2008-07-20 07:47:31

アスペルガーと正常の間の人々

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
数ヶ月前に、ある女性患者さんが初診した。僕は最初話していたとき、彼女はアスペルガーではないかと思った。そう思った根拠であるが、

1、 服装
2、 容姿・表情
3、 主訴の内容


であった。アスペルガーは痩せ型の人が多く、ひょろっとしていて服装の色合いもモノトーンが多い。(特に黒>参考

あと、わりあい性別、年齢不詳の印象の人も多いように思うが、中には妙に端正で俳優か女優さんもできるのではないかと思うような人もいる。(←意味不明)

つまり根拠がないと言えば、そうとも言える。

とにかく、アスペルガーでも社会生活を普通に営んでいるような限りなく正常に近い人たちは、何か事件が起こらない限り正常人として紛れているのである。

だから、こういう人たちは何もなければ、もちろんアスペルガーとは言えないと思うし、何か精神面で起こったとしても、その程度ならそう診断すべきではないという感覚。つまり幼少の頃からトータルで考えて一般人の感覚で広汎性発達障害が明瞭に見えない限りはそう診断しないのである。

これは、ある意味、きわめて社会的なものを考慮し診断する立場と言える(参考)。また、そういう人に安易にアスペルガーの烙印を押さないという配慮もある。僕は、よく言えば個性、悪く言えば変わり者の人たちを正常域を広く取って包括し、その土俵で治療を進めたいのである。

しかし患者さんによれば、アスペルガーの雰囲気だけはなぜか感じてしまうのである。しかしそう思ったとしても、告知はしない。それかもしれないとも言わない。なぜなら上のように思っていることもあるが、確固とした証拠がないというのももちろんある。

後に、転院して他の精神科医からそう告知されて、僕が全然わかっていないトンデモな医師と思われてしまったとしても、それはまあいいでしょう。減るものでもないし。

もちろん、アスペルガーで生活上のハンディキャップが大きければ、そう診断することで本人や家族の心理的メリットもある(かもしれない)が、他の病院でおそらくそう診断されないような人たちに、積極的に診断・告知するのは、あまりにもと思う。本人もショックだろうし。

そういう理由で、僕はバカみたいにアスペルガーとは診断しないタイプの精神科医である(参考)。しかしその背景を考慮して治療はする。マニュアル的には対応しないのである。僕の治療はアスペルガーに限らず、常にそういうスタイルになっている。

今回の女性は僕がアスペルガーと診断しない程度の、そういうタイプの人だったということでエントリを読んでほしい。これは一部の人たちには参考になるかもしれない。

彼女の困っていることはいくつかあったが、最も大きい原因は「今は育児もしなくてはいけないこと」と言えた。何か仕事をしているようなアスペルガーの人たちは、育児は平行してやっていくには難しい仕事なのである。

アスペルガーと前頭前野」から
「前頭前野」は、コミュニケーション、思考、創造、行動・情動の抑制、意欲、記憶、自発性など多岐の要素と深いかかわりがある。例えば、数人と会話している時に、中心になっている人に注意を向けたり、話に追随したり、笑うところで笑ったりするなど、人間らしい行動、情動を制御しているといえる。また、嫌なことがあってもそれを表情に出さず、上手い具合にバランスをとって円満な人間関係を保てるのもここが関係している。アスペルガーの人は、同時にいくつかの仕事を頼まれるとパニックになったりするが、これは前頭前野が不調だからである。意味不明に暴力を振るうのもこれに関係が深い。

最近、職場の上司の言葉がきつく感じられるようになり、小さな衝突が生じていた。たぶん上司は最近変わったわけではなく、以前からその調子だったと思うが、このような時期は許容力が低下しているのである。もうあの職場では自分はやっていけないという。

アスペルガーの人たちは洞察が出来ない人が多く、自分自身に変化が生じてそういう風になったとは普通は思わない。これはたぶん健康な人でもそうなるように思うので、これ自体は特別でもなんでもない。

一般の人に「あんた、病識ありますか?」と聞いても「(°Д°)ハァ?」と言った答えが返ってくるに違いない。自分のことは案外わからないのである。案外と言う言葉は不適切だ。「自分のことは普通にわからない」のである。

彼女の場合、病院に来ることを決心したのは、ある程度の自分の異変には気付いており、それまでの自分とは違うと思ったからであろうが、それは不眠、イライラなど、自分が感じる範囲だけである。これは過去ログで「統合失調症の人たちは家庭の医学で自分の症状を調べた時に、うつ病になったと思うことが多い」と言うのに似ている。

