2007-09-13 20:18:16

アナザーワールド

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
話しかけても返事がない。何度か呼ぶと、はっと我に帰り返事をする。そんな症状を診ることがある。

いわゆる「アナザーワールド」。

彼らは、その時、何をしているのだろう? 何を考えているのだろう?

実は、特別なことをしているわけではないことが多い。何かを考えていることもある。あるいは白昼夢みたいなものを思い浮かべていることもある。これは周囲からは「ちょっと変わっている」ぐらいに思われているが、女性などの場合、「不思議系」などと好意的に受け止められていることがある。見方によれば個性になるのである。

このような精神症状は、精神医学的にはあまり名前がついていないような気がする。「過集中」と呼ぶ人もいるようであるが、周囲の人からはむしろ「過散漫」にみえる。あまりにもうっかりしているから。

この症状は、一般人にも見られることがある。少なくとも典型的な統合失調症の人には見られないので、精神科に受診している人トータルでは稀な症状とも言える。たぶん一般的に「正常人」とみなされている人の方がまだ見られる所見かもしれない。

アナザーワールドに加え、例えば抑うつなどの症状がある場合、精神科に受診した時、初めて指摘されることがある。こういう症状は、アスペルガー症候群などに見られることがある。この場合、「アナザーワールド」は、「自閉的」内面のをあらわしているのかもしれない。他にADHDの人にも見られることもあるが、「分裂病型人格障害」にも見られたりと、このあたりの疾患群は、実は操作的診断で区別されているだけの可能性がある。

非定型精神病や躁うつ病にも「アナザーワールド」に似た症状が見られることがあるが、個人的にちょっと違うような気がしている。彼らの「アナザーワールド」はいつもは見られないから。いわゆる「不思議系の人」は、これが時間的に平均して出現していることが多い。非定型精神病の人で、もしこれが平均的に出現しているのなら、そういう要素があるといえるかもしれない。

「アナザーワールド」だけで、それに困って精神科に受診することはたぶんない。ひょっとしたら、このような症状を「てんかん」などと取り違えて、周囲の人に言われて脳神経外科に受診することはあるかもしれない。

一般に、てんかん発作が起こっていないと「てんかん」とは呼ばない。脳波異常だけあって発作がない人は「てんかん」ではない。「てんかん発作」という場合、大発作に限らないので、本当に「てんかん」という可能性はなくはない。しかし僕は極めて低い確率と思っている。

「アナザーワールド」にはてんかんらしくないポイントが2つある。1つは、その頻度。「アナザーワールド」の人たちは、しばしば「ポヤン」としているので、うっかりの失敗、忘れ物、細かい怪我も多いし、それとわかる症状はあまりに日常にありふれていて、周囲の人にもそれに気づかれている。あれがすべて「てんかん発作」だったら、普通なら大変なことになるって。

ある意味、「過散漫」はその頻度の点で「てんかん」とは言い難いし、また、われに返ったあとの「立ち直り」の様子もてんかんとは趣を異にしている。

あと持続時間。白昼夢系の人はそういう「アナザーワールド」の時間がけっこう長かったりする。てんかん発作にしては持続時間が長すぎるということもある。

正常者にも脳波異常がみられることは稀ではないので、「アナザーワールド」があって、しかも偶然「てんかん性脳波異常」が見られた場合は、「てんかん」の診断がついて薬が処方される場合もありうる。

僕は、アナザーワールドの人々は、いわゆる正常の人よりやや脳波異常が高いような気がしている。別に調べたわけでなく、そう思っているだけだが。たぶん、処方されるのはデパケンRが多いと思うので、なんとなく症状が軽くなり塞翁が馬になったりして。(笑)

いわゆる正常範囲内の人たちのアナザーワールドは治療の必要はない。それほど困っていなければだが。もし治療するにしても、うまくいくかどうかわからないと思う。

アナザーワールドは実は解離や離人体験ではないか?と思う人もいるかもしれない。

この2つには継続時間の差がけっこう大きいと思う。それと、周囲から過散漫に見えるものが「解離」というのもねぇ・・と言うのはある。アナザーワールドは本人には苦痛がないことが多い。そのような相違点もあると思う。




