天竜川にかかわる活動をしている個人や団体、行政が活動報告を通じて交流する「天竜川流域の仲間たちのフォーラム」(NPO法人天竜川ゆめ会議主催)が16日、岡谷市長地権現町の県男女共同参画センターであった。上下伊那と諏訪地方を中心に33団体、約100人が参加し、流域の現状と課題に理解を深めた。
フォーラムは7回目。駒ケ根市と伊那市、岡谷市を持ち回りで年1回開いており、岡谷市での開催は2005年以来2回目になる。各団体の発表者が4分間の持ち時間で活動紹介やイベント告知を行い、司会者の質問で発表内容を補足するといった形で進行した。
天竜川の源流部に位置する諏訪湖からは、下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会の曽根原佳成さんが発表。「諏訪湖のことを知らない人が多い。湖畔清掃が啓発につながると考えてきたが、このような機会を通じてより多くの人に諏訪湖の大切さと魅力を知ってもらえたら」とした。
天竜川が始まる釜口水門から2キロ下流で活動する橋原区ほたる沢実行委員会(岡谷市)の高林栄治さんは、支流の沖ノ沢川で行うホタル保護活動を紹介した。木製水路の整備とともに、ほたる祭りを開いて多くの住民と親ぼくを図っている様子を披露した。
一方、天竜川河口の静岡県浜松市から訪れた天竜川漁業協同組合理事の野沢利治さん。ダムに土砂がたい積することで「河口付近で砂が不足しており、アユのそ上に影響が出ている」と問題提起した。これに対し、天竜川ゆめ会議(駒ケ根市)は、上流の砂を人力で河口に運ぶ取り組みやウミガメ放流ツアーを紹介。市民レベルの相互理解が進んでいる現状を報告した。
フォーラム実行委員長の岡本明さん=下伊那郡高森町=は「フォーラムを通じて、上流と下流の交流が始まっている。流域で活動している人はもっといると思う。そうした人たちが知り合い、協力し合えるような場にしたい」と話した。
閉会後は懇親会を行い、発表時間内では伝え切れなかった活動への思いを分かち合った。