いろいろと話を聞いていると、育児にしてもこだわりがあり、例えば、何があっても絶対、母乳で育てたい、精神科の薬は母乳に影響するなら飲まないという。このようなこだわりは強迫的であり、やはりアスペルガーっぽいと言える。

ごく軽いアスペルガーの主婦(これは僕が正式に診断しない範囲の人)は、非常に食材にこだわり無農薬とか有害なものを避けようと一生懸命にやっていることがある。きっと彼女はそういうタイプなのであろう。

僕は、これは思ったように薬物治療はできそうにないと思った。たぶん、そういう制約がなければデプロメールかルーラン1~2mgくらいを開始したような気がする。

最初、「育児ストレスでうつ状態になっているようなので、会社を休みましょうか」くらいにアドバイスし普通診断書を書いた。こちらが積極的に言って休ませないと、こういう人はセルフコントロールができず、行くところまで行って遂にはバッタリ倒れてしまうからである。アスペルガー的な人はどこまで悪くなるのか見当がつかないところがあり、早めの休養が予後を良くすると思う。

僕は他に食事療法を薦めた。結局、彼女は薬を飲まないので、「休むこと」と「平凡なお話」と「食事療法」で治療を始めたのであった。(参考

僕は心理的な深い話はしないことにしているので、これまでの経歴や生活上の些細な事件などを最初は聴取していた。幼少時にはどうみてもアスペルガーを象徴しているようなものはないと思った。軽い人はその程度なんだと思う。考え方はやや融通がきかない面があるが、このくらいなら、一般の人にもいくらもいる。ちょっと面白いと思ったのは、彼女は外国人(白人)と結婚していること。

当初、僕はこれはたまたまそうだと思っていて、あまり気にしていなかった。重要視していなかったのである。しかしずっと話しているうちに、この人は外国人だからこそ結婚した(できた)のではないかと思うようになった。彼女は英語はそこまでできるとは言えないのである。

もしコミュニケーションのハンディキャップがわずかにあるとしたら、むしろ外国人の方が付き合いやすいというのはあると思われる。なぜなら、語学のハンディキャップがコミュニケーションのハンディキャップに化けてしまうため、普通の人と変わらない感じになってしまうから。これはアスペルガーのハンディキャップが相対的に薄れる環境だと思った。

だいたい、外国人は積極的に言葉で愛情表現する傾向があるため、アスペルガーの女性には日本人男性よりはむしろわかりやすいような気がする。結婚生活にしても、とまどいが少ないのかもしれない。コミュニケーションに言外の情緒的なものが多い日本文化とは異なるから。日本人は言葉で直接表現することは恥ずかしいのか、

男は黙ってサッポロビール・・

の世界だからである。(←かなり古い)

僕は「ご主人は子供の育児についてどう言ってますか」と聞いてみた。彼女は、自分の国では問題にならないようなもの(悩み)であると、言われたらしい。まあそれでも、本人は納得しないわけだが。

食事療法(今回は取り上げない)が順調に行き、1ヶ月くらい経つと随分元気になった。僕は細かいことは言わない方針なので、最低限の生活のアドバイスだけはしていた。

しばらく時間が経ってから、僕はなぜバッチフラワーを薦めなかったのだろうかとちょっと反省した。バッチフラワーは子供にも使われるくらいだし、母乳から出たとしても、かえって子供の夜泣きが良くなるかもしれない。

たぶん、彼女には有効だし、本人も気に入ると思ったのである。

(これも不思議なボトルに入っているので、人間関係が出来ていない段階で勧めたら、拒絶されていたかもしれないとは思う。)

そんな風に、僕のくだらない話とバッチフラワー(レスキューレメディ)を併用していたら、ずいぶん表情から険がとれてきたと思った。アスペルガーの人たちの表情には大雑把に言って2種類あり、普通は朗らかでない人が多い。いつもシリアスなのである。

僕はもともと彼女は普通の人に含めているが、今回はちょっとだけ僕の主観から、そういう角度で見てきたことについて考察している。結局、彼女は身体的ストレスから、自分の弱点が現れたのだが、いろいろやっているうちによくわからない理由で、今や、薬もろくに使わないまま完治しようとしているのである。

僕は、彼女がこのように良くなったのは、別にデプロメールを使わなかったからとは思わない。デプロメールを使っていた方が、きっと僕自身の苦悩みたいなものは少なかったと思う。結果は同じ人が治療している以上、たいして変わらなかったと思うよ。