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2007-09-12 19:36:55

転校生

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
成人して精神病状態を呈し入院したアスペルガー症候群の若い男性患者さんがいた。彼はかつていじめを受けていたという。

ある時、SSTで皆と一緒に空港に行ったところ、彼だけ自動販売機の周りをグルグル回り、全然まとまらなかった。この年齢になって、自動販売機のどこが面白いのかと思うが、つまり本人の興味がそのようになっているのだ。皆で行っているので、そこで道草すべきではないが、つまりは集団行動が苦手ということなのであろう。

アスペルガーなどの疾患の場合、「少し変わっている子」と思われていても、学校でそれが個性として受け入れられていることがある。そのような受け入れられ方をする理由は、まず、ずっと小さい頃から彼をみんなが知っているというのがある。皆から、そういう子と思われている。また、ずば抜けてある教科が秀でていたり、特定のことですごく博識だったりと、一目置かれているのである。

彼は変わっているけど、教室での「キャラ」を確保していたのであった。

アスペルガーの子供がいじめを受けやすいのは、周囲と同調して生活することが苦手で、空気も読めないため、行動面で浮いてしまうことが大きい。

個性として認められていたアスペルガーの子供の大きなピンチの1つは転校する時であろう。新しい教室、同級生の中では、かつてのキャラは通用しない。ここでは本人も環境にいつまでも慣れないため、何もなくても行動がギクシャクする。バランスが崩れている状況では、やはり彼らはいじめられやすいし、そんなことがなくても不適応を起こしやすい。

アスペルガーの家族だが、僕の患者さんたちに限れば、両親のどちらかが、やはりアスペルガーだったということがほとんどない。1人だけ、母親が非常に軽いがアスペルガーだったことがある。普通、アスペルガーは男子に多いので、これは少し珍しいのかもしれない。

僕は彼女を入院治療したことがあるが、告知はしなかった。あまりにも本人にとってショックなことだと思うので配慮したのである。

アスペルガー症候群は、正常者からコアな人たちまでなだらかに連続しており、切れ目がない。ちょっとアスペルガーの方角に変わっている人を、そう診断して良いかどうかは微妙だ。「そういう色彩がある」だけにとどめるようにしたほうが良いかもしれない。たとえ入院したとしても、社会的不適応が目立たない人たちは。

僕には、アスペルガーの家族は非常に子供思いのやさしい家族が多いという印象がある。これは両親がそうでなかったというのが大きいのかもしれない。家族に病状を説明している時、あの話を聞く時の熱心さ、真剣さは、知的発達障害児の家族にあまりにも似ている。この点ではアスペルガーの家族は統合失調症のそれとは趣を異にしている。

平均してアスペルガーの家族が高学歴かどうかはともかく、知的な職種についていることの方が多いようなので転勤は普通にありうる。彼らにとって、環境的に険しい道のりなのである。


2007-06-18 18:27:25

ウインドウズとマッキントッシュ

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
僕が初めて買ったパソコンはマッキントッシュであった。友人によれば医師ならその方が仲間が多いし、バカでも使えると言うのがお薦めのポイントらしかった。最初に買ったモデルはまだパワーマックが出る前で、  

Macintosh Performa575
CPU    68LC040 33MHz
メモリ   8MB (最大36MB)
ハードディスク  250MB
CD    2X
OS    漢字talk7.1


というモデルである。当時これらは68Kマックと呼ばれた。僕はこの一体型のパソコンを25万円くらいで買ったような記憶があるが、ひょっとしたらプリンタ込みの価格が25万だったかもしれない。

いざ使い始めると、フリーズの山で全然使い物にならなかった。この理由だが、メモリが8メガバイトしかなかったことと、使い方をよく理解しておらず、たくさんのソフトを同時に立ち上げて動かしていたことがある。このいちいちソフトを閉じて、次のタスクに移るということに気がついていたら、もう少し使えていたかもしれない。結局、全く使わずにその後2年くらい放置していた。まさに家具と一緒であった。

