスが入っていないという誤った安心感を与えてしまった可能性もあると指摘する声もあります。
しかし、知らない間に新型インフルエンザウイルスは国内に入っていました。感染が急速に広がっている要因は何なのでしょうか。
インフルエンザの症状を訴えた高校生の検体が神戸市の研究所に届いたのは12日で、新型と確認されたのは3日後の15日。海外渡航歴のない高校生の検査が後回しにされた結果、集団感染が広まったという指摘もあります。
感染者は高校生にとどまらず、神戸市では5歳の子どもや60歳の男性も確認されています。
一方、奈良県教育委員会は、県内の中学校や高校で、18日欠席した生徒について調べたところ、インフルエンザの症状を訴えている生徒が1117人いると発表しました。
神戸や大阪の街中では、マスク姿の人がひときわ目立つようになり、市民生活への影響と不安は広がっています。(18日23:00)