正常人を広く取って、無意味なラベリングをしない。これは患者さんへの精神科医らしい接近だと思う。彼女にチューニングを合わせたのである。

僕は、特に内因性疾患などの診断学は重視しているが、治療はまた別な感覚で行っているのである(参考)。これはそういう風にした方が、結局は本人とって人生のストレスにならないということもある。それはストレスと言うより、トラウマと言っても良いのかもしれない。

コメント

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11 ■ブロードフェノタイプ

外国の方と結婚されていいなと思うのは愛情表現というより、文化的に当たり前な暗黙知を言語化する必要性がたびたびある事かなと思います。

なんにせよ関係ができた後、行動指示が入りやすいのが、彼らのチャームポイントだと思います。

それにしても猫も杓子も前頭前野っていわれてますねぇ・・・。前頭前野不全症候群とでも名付ければよいのに

12 ■興味深い内容でした。

わたしだったら、「自分が何なのか」ということが非常に気になるので、告知の上でいろいろ専門書を読みあさりたいようなところです。

彼女にはそういう疑問をぶつけられませんでした?

13 ■マニュアル的でなく・・

>マニュアル的には対応しないのである。僕の治療はアスペルガーに限らず、常にそういうスタイルになっている

ここが、自分が先生の治療方針(blogに描かれる様々な方々の経過を拝見し)に強く引かれる理由です。
自分も先生の助言により救われた一人です。
今回の躁は抑えきった模様です。有難う御座いました。

14 ■>>ALL

インターネットには、自分はアスペルガーだとか言う人が多いですね。実際にそうであることももちろんありますが、アスペルガーで、こういう風に僕のブログに意見を書きこめる人たちは、それはそれで比較的軽い人たちだと思ったりします。

アスペルガーで重い人たちには、その苦悩ですら、苦悩と意識できない人たちもいるのです。

僕は軽い人たちは、その疾患をあまり重大に考えない方が、生きることのストレスが緩和するような気がするのです。今回のエントリはそういう意味も込められています。

15 ■食事療法

私は、食事療法が気になります。いつかエントリーで、取り上げてほしいです。

ご報告です。ロナセンの変薬は上手くいかず、リスパダールに戻りました。

16 ■1/2

初めまして。
いつもブログを楽しみにしております。

私は当事者ですが、診断されたメリットの方がはるかに大きいです。症状が軽く見えるからと言って、本人及び家族や職場の生活上の苦労が少ないと思われたら、やりきれないです。より重度の人と比べて幸せを測ることには、疑問を感じずにはいられません。

軽く見られてしまうところが精神科医の限界なのだろうと心の中で見切りをつけながら、精神科医に向かっていました。なかなか症状(うつなど)は改善しませんでした。家に閉じこもりきりの生活が続きました。

社会に出たこともありましたが、社会に適合すればするだけ、「やればできる」「貴方は普通だ」と言われるようになり、一方で「やればできるのにどうしてできないの」「努力をしていない」と言われる部分も必ず残ります。障害故に、努力してもできないことはあるのです。相手に対する気配りなどがそうです。

17 ■2/2

周囲に普通だと言われるほど、心はその相手から乖離していきます。「貴方は普通」だと言いながら、人は私を一層責め続けるからです。それが辛くて、仕事は長続きしませんでした。

今は「障害だから仕方ない」と割り切れます。気分的に楽です。

長いこと、「子育てのやり方が悪かった」と責められ続けてきた母も、私が診断されたことですごく安心したそうです。障害の告知は、救い以外の何者でもありませんでした。

診断されたことで、理由の分からない苦しみから解放されました。過去経験してきた理不尽と思われた出来事や苦痛に、説明がつくようになったのです。もし診断されていなかったら、今も私は暗闇の中を彷徨い続けていたでしょう。

診断されたことで、障害について勉強をして、自分のことが少しずつ見えてきました。自分が障害故に不利益を込むっていたことについても、障害だったのだと分かってからは、少しずつ気付くようになりました。不利益を補うために、助けを求める大切さを学びました。そういう当事者もいます。

このコメントをつけたことで、「貴方のような人は、ネット上ではアスペルガーと言っているけれど、本当のところは分からないよね」と言われたら、正直すごく醒めた気持ちになります。