ところが、ある時、どうしてもインターネットをしたくなったのである。最初、このシステムでインターネットが可能かどうかさえわからなかったので、このモデルの型番をメモして近くの専門店に相談に行った。パソコン屋のお兄ちゃんがブラウザソフトは持っているか?と聞くのであるが、そんな専門語なんて僕は知らない。あとモデムが必要という。ソニー製のモデムを1万以上出して買った。これは今から考えるとけっこう大きいものであった。それとメモリも増やす必要があるでしょうという。メモリは32MBのものを14000円ほどで、ネットスケープコミュニケータというブラウザソフトを7000円くらいで買い求めた。

後ですぐに気がついたのであるが、ブラウザソフトなんて、パソコン雑誌についている無料ソフトにあるじゃん。そうならそうと教えてくれよ。当時のマックのOSのマイナーアップグレードはマックの雑誌に付いている無料CDで行うことができた。毎回は買わなくて良いけど、時々は雑誌を買わないといけないのである。

ところで、インターネットに繋げようと思い立ちネットスケープなどを買って来て最終的に繋がるまで、なんと1週間もかかったのである。今なら、きっと途中でギブアップしていたと思う。なぜ難しかったかというと、モデムのドライバーファイル?が間違っていたからだった。これをどこからか見つけて来てインストールしやっと稼動した。初めてインターネットに繋がった時は感無量だった。

これは僕がへたれていたので難しかったと思ったのであるが、僕の友人ですごくパソコンに詳しい人でも丸1週間かかったというので、1人でできたことはアッパレなことであった。最初はインターネットでいろいろなサイトを見て廻っていただけだが、ある時、偶然2ちゃんねるに行き着き現在に至るのである。

当時、68Kマックでは閲覧できないサイトもみられ、インターネットは荷が重過ぎると感じ、マックを買い換えることにした。当時、世界最速という噂のパワーマックG3の発売を待った。そうして、G3-266というデスクトップに買い換えたのである。まだ本体だけで結構な値段がした。またダイアモンドトロンというモニターも買ったが、この三菱電機製ダイアモンドトロンは、トリニトロンのジェネリックみたいなものであろう。というか、僕はそう思った。プリンタも含め、なんだかんだで50万以上はかかった。G3のマックを使い始めると、その速さに感動した。パソコンのくせに計算が遅いのは罪だと思う。なぜかというと見ていて腹が立つから。

そうこうしているうちに、デスクトップに嫌気が差してきたのである。理由は2つある。デスクトップだと、ベッドに寝転んでインターネットができない。また、できれば同じタスクを職場でも継続したい。あと、モニターの電磁波である。あのブラウン管はきっと体に悪いと思う。パソコンで作業をすることは、至近距離でずっと光源を凝視しているのと同じだ。子供の頃からテレビは近くで見てはいけませんと躾けられたのに、あれはなんなんだと言いたい。

当時、マッキントッシュは小型ノートを出す気持がないように見えたので、ウインドウズに乗り換えようかと思い始めた。僕がウンドウズを使いたくなかったのは、そのOSのダサさと使い勝手の悪さである。あと、マックのソフト資産がすべて使えなくなるのは相当に痛いと感じた。買い換えるなら、旅行にも持っていけるほどの小型でなければならない。迷った末にパナソニックのS22を買ったのである。これはトラックボール仕様であり相当な優れものと言えた。この日以来、僕はウインドウズ使いなのである。特に買ってきたその日のうちにインターネットに開通したのは感動ものだった。ウインドウズもバカでも使えるようになりつつあるのを感じた。

ウインドウズを使う際に最も嫌だったのは、突然ウインドウが開き、それをなんとかしないと、次に進めないような時があることだった。この点だけはマックと相当に違った。いったんこうなると、ウインドウを右にも左にも動かすことすらできない。

「ウインドウの裏が見られないじゃないか!」

この動かせないというのが、元マカーにはストレスなのである。いちいちこだわりが強いというか、細かいことにうるさいパソコンだと思った。それに比べ、マッキントッシュはいろいろウインドウを空けても、自由に動かすことが出来、その点で非常に緩いというか、硬直したシステムではないと感じる。

ウインドウズが「動かせない窓」をあけた時、そのタスクをしないと「次には進めないよ」と言ってくる。その時、他のタスクをたまにはしたいと思う。でもさせてくれない。右から左に受け流せないのである。

たぶん、ウンドウズには発達障害があると思うよ。
その瞬間、時間が止まってしまうから。

ウインドウズはどのような発達障害に似ているかというと、もちろんアスペルガー症候群である。このほかのことができないという腹立たしさは、ひょっとしたら、アスペルガーの子供に感じる苛立ちと似ているのかもしれない。

では、マッキントッシュは何なのだろうか?

