股関節はこうして壊れる(その7) 

来訪者No. (2004/11/14カウントアップ開始)

ショートカット→股関節の構造 運動の影響
        誤診に至った経過 手術の手法
        私が受けた手術 2次障害と心のケア
        豆知識

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アンケートはこちらです。このページと同一内容のPDFドキュメントを現在作成中です。(変形性股関節症用 変形性膝関節症・変形性足関節症用)

変形性股関節症の患者が提案する、変形性股関節症の方へのアドバイスです。
変形性膝関節症や、変形性足関節症の方も御参考になさって下さい。

Part-7.現在の運動能力

I.現状で可能なスポーツ
●水泳 担当ドクターもお勧めのスポーツです。ただしクロールで150mしか泳げません。
●スキューバ 普通に泳げるので、大丈夫だと思います。
●自転車 実際にはほとんど乗りませんが、転倒さえ注意すればOKです。(実際には乗れません)
●剣道 障害のある部位が右側であったならドクターストップだったかもしれませんが、足は必ず右側から踏み出すので、無理な動きさえしなければOKのようです。

II.条件付で可能なスポーツ
●ウォーキング 可能ですが、担当ドクターからは20km以内に抑えるように言われています。
●ストレッチング・ヨガ 運動の内容によっては禁止されています。
●ラジオ体操 第1・第2は可能ですが、「みんなの体操」は座位でないとできません。
●フォークダンス 演目によっては踊ることはできません。(「オクラホマミキサー」はOKですが、「ジェンカ」「マイムマイム」「ドードレプスカポルカ」は踊れません)
●社交ダンス テンポの速いものは禁止されています。
●バレーボール レクリエーションとして行う程度の軽いものに限定されています。
●サーフィン ボディボード以外は全面禁止されています。
●ジャズダンス・エアロビクスダンス・ヒップポップダンス 今日始めたら、1ヶ月後には左足切断を覚悟しなければなりません。しかし、水中でのエアロビステップに限り参加可能なので、フィットネスクラブでも可能なものは参加しています

III.禁止されているもの
スキー・スケート 44年間、一度も許可されていません。競技スキーならともかく、歩くスキーでさえも禁止されています。
バレーボール以外の球技 全面的に禁止。中学生くらいまでは、ほとんどOKしてもらっていたのですが、誤診のためにできなくなりました。テニスにいたっては、レクリエーション程度で行う軽いものでさえも禁止されています。
●陸上競技 ほとんど不可能に近い状態です。
●柔道・相撲・プロレス 全面禁止。

IV.現在の股関節の能力(数値は2007年2月25日現在)
赤字の部分は、可動域が平均値を下回るものです。)
●屈曲(膝を曲げ、股関節を前に曲げる) 右側(正常)135° 左側(脱臼側)120°
●屈曲(膝を伸ばし、股関節を前に曲げる) 右側78°(あと12°) 左側85°(あと5°)
●伸展(膝を伸ばし、股関節を後ろに曲げる) 右側25° 左側25°
●外転(股関節を外側に曲げる) 右側60° 左側24°(あと21°)
●内転(股関節を内側に曲げる) 右側20° 左側20°
●外旋(股関節・膝をそれぞれ直角に曲げ、膝から下を内側にひねる) 右側45° 左側34°(あと11°)
●内旋(股関節・膝をそれぞれ直角に曲げ、膝から下を外側にひねる) 右側45° 左側27°(あと18°)
●左右開脚 大股開き108°(あと12°) 股割り88°(あと32°) サイドキック78°(あと12°)
●前後開脚 大股開き100°(あと20°) ハイキック88°(あと32°)
●片足起立 右側50秒 左側50秒

V.日常生活への影響
●あぐらをかくことが長らく不可能でしたが、昨年5月頃から、水中体操&ストレッチングのおかげで24年ぶりにあぐらがかけるようになりました。ただし、正座は現在も連続25分が限度のため、宴会などで小上がりの席は非常に辛いです。
●運動不足が深刻化しています。水泳以外、あれもこれもドクターストップなので、通年営業の温水プールこそありますが、とりわけ冬場は運動不足が深刻です。特に、最近は慢性腰痛が深刻で、一時は1週間のうち半分以上腰が疼くこともありました。あぐらがかけるようになったからといって、水泳以外のドクターストップが緩和されるわけではありません。
●長時間同じ姿勢をとり続けることが困難です。たとえデスクワークでも、最低30分に1回は姿勢を変えないと、立ち上がったときに股関節が疼くことがあります。このため、座布団は必需品です。
●電車やバスなどでの立ち席が非常に辛いです。平衡感覚が悪いため、ちょっとした振動でも大きくふらつくことがあります。30分以上の連続起立は股関節が疼く原因になるので、たとえ軽作業でも生産ライン監視などの起立作業は困難です。
●会社やサークルなどのレクリエーションイベントが辛いです。学校の体育でさらし者にされた経験から、深刻なトラウマを抱えており、どうしても気乗りしません。しかし実際には、レクリエーション向きの軽いスポーツ(ダンスやスキー・スケートを除く)は大方問題なくできるし、さらし者になることも今ではほとんどありません。
●種々の健康法が実行できないため、矛盾を感じています。ヨガや太極拳など、最近いろいろな健康法が各種書籍などで紹介されていますが、それらのほとんどがドクターストップです。はなはだしい場合は、中川式腰痛体操のように、ぎっくり腰の予防体操だというのに手順の半分以上がドクターストップ、もしくは効果が出るまで体を動かせないものもあり、この書物を読んでいる限りでは、変形性股関節症の患者はぎっくり腰に対して無防備でいなければならないかのように感じられることがあります。
●骨盤歪み矯正体操も、高岡秀雄氏の「ゆる体操」を除けば変形性股関節症には実行不可能であったり、効果が出るレベルまで体を動かすことのできないものが多いです。これだと、やはり骨盤の歪みに由来する健康上の異常に対しても、変形性股関節症の患者は無防備ではないのか、という憤りさえ感じることがあります。ただ、「操体法」という方式だと、変形性股関節症でも、手順の大部分が無理なく実行できるようです。
腰痛を扱った書物の中に、変形性股関節症についてまったくコメントしていないものが多数あり、我々患者は憤りを覚えます。
ADD/ADHDのフォーラムで、有酸素運動が話題に上っていたことがありましたが、フォーラムで上がっていたスポーツは水泳やウォーキングを除き、ほとんど全てドクターストップでした。ただ、ストレッチングも有効であることには変わりはなく、深呼吸と併用すると効果は上がるようです。
自動車については、健常者と同じ車両を運転しています。発達障害のために、自動車学校ではAT限定免許を取得するといった横着をしましたが、実際にはマニュアル車の運転は可能です。最近は洗車をサボり気味ですが、夏冬タイヤ交換は全部自分で行っています。駐車場の身障者区画は利用しません。

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