同じアスペルガー症候群でも、救いになる対処はそれぞれ異なると思うのです。

多くのラベリングは、無意味なのかも知れません。
ただ「ラベリングが無意味でないケース」というのも、是非取り上げていただければと思います。

18 ■三咲さんのブログ

楽しみに拝読しているもののひとつです。

わたしもそうですが、「どちらかといえば気が利かないほうに見える方(統合失調症の友人らを含む)」への理解が進みます。

先生の感想や返信コメントが楽しみです。

19 ■できることから

好循環になる道をさぐることが大事ではないかと思いました。人生全体のデザインという視点から考えず、当人の弱点に注目して、その障害を緩和することにばかり、こだわってしまうと、身動きが取れなくなってしまうでしょう。これは身体障害についても同じなのではないでしょうか。たとえば小児麻痺で歩行が困難だからと歩行訓練だけで人生を終わるならば、当人は嬉しくないものです。訓練一辺倒ではなく普通に読み書きができるように充分な学習時間が欲しかったという人に私はよく出会いました。さて、アスペルガー症候群のようにバランスを取るのが下手なタイプにとって、人生全体のデザインを最適化するのは、それほど簡単ではありません。そういう人に、障害名でラベリングすると、ますます「できないこと」に注目しやすくなり、「できること」が見えなくなってしまうケースが多いというのは、そのとおりではないでしょうか。告知するならばラベリングによるネガティブな作用に負けてしまわないだけのバックアップ体制が必要だと思いました。それがないなら「知らぬが仏」ということもあります。

20 ■>>進藤(ぴろ)

僕は統合失調症の人にはほとんど告知しないので、よくわからないですね。

自分の考えていることが妄想かどうかは自分ではわからないので、第三者に意見を聞くべきです。

21 ■ラベル? レッテル?

私は30才を過ぎてからアスペルガー症候群と診断を受けた当事者であり、同時に、定型発達をしている子どもにも発達障害を含めた色々な発達上の課題を抱えた子どもにも接する仕事をしている大人です。


仕事とは言っても、専門性を期待されているというよりは、とにかく放っておくわけにはいかないから、サポートするという立場です。


私は、診断を受けたことにより、学生時代に蓄積した知識をもとに情報を探したり、ふさわしい相談機関を見つけたりすることができました。

どん底まで低下していた自己効力感も、「得意なこと」「苦手なこと」を客観的に評価してもらったことにより、少し高まりました。簡単に言えば、私なりのペースで歩き始めたのです。


日々接している子どもの中には、未診断だけれど気になる子どもが何人もいます。


診断を受けることを強制するつもりはありません。診断の有無は関係なく、その子どもにとって必要な支援を模索しています。しかし、診断がつくことで、支援がしやすくなることもあります。

22 ■>>めろんぱん

アスペルガーでも軽い人たちはSSRIの有効率が高いように思っています。アスペルガーの人すべてに、SSRIが合うわけではないです。

バッチフラワーは気に入る人が多いようですね。

23 ■>>トモきち

かつて、サッポロビールのコマーシャルでこのようなフレーズが出てきたのです。

ビール自体はかつての良い時期の方が人気があったですね。

24 ■>>Prudence

アスペルガーに国際結婚が多いなんて、どこか本に書いてありました?

貴方はいろいろと詳しいですね。よく勉強しているというか・・スポーツで大成するというエントリでも同じことを思いました(笑

25 ■>>mayu

貴方は、相談されやすい人なのでしょうね。アスペルガーの人で、整形外科的な軽い異常がある人がいますが、あれは何故なんでしょうね?

偶然でしょうか?

26 ■>>居眠り猫

みんな同じような悩みがあるものですね。

応援ありがとうございます。

27 ■>>ぴろ

>>精神科医に「僕は霊と会話ができるんですよ」と言ってしまったんですね。そうしたら入院になってしまいました。

ちょっと笑ってしまった。他のいろいろなものがないとそれだけでは入院になりません。

28 ■>>みらい

そういう人は、発達障害が専門とぶち上げているようなクリニックにいくと、本当にその診断を下されてしまうところがあります。

普通の目線で診断、治療してもらう方が良いと思います。

29 ■>>gestaltgeseltz

>>外国の方と結婚されていいなと思うのは愛情表現というより、文化的に当たり前な暗黙知を言語化する必要性がたびたびある事かなと思います。

これは確かにあるでしょうね。あと、外国人の場合、嫁・姑のドロドロの世界が避けられるというメリットも見逃せない。

30 ■>>るーらん

それが全然なかったのです。

僕は育児ストレスからとか、そういう文脈で話していますし、すべてが曖昧な世界です。

31 ■>>tokumei

あなたも、しばらく落ち着いた時期が持てれば、その後、発展するような気がするのですが・・

32 ■>>サトちゃん

ロナセンは長い期間で見ると、簡単にはいかないですね。良い人は良いですが。やはり薬だから副作用がいろいろありますし。

33 ■>>三咲、ぴたそら

アスペルガーは正常からかなり重い人まで連続しているので、その望ましい対応は千差万別です。現在は広汎性発達障害がブームのようになっており、ブランド化しているのを僕は憂慮しているのです。過去ログもその目線で書いたものがあるし、今回のエントリもそういう気持ちが含められています。

