2007-12-27 19:50:15

昨日の記事について

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
昨日のアスペルガー症候群の記事は、患者さん周囲の人の目線で書いているので、当事者や家族には辛い内容だったかもしれない。普通、アスペルガーが語られる場合、中立な立場で彼らにはこのような症状があると書かれていることが多い。だったら、周囲の人はどうしたら良いとか具体的に書かれていることは少ない。簡単に、彼らはこういうことに傷つくから気をつけて対応しましょう、といった感じだ。

ところが昨日の記事では、直接彼らに対峙する人々の立場から、アスペルガーの人たちは我々にこういう感情を引き起こすので、うっかり失言をしてしまいやすいと書いている。リアルというか臨場感があるので、ちょっとむっと来る人もいたと思う。

不愉快な感情を抱く大きなポイントは、失言する人たちにもそれなりに背景があるので、一概に失言の人のみ悪いとは言えないといった論調なんだろうと思う。「失言を誘う」という言い方が、「失言したのはアスペルガーの人たちの責任もある」という言い方にも見えるから。

まあ、そういう気持ちは全然なかったのだが、ああいう書き方ではそのような気持ちを抱く人もいても仕方がないと後で思った。書き方を工夫したら少しは違ったと思うが、ああいう切り口だと、どうしてもそういう感じになってしまうような気もする。

時々マスコミなどで、「いじめ」を受ける側にもそれなりに落ち度がある、などと取り上げられているのを見ることがあるが、それとあまり変わらないのかもしれないと思った。いじめで被害を受けているのに、まるで加害者的な要素があるような書き方だからだ。

しかしたまにはこういう風な記事もないと、一般の人にアスペルガーの「コミュニケーションの問題」、「被害妄想的な感情」、「恨みを抱くこと」などの一連の繋がりが、リアリティを持って理解できないような気もしている。この記事で不愉快な気持ちになった人もいるだろうが、このような逆転移があるので、今後彼らに接するときに気をつけようと思った人もいるだろうから。特に、僕はこういう感情はアスペルガーだけに限らず、精神科疾患の人たちに接する人たちはいつも留意しなくてはならないと書いている。

今回のエントリは正直、失敗したと思っている。なぜなら、このブログは3000人くらいの人たちが見ているので、2人も不愉快のコメントをする人がいるということは、相当数の人たちが同じような感情を抱いたはずだから。そういうのはこちらも良い気分はしない。実はこのエントリとペアになっているエントリがもう1つあるのだが、はっきりいって今アップする度胸なし。というか、アスペルガーのエントリは難しいね。今後、アスペルガーの記事はなるだけ避けたほうが良いのかもしれないと思った。

コメント

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1 ■不快に感じたのはこの箇所

>これは想像するとちょっとウケル(柳原可奈子風に)。

2 ■O型っぽくない・・・

アスペルガーの人と真正面から向き合うと、物凄くこちらも寛容にならなければならない事も事実で、嫌なことも平気で言われるし、1つのことに拘りだすとノンストップなので、正直、研究室にずっといればいいのに・・・と何度も思ったことがあります。
先生は経験をお持ちだからこそ書けたBlogであって、実は私も職場の研修で1日行った病院で大失言をしたことがあり、教訓として拝読しました。
当事者は冗談じゃないと思われるかもしれませんが、情報も乏しいテーマで認知されないより良いのではないかと考えます。

3 ■>>鷺沢

この部分もちょっと思いましたが、そのくらいの遊びはあっても・・と思っています。今、ブレイクしていますし。

4 ■>>ぽっぷ

ちょっと思ったのですが、僕の読者は優しい人が多いよ。だって、こういうときに弁護してくれるような書き込みがけっこうあるから。テリ造氏なんかもそうだし。

5 ■私はkyupin先生を支持します

文中の【アスペルガーの「コミュニケーションの問題」、「被害妄想的な感情」、「恨みを抱くこと」などの一連の繋がりが、リアリティを持って理解】という所に共感しました。実際私もリアリティを感じましたし、特別な配慮を持って接しなければいけないということを認識させられたからです。これは重要なことだと思います。

当事者やその周りの人には不愉快だったかもしれませんね・・・。しかし、知ってもらうことで配慮が得られお互いに無用の衝突や軋轢を避けることができるようになると思います。

