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組織を切断、修正する遺伝子発見 再生医療や創薬に応用期待

5月18日10時27分配信 産経新聞

 ヒトやニワトリなど脊椎(せきつい)動物の背骨が形成される際、もとの細長い組織を切り分ける働きを担っている遺伝子を、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科の高橋淑子教授らのグループが突き止めた。再生医療で臓器や組織を必要なサイズに分断したり、患者に合わせて整形するのに役立ちそうだ。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

 高橋教授らは、ニワトリの受精卵が胚(はい)から分化、成長していく過程で、特定の場所に遺伝子を導入できる方法を開発。背骨のもとになる体節という組織で働く約20種類の遺伝子について調べた。その結果、「エフリン」と呼ばれる遺伝子が組織の切断と、切断面を滑らかに整える「上皮化」の二役を担っていることが判明した。

 エフリンは隣接する細胞同士を分離する作用が知られる遺伝子で、動脈と静脈の区別や脳の区画整理などの役割を持つ。

 高橋教授は「エフリン遺伝子をうまく利用すれば、組織を患者に合わせて整形できる可能性がある。逆に、エフリンの作用を止めることで、ばらばらになった組織をつなげる可能性もみえてくる」と話している。(坂口至徳)

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最終更新:5月18日10時27分

産経新聞

 

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