僕は、「アスペルガー症候群」と告知した時、ショックを受ける家族も、また大喜びする家族も何か間違っていると思うのです。だから、僕はなるだけ告知しない方針で臨むことにしました。

例えば、未成年のアスペルガーで施設で生活している人や授産施設などに通っている人たちには少なくとも家族には告知し、接し方などを勉強された方が良いと思っています。

また、Prudenceさんや三咲さんのように、診断がわかることで内省が深められる人たちは安定する面ももちろんあると思います。しかし、もう少し軽く、今まで10年以上、ほとんど問題なく生活してきた人に、そう告知するのはいかがなものか?と思っているのです。

つまり人によって望ましい対応は違ってくるのではないかと・・
わりあいわかりそうに見える人でも、思考が一方通行になり、暴走して思い込みの激しさから他罰的となって孤立するケースもみられます。とりあえず告知せず、そのまま良くなればそれで良いし、告知した方が本人にとって良いように見えるなら、そういう話もする。

何もわからないうちにいきなり告知するのは、配慮がなさ過ぎると言う考え方です。結局、状況によりますね。

34 ■>>あや

あやさんへのレスも、上の三咲さんたちのレスに含めました。ありがとうございます。

35 ■コメント有難う御座います

落ち着いた時期が必要なんですね。
「1.01の人」の方にこちらを拝見せず、書いてしまいました。
自分の今の処方の限界を見たくて、色々と普段以上に、わざと自分に負荷をかけて動き回っていました。
少し行動を控える方が良かったんですね。心に留めておきます(今現在ある面は,ゆっくりとはしているんですが)
有難う御座いました。

36 ■整形外科的な異常…?

こういう子がアスペルガーなのかな?と、今回の記事を読む以前から、その女の子について想ってましたが、整形外科的にどうか?
その子、顔は目が、横に両手でびょ~んと引っ張った感じで、不細工です
表情がなくなると顔の筋肉ごと小刻みに震えて「みんなが私を迷惑に思ってる」←実際超メイワクなんですけど!

とか言い出して、駅だろうがショッピングモールだろうがレストランだろうが構わず、泣き出したり、独りで帰る・・とか、言い出して、超面倒な気のひき方をします。
それが一度二度あったので、(彼女の場合、快活な時と、そうでない時の切り替わりが突然やってきます。まったく凡人には意味不明。メイワクな隣人。)個人的な応対はやめました。

その代わり、ココロの電話相談サービスの連絡先をいくつか記し、ヤバイ!と思ったら連絡しなさい、と伝えました。

突然こちらの状況にかまわずTELしてきて、応対できなくて切ると、ナニしでかすか・・こちらも心配になるような子だったから。

比較的おだやかな、他の入院時代メイトとは仲良くしてますが、
一人(子供はナシ)妻帯者のオジサンと、音楽の話で意気投合して、時々外で2人で手つなぐくらいのデートはしてました。
が、平日の真っ昼間に今度、仕事休んでに来るとか言い出した時には引きました。あえなく棄恋です。
四十代オトコは、不倫だ愛人めかけの一人や二人いても、私は許容する女だけれど、その振る舞いに美的なものがないヤツは、言語道断。

あと、金の使い方がスマートでないヤツも…ダメですね。

あっという間に現実に褪めた、短い恋でした。

なんで、あんなメタボなオヤジを私が相手してたのか…まず自分に腹が立ちます。

今、私は死にたい衝動がたびたび現れ、参ってます。

37 ■無題

理性は働く方なのですが、あちらの世界に吸い込まれそうになる…って、なんでしょう?

いつ死んでもいいと思って生きてますが、自殺はしない、とココロでは思ってます。

コントロールきかない衝動は、ナニでおさえられますか?

幸せなことが続いてたのです。旅先で、25年ぶりの有り得ない偶々な再会があったり、、

なのに、どうしたことか?