6 ■無題

表現の仕方って難しいですね。
でも、kyupin先生の記事はかなり参考になるので応援しています。

7 ■無題

>僕の読者は優しい人が多いよ。

それはkyupin先生が優しいからだと思います (・∀・)b

8 ■ぜひお願いいたします。

子供は高機能PDDの疑い(アスペルガー症候群?)があると言われています。検査を拒否するので確かではありませんが・・。本やネットで調べても今一つよくわからず、また我が子なのに「どうして?」と理解しにくいことも多く、今までの先生のコメントや昨日のエントリを拝読し「あ~そうなんだ」と不思議なほど妙に納得できました。とりわけ薬の副作用がきつく、医療不信に落ち込みそうになったときにはとても助けられました。ぜひいつか≪気が向く≫ときに取り上げて教えてください。
どうかよろしくお願いいたします。

9 ■>>ろた

応援ありがとうございます。アスペルガーの記事だけは、下書きを書き終わったあと、相当に書きこむか迷います。

自分で考えるだけだと気がつかないこともありますし。

10 ■>>プチ、かぼちゃ

まあ総合的には役立っているということで・・

11 ■>>yknn

精神医療は不信感を持たれやすいのがちょっと難しいところです。処方や診察もいろいろ批判にさらされていますし。

12 ■私も少し不快感を煽ってしまったようで気になりました。

オオウケです。w なんて書いちゃいましたから。苦笑
でも昨日のエントリーはいいエントリーだと思います。少なくとも私は初めてアスペルガーの人の周りの人が当人に対して暴言を吐いてしまうのか、ということが現実的にわかりましたから。
そういうものを理解してないと私も血の気が少なくはないほうなので彼らに対して暴言を吐いてしまいそうです。
とりあえずデイケアとかでしつこかったりする人がいても怒らないでいようと思います。

13 ■理解と寛容

 精神障害を持っている人たちに接するときには、やはり寛容性を持って望まないと難しいと考えることがあります。そういう一方、私は人間ができていないので、ついイライラしてしまったりしてうまく対応できずに自己嫌悪になることもあります。
 たぶん世の中のほとんどの人は、こういった話を知らない、もしくは理解できないのではと思います。そこに精神疾患を持つ患者や家族が悩む理由があると思います。しかし患者の理解ができない反応、行動は本人が望んでいるのではないのであり、周りの人間は疾患がそうさせていると割り切って冷静な対応ができないといけないんだろうと思います。そういう理解は進んでいませんし、私もなかなか感情に左右されてうまく対応できないです。
 逆説的な書き方だとしても、こういった話を発信することには私は意味があると思います。

14 ■返り血を浴びた格好かもしれませんが・・・

私自身のことを書けば、身内に統合失調症患者がいるため、精神科にかかっている方に偏見は持っていないつもりです。でも、仕事で会う相手がアスペルガーとかADHDとかの場合、どう接したらよいのか分かりません。そんなときに、kyupin先生のエントリは、天の助けに近いものがあります。今回の記事を読んだ人が、接し方を変えるとしたら、アスペルガーの方にとっても総合的にプラスだと思うのですが。。。
というわけで、kyupin先生はこれに懲りずに、続きをupしていただきたいのであります。

15 ■無題

私もアスペルガーの記事楽しみにしています(^_^)

昨日の記事、リアリティがあって、面白かったです。

16 ■あらららら…

当該エントリを読んで、「私も全くもってこの通りだなぁ…まるで私のことが書いてあるみたいだなぁ」と気恥ずかしい気持ちになってました。
が、あららららら…。

まぁ、なぜか同じことを何度も聞いたり、何度も念を押さずにはいられない、なぜか人の話すことがわからない、
という現象は身体的な問題に由来していると感じています。何度かこのブログのコメントで書かせていただきましたが、私はこれらの問題がSSRIでかなり改善したからです。まるで、きしんだ動きしかできなかった錆び付いた古い機械(私の脳)が潤滑油をさすことでスムーズに動きはじめたかのように。そして、いったん動きはじめたその感触を自分の身体が体験した後は、連鎖的に次々と新しいことを身体が覚えていったような気がします。ヘレン・ケラーの「Water」の体験みたいな感じで。

これぐらいの(当事者を怒らせそうな)内容はアスペルガー系(?)のサイトでは結構記述してあるので「今更何で!?」ちょっと驚きました。
しかし、トラブルを避けたいために、例えば書籍などは何だか歯に物が挟まったような表現ばっかりだなとも感じています。かつ、当事者の私ですら「ちょっとあんまりにも当事者庇いすぎ」と思うこともあります。

まぁ私が言えるのは、前述のエントリに書かれているような「失言を誘う態度」を、生まれてこのかた、あらゆる場面でやっていたなぁと自覚し、自分の行動を言い表しているこういった記述に大ショックを受けて寝込んだりといった経験もあったなあと思い返し、その上で今や腹も立たず、かなりバツが悪い思いをしつつも明るい気持ちで読めた……という自分の体験談だけで。
アスペルガー系の話は専門サイト(?)にお任せでもいいでしょうし、ぜひぜひ先生のお好きなようになさって下さい。

17 ■無題

自分は薬剤師です。(きっとこのブログを見ている薬剤師さんも多い事でしょう。) 大学では薬学の勉強はしても、こまかい病気のことまではやりません。臨床に出て仕事をしてみて、初めて病気や症状などの知識の無さに情けなくなってしまいます。 先生のエントリから学べることが本当に多いのです。今回不愉快に思われてしまった方もいるとは思いますが、最終的には回りの人が知識を持つ事で、少しずつとりまく環境は良くなっていくのではないでしょうか。  
kyupin先生、次を楽しみにしています。

18 ■言い方

息子が当事者ですが,彼の何かが私の怒りを誘うことがあります.普段は彼も相手に「気を使う」ということを(たぶん意図的に)しているのですが,ときどき忘れるようです.逆に言うと,「気を使う」ことを忘れるほど気がかり,ということなんですよね.そういう場合は「言い方」と「訴えの内容」を別にして対応するようにしています.つまり,言い方は注意するけど,内容についてはちゃんと聞いてあげるようにしています.息子も私も修行中です.

19 ■>>才蔵

こういう記事を書くと、すべてのアスペルガーの人がこうなのではないかと思われるのも気になります。

アスペルガーの中には、こういう感じで孤立しがちになる人もいるといった例です。

20 ■>>hakuraku9712

いつもきれいなやり方ではいつまで経っても理解が浸透しないというのはあります。しかし、変な偏見になるのも気になるといったところです。

普通の人が書くならまだしも精神科医が書いているのですから。

21 ■>>ヒミツ

良いところを見てあげるというところもポイントでしょう。それで成功している人たちもいますし。

22 ■>>エミ

まあしばらくはこの関係の記事は控えておきます。

23 ■>>Prudence

アスペルガーの人たちは、とっさにまずい対応をしたとき、その場をごまかすというか、和ませて曖昧にするということができないですよね。

24 ■>>ルナ

確かに、このブログは薬剤師の人たちもけっこう見ているのではないかと思います。僕の場合、憶測というか、主観的なことも多く書いているのでご注意ください。

25 ■>>匿名

僕の場合、アスペルガーの人に、遠まわしに言い方を指導することもあります。

最初は不発でしたが、治療関係が良くなってくると、多少は違います。このようなことは全く無意味ではないと思っています。

26 ■過去の記事ですが・・・

今日、初めて訪問しました。
アスペルガーを疑われている6歳の息子がいますが、この前日の記事は今後の参考になりました。
当事者を傷つけてしまうが、他の者にはとても勉強になる・・・難しい課題ですが、このような記事は本当にありがたいです。
まだ6歳なのでどうにでもなる年齢なんですよね。この人生で大切な時期を無駄なく過ごさせてやりたい。。。将来も、幸せに暮らして欲しい。。。親としてはどんな情報でも手に入れたいと必死なんです。

本当に参考になる記事をありがとうございました。
過去記事にも遡って拝見させて頂きたいと思います。

27 ■>>マキ

応援ありがとうございます。

今後も時々アスペルガーについてアップする予定です。

28 ■無題

「粘るアスペルガー患者。そんなとき調剤薬局職員はどうする?」
みたいな感じで、患者さんも薬剤師さんもそれほど嫌な気分にならずに双方おさまるような「言い方」って、どんなんでしょうね?

「私は三つ目までの質問には喜んで答えられるんだけど、四つ目以降の質問をされると、すごく嫌な気分がするから、質問は三つまでにしてね」とかですかね?

29 ■>>gestaltgeseltz

これはけっこう難しい。友人の1人ですが、1日30分までにしていました。

僕の場合、そういうのを決めていないので、いい加減終わらない場合は、こちらの方から終えます。なんだか、本人も納得しているような。よく考えると、アスペルガーって延々長くなりますね。