スマートでないもの、美的でないもの、そんなの自分で考えろよって話をしてくる大人…それらが私を酷く苛立たせます。

私は2百マンの貯金はたいて、日本を出ようと思ってます。

38 ■>>mayu

200万がもったいないので、もう少し落ち着いてから出かけてはいかがでしょうか?

どこに行くかにもよりますが、万一、酷い病状になった時、日本より悲惨な医療しか受けられない可能性もありますし。

39 ■無題

なるほどね♪

ま、少し、考えてみます。

先生、おおきに。

最近EFT始めました。さすがの先生もEFTしらないでしょ?(きょうはナレナレしくて、すみません。)

きょうは、残ってた炭酸リチウム100×朝晩、
デパスも仕方なく飲んだよ。

夜は飛びたくなるので、早めに薬で死にます。

もーう、どうなっちゃてるの?
ここ一ヶ月薬も飲んでなかったし(大した量でもなく離脱症状?もなかった)
自分で自分、理解不能。制御不能。

人の相談なんって・・まっぴらだ。
あと、どーしても、うじうじしてる大人の男が嫌だ。

自分の選択が、バカだからじゃん!って、ほんっと蔑んだ目で見てしまう。
相手も戸惑うだろうな・・ってことも、わかってるんですが、もう、こいつダメ・。・と想った瞬間、関係切っちゃうのって、こういうの、非定型的っていうんですかね?

昨日、裁ちばさみで髪の毛きって、きょう、さらに美容院でボブにして、とても気にって増す。

なんっか、いいハジケカタあったら、教えてください!

主治医の身内に不幸があって、かかってた病院の紹介状が出せないために、私は行きたくても病院に行けない状態でいます。

このやろーって感じ。ほんっと、誰か私を黙らせて・・・・

40 ■神経症

対人恐怖症で10年悩んでます。
昔に比べるとだいぶん良くなってますが薬はデパスとルボックスです。
対人恐怖症の場合パキシル等他のSSRiの方が良く効きますかねえ?又自律訓練法て効果あるのですか?
是非先生教えて下さい宜しくお願い致します。m(_ _)m

41 ■>>mayu

貴方のように無治療に近い状態でもいつかは落ち着くものです。

平安時代はたぶんそうだったでしょうから。

42 ■>>たろう

僕は確率的には対人恐怖系の人にはルボックスがパキシルよりずっと良いと思います。ルボックスはそういう薬だから。

ただ、人によってはむしろパキシルの方が良いケースもありえます。気になるなら一度試してみると良いと思います。僕の患者さんで、パキシル>>デプロメール>>パキシルといった感じで元に戻った人がいます。

彼によれば、パキシルの方が自然に良くなるというのです。感覚的には逆のように思うのですが、パキシルにはコーティング効果みたいなものがあるので、より安心できるのではないかと思いました。

自律訓練法は詳しくありません。

43 ■出典を一応

とりあえず手持ちで思いついて探せる分を記述させていただきます。

●トニー・アトウッド「ガイドブック アスペルガー症候群 親と専門家のために」
>>P258 この症候群の多くの男性はパートナーを見つけるのに苦労し、外国へ行って、文化の違いや収入の格差などを理由に個人差を気にしないような人を探す場合もあります。
>>
この記述自体、クリストファー・ギルバーグの記述をもとにしたもののようですが、詳細はよく分かりません。
トニー・アトウッドは認知行動療法、社会技能プログラムを軸とした、ASD専門の世界的に有名な臨床心理家。

●アトウッド、あるいはギルバーグが意識していると思われる当事者の著作。
スティーブ・ショア「壁のむこうへ」学習研究社。中国人女性と結婚したアメリカ人の当事者男性の自伝。

●佐賀自閉症協会の関連組織が主催の当事者講演大会の2007年に国際結婚したアスペルガーのご夫婦が登壇されたもよう。ご主人が当事者で米国人、奥さんが日本人。その講演録が「当事者が語る異文化としてのアスペルガー―自閉症スペクトラム青年期・成人期のサクセスガイド2 」

●「一緒にいても ひとり」東京書籍 オーストラリア人の男性当事者のスイス人の健常者女性の結婚ドキュメント。
この本の記述からは、「国際結婚だから当然普通ではない大変なことがたくさんあるだろう。努力して乗り越えたい」旨、健常者の奥さん側が相当に意識して頑張ったことが読み取れます。