30 ■はじめまして

興味深く読ませていただきました。

わたしは、「アスペルガーは失言を誘う」というのは、ちょっと間違っているような気がします。
失言を誘うのではなくて、「相手の本質を引き出してしまう」のではないでしょうか。
毒舌というのは、ある意味、大人なら思っていても口に出さない本当のことを言っている状態とも言えると思うんですよね。要するに、アスペルガー患者の人が言っていることは、世の中の多くの人がその人に対して抱いている感情とも言えるのではないでしょうか?その「正常な人」がアスペルガーに対して不快感を抱いたなら、それと同じように、あなたも周囲を不快感にするような言動、考え方、表情を無意識にしているということ。それにアスペルガーの人は反応しているだけなのではないでしょうか。アスペルガーの人は空気が読めないのではなく、空気に反応しすぎて皆が心の底で思っていることを代弁してしまうようなところがあるように思います。「あの王様は裸だ」って言ってしまった子供みたいに。
「あなたは精神障害者でしょうが!」と言った看護婦さんのセリフは、失言を通り越してあなたが人格障害者なのでは?と言い返したくなります。決して「失言」で許される範囲の言葉ではないと思います。もともとこの看護婦さんの心の中には、精神障害者を見下すような気持ちがあったのではないでしょうか。そういう気持ちで仕事をしていれば、知らず知らずに患者さんを不快な気持ちにしていることもあると思います。アスペルガーの人は、その看護婦さんの「本性」を表に引き出してしまっただけなのではないでしょうか?そんな発言をして、その看護婦さんに何の処分も下らないのはおかしくありませんか?倖田来未の発言の方がまだマシなような気がします。

31 ■>>yumi

こういう風に言うと、また批判が来そうですが、それほど単純なものではなさそうなのです。

アスペルガーがそういう「人の本質を引き出す」という言い方は、あまりにもアスペルガー側からみた偏った見方に僕には思えます。

あくまで中立な視点ではないという意味です。実はこれに関連するエントリは既にずっと以前に書き上げているのですが、アップできないままです。

32 ■毒舌は一面の真理でしかない

という観点から、
> アスペルガーがそういう「人の本質を引き出す」という言い方
> は、あまりにもアスペルガー側からみた偏った見方
ではないかと私も書こうか迷っていたところです。ちなみに、私は診断を受けていませんので何障害だか不明ですが、細かいことが気になるので、一応コメントしますと、「あなたは精神障害者でしょうが!」と言い放ったのは調剤薬局の薬剤師であり、kyupin先生配下の看護師ではありません。また、kyupin先生の患者さんが調剤薬局でそういう目に遭ったことをkyupin先生がご存じということは、患者さんが先生に話したということであり、その患者さんと先生の間には、それだけの信頼関係があるということを示しています。長々と失礼しました。

33 ■あやさんへ

わたしはアスペルガーと診断された者ではありません。学校でカウンセリングの勉強をしている者です。

>毒舌は一面の真理でしかない

毒舌とは誰の発言を指しているのでしょうか?
この患者さんがどんな発言をしたのか知りませんが、薬剤師さんの

「あなたは精神障害者でしょうが!」

という発言の方がよっぽど毒舌だとは思わないのですか?
この発言をしたのが看護婦さんでも薬剤師さんでも同じことじゃありませんか。

>それだけの信頼関係があるということを示しています。

というのは、あやさんの勝手な憶測ですよね。
精神医学の先生から、「決めつける」ということは一番やってはいけないことだと学びました。その患者さんに聞いてみなくてはわからないことです。

34 ■yumiさんへ

 息子がアスペルガーです。確かに息子は、私の感情を逆なでし、暴発させることがあります(不出来な親なもので、怒鳴り散らしたり、通常親が言ってはいけないとされることを口にしてしまいます。あとで謝りますが、彼の記憶には刻まれているのでしょうね)。彼の感情的な状態が不安定になればなるほど、そういう状況がおきるように私は感じています。加えてこちらも余裕がいないときとか。kyupin先生が指摘されているのはたぶんそんなようなことではないかと思っています。間違っているかもしれませんが。
 あと、あやさんが書いているのは、憶測と言うよりは、論理的に考えて推測されるであろう事柄ではないか、と思います。
 横から口出ししてすみません。この記事をそういうふうにとらえている当事者の家族もいるということでご理解ください。

35 ■yumiさんへ

長くなるので、自分のブログにお返事を書きました。よろしければ、ご覧ください。

学校でカウンセリングの勉強をなさっているとのこと、素晴らしいことと存じます。今後の御発展をお祈りいたします。

36 ■とくめいさんへ

論理的に推測しようとすることが、もっとも危険なことだそうです。
例えば、子供が車道に飛び出して車と接触して入院したとして、あの子は普段から落ち着きがないから、自ら車道に飛び出して事故に遭ったんだわと、論理的に推測して噂したりコメントを書いたりして、実際は、前からナイフを持った通り魔が歩いてきて、それを避けようとして車道に飛び出したことも考えられるのです。だから、「論理的に考えて推測されるであろう」という考え方は問題があると思います。

お子さんがアスペルガーなのですか。そんなに手に負えないのでしたら、一度優秀なホメオパスの方に相談したらいかがでしょうか?あくまで個人的な意見ですけど。病院では治らないと聞きましたし。治らない上に上記のような発言をされるなら、行かない方が何倍もマシなような気がします (^-^;
一応参考URLを記入します。

http://www.homeopathy-clinic.jp/

http://www.homoeopathy.co.jp/

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