ちょっと「多い」というのは言い過ぎかもしれませんね(^^;、まあしかし、お互いがお互いの差異を意識し、予想される困難についてあらかじめ相応に覚悟し、普通より余計に相手を理解に時間を割き、許容しようとつとめる…ことが予想される国際結婚が、アスペルガーに案外フィットするケースがあるんだろうと思いました。同国人だと気になることが「どうせ外国人だし」で気にならないことがあったりして。
……「国際結婚の難しさ」って実は「国際結婚を望みがちなアスペルガーと結婚した場合に待ち受ける難しさ」じゃないのか、と思ったりして(笑)。

44 ■神経症

先生コメント有難う御座いました。
m(_ _)m
これからも色々な心の病の方を助けて上げて下さいね。
ブログ楽しみにしてます。(*^-')ノ

45 ■kyupin、だ~いすき\(^ー^)/

ちょっと、ポニョぶってみた、まゆでした。
なんのこっちゃ、、、

まいにち豆乳たくさん飲んでたら、カラダがポニョっとしてきたんですが、イソフラボン効果でしょうか?

先生、最近、ふんいき変わりましたね。

何かあったんですか?
ケガはもうすっかり、よくなられたんでしょうか?

ネットの向こうから沢山の(辛いの苦しいのって)人がいて、沢山の相談を受けてても、先生、その一人一人、識別がつきますか?

よく思うんですが、カウンセリングで、自分がしゃべっていることが、全て作り話で…そうだとしても、カウンセラーは、『ただ聴く』というアプローチするわけで、
もしも、すごいアタマのいいクライアントだったら、医者もカウンセラーも、だまし続けられてしまうことだって出来るんではないか…と。

飲まなくていい薬を、欲しいが為に、演じて、失神したりーとか、劇団員みたいな人だったらデキルかな・・・

なぜ、今、急にそんなこと、考えだしたのか…わかりゃんけどニャ。。。

わたしも、人の話、半分に聞けば、まともに振り回されたりしなくて済むのかニャ?って、思ったのですよ。その~二十歳のクソガキ娘のこと考えながら。

てんてんてん…閑話休題。

夜、がっつり眠れれば、クビがガクガク安定しない感じとかは多少おさまること判明。
手わ震え、お化粧や、マニキュアがうまくできないです。
不健康バロメーター。

寝ずに動きまくってた反動が疲れとして、ちゃんと出てきている‥メデタシメデタシ。

46 ■端正な人

以前読んだ、アスペルガーの子を持つ母親の書いた本に(タイトル忘れました。すみません)「生まれたときから端正な顔立ちをしていた」というような記述がありました。
別のアスペルガーの方について書かれた本でも同じような記述があったので妙に心に残っていたのですが、今回先生のブログを拝見して改めて納得しました。
にゃんこのブログといい、素晴らしい観察力に感動し思わずコメントしてしまいました・・・。

47 ■>>Prudence

一般の人が国際結婚をした場合と、アスペルガーの人が国際結婚をした場合では、その苦労内容が少し違うのかもしれませんね。

48 ■>>いつか瀬戸内海に帰りたい・りんご

その話もあまり知りませんでした。

僕は、まだまだいろいろな特徴について書きたいところもあるのですが、膨大な症例を経験したわけではないので、書き込みにくいのはあります。

49 ■食事療法について

いつも興味深く拝読させていただいております。

わたしも食などに関して拘りが強く、薬も飲みたくないのでコーヒーだけで(いけないと思いつつ)頑張っていますが、時々ひどい鬱になり家事も捗らず辛いです。

一年前にセンターからの紹介で診てもらった医師には、鬱が出ているからとデプロメールを処方されましたが、大人の発達障害は専門ではない個人医院だからか、脳などの検査もなく10分程度の面談だけでしたので、診断にも疑問が残ったことと、副作用などが怖くて飲めませんでした。

その後大きな専門科のある病院を調べたものの、予約がずーっと先まで取れないと聞き、もうその辺りでへこたれて、前に進めないままでおります。家族の闘病生活での様々な経験から、病院へ行くということ自体にも疲弊する自分が分かっており、余計に足が遠ざかるのだと思います。

色々と自分なりに調べやってみたら、アスペ特徴の項目ほぼ満点、AQテストや鬱テストもやはり高得点出てビンゴ・・・、家族や親友などの意見も入れると、恐らく受動型のアスペに間違いないだろうという感じでした。

今回の患者さんの話は自分とよく似ているのでびっくりしています。彼女は、バッチフラワーや食事療法だけでずいぶん軽くなったとのこと、わたしもどうしても薬には精神的に拒絶反応してしまうので、ぜひやってみたいと思います。

今はレスキューは時々使っていますが、効いているのかどうか…今一つ自分では自覚ありません。

差しさわりがなければ、具体的にこういうものに気をつけるとか、何類は排除するとか…何か一般的な範囲でも参考になることがあればお教えいただけませんでしょうか。(こういう質問をして良いものなのかも分かりませんので、先生のご判断にお任せ致します)

追記:国際結婚のお話は合点がいきました、わたしの夫は日本人で、もろ男は黙って…ですので、ストレス増幅ですぅ~(/_<。)

50 ■>>かおりん

食事療法は、遠大な構想があり、その時にまとめて話す予定です。

51 ■食事療法

食事療法についてとても楽しみです。よろしくお願いします!

52 ■ありがとうございます

ではその時を心待ちにして^^楽しみにしています。

よろしくお願いいたします。ありがとうございました<(_ _)>

53 ■無題

私は48歳にもなって、自分がアスペルガーかもしれないとようやく気が付きました。家にパソコンがなければ死ぬまでわからなかったかも。でも、わかったからって、自覚だけで対処策がないみたいだし。多分たくさんの人を傷つけながら、でも自分もとっても悲しい思い出だけで、今まで生きてしまいました。普通に学校行って就職して結婚して子供産んで、はたから見ると問題何もないけれど、自分じゃうすうす気づいていたんだな。
救われたいけど、今更もういいような・・・。きっと死ぬまで誰にもやさしくされないんだろうなあ。一人ぼっちの方が気が楽だよね。

54 ■>>みよ

48歳になってやっと気付くようなアスペルガーはもはやアスペルガーとまでは言わないような気がします。

このエントリはそのような意味もあります。

55 ■勉強になります

遅いコメントですみません。以前、同業者としてコメントしたことのあるものです。
仕事が忙しく、先生のブログをなかなかチェックできないでいました。

今回の記事は非常に参考になります。
未だにアスペの診断をしたことがないです。
実際の臨床で困ることはないけれど、患者さんの方からすれば、Sかアスペかというのは大きな違いなのかも。。。

このお休み中にゆっくり勉強させていただきます。kyupin先生もお体大切になさってくださいね。

56 ■専門とされてないなら仕方ない

kyu先生は臨床心理士は医者より地位が低いから医者に従って医者が指示すれば医者はいろいろ忙しいからカウンセリングを変わりにしてくれろってな考えの方でしょうか?超ベテラン臨床心理士でその道40年以上の人に軽度のアスペルガー症候群の人を任せる事って出来ないでしょうか?Kyu先生が確定診断したくない程の人ならば、その臨床心理士でも充分だと思います。この臨床心理士はアスペルガー症候群研究で有名な方でいろんな方面にコメントもされてますし、それに関する本も出されています。kyu先生が関西でお仕事されてましたら、もう既にご存じだと思いますが臨床心理士でその方面では超有名な方です。

57 ■>>ぼる

心遣いしていただきありがとうござます。このエントリの前半はわりあい主観的なものです。

58 ■>>marciana

最初の2つの文章はなんとなく意図が矛盾していると思います。

あと、このような感じで精神科にかかった人を院外の心理療法士に転院させるのは現実的ではありません。

1、アスペルガーは器質性疾患であること。

2、うちの病院には近所の人が来ている事が多いこと。

3、病状の程度が軽いこと。

59 ■はじめまして

はじめまして。
小5の息子が「予定外の出来事に弱く」「学校外で遊ぶ友達がいない」「イライラを外に向けることが多い」などを気にして色々調べていたところ、アスペルガーの症状が自分の幼少期にあてはまることに気づきました。
診断は頂いておりませんが、自己診断でかなり濃厚だと思っています。
思い起こせば20代の初め頃、高機能自閉症の人と知り合ったときに「あなたも?」と聞かれたことがありました。
その方曰く、「会話のやりとりが普通の人と違う」ということでした。
子供の頃にくらべてかなり回数は減りましたが、今でもごくたまに「キレ」てしまうことがあります。
職場は何度か変わりましたが、「仕事をする」ということはできます。
もし正式に診断を受けることになったら…
私のトラウマの元凶と思われる両親には「だからああいう子供だったんだよ」と言ってやれる、と思う反面、通常の生活が送れている以上、やはり診断はむしろ足かせになってしまうのかな?なんて思っていたのですが、こちらの日記を拝見して、今のまま「ちょっと変わってる自分」でいようと思いました。

60 ■>>あめ

そういう理解が良いと思います。

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