マックに十分なメモリを積んでいると、際限なく窓を開くことができる。また、中途半端に止めても他の仕事が支障なくでき、しかも元にすぐに戻れる。気が多い人向けなのである。こういう点で、マッキントッシュは軽いADHDに似ていると言えなくもない。

僕はこのようにADHDに見切りをつけ、軽いアスペルガーの面倒を見るようになったのである。

参考
2ちゃんねるのオフ会






2007-05-27 03:11:02

アスペルガーの人の恨みは海よりも深い

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
統合失調症とアスペルガー症候群の患者さんの表情であるが、おおむねアスペルガーの人の方が良い顔をしていない。いつも不愉快というか、嫌な顔をしているんだな。わりあい落ち着いてきても、表情がいまいちなのはなぜだろうか?とよく思っていた。

もちろんうつ状態だとかそういうのもあるけど、彼らには「恨みの気持」が強いことが関係しているように思うようになった。

普通、「家族への敵意」は、いろいろな精神科疾患でみられるので、特異性があるとまでは言えないけど、本来、器質性の色彩が強いように思っている。だから特に身近な人、家族ももちろん含むが、そういう人たちへの「恨み」、「怒り」、「被害関係妄想」は、統合失調症的とは言えない。

てんかん性精神病だとか、生来に脳に障害を負ったような人はそのような気持が出現しやすい。統合失調症ではそのようなものが出ないかと言うと、そうでもなくて、この傾向にはあまりにも例外が多すぎて、普段は見えない傾向だと思っている。それでもなお、身近な人への恨みや被害関係念慮(妄想)は器質性障害の底流にある。

アスペルガーの人たちは、ある特定の身近な人にそれこそ「海よりも深い恨み」を抱いていることがある。

それは、母親であったり、父親であったり、弟であったり、あるいは担任教師であったりもする。この点でアスペルガーは統合失調症的ではない。同時に器質的色彩が強いと思う。CTやMRIでは見えないけど、たぶんアスペルガーの人には脳に傷があると思うよ。

たまにアスペルガーの人は、特定の身近な人ではなく、漠然と「社会」を恨んでいることがある。時に世間を震撼させるような犯罪を起こすのは、このことが関係しているように見える。

この恨みを減らしていくことが可能なのであろうか?

これは、おそらく薬物療法などではうまくいきそうにない。電撃療法もたぶん良くない。一時的に大人しくさせることができるだけだ。電撃療法は脳に傷をいれることでもあるので、暴力性などの点において長期的にはかえって良くないように見える。

カウンセリングでも相当に難しいと思うよ。(あまりわかっていないで言っているがw)

なぜ、そう思うかと言うと、まさに「人格障害」的だから。今回の医療観察法でも「治療可能な疾患」からアスペルガー症候群が除外されているのでその困難さが窺える。

そういう風に考えると、バッチフラワーレメディのウイローとかホリーくらいしか僕には思いつかない。少しでも良くなりそうなものが。

ウイローやホリーはちょっと触れたことがあるが、よくわからない機序でこのような恨みのようなものを溶かす。ウイローは、恨み、不満、憤慨、復讐心、嫉妬心、許せない気持、ひがみなどのマイナス感情に対し処方され、ホリーは、怒り、いまいましい気持、しゃくに触る気持、腹立たしさなどに処方される。

ただ、あまり考えずに暴力的、触法的なアスペルガーの人に使うと危険だ。なぜなら、好転反応が出て一時的に恨みの気持が強くなり事件が起こりかねないから。レスキューレメディを併用することがどうしても必要と思う。
2007-04-28 14:20:29

手話のボランティア

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
たまに、聾唖の人を治療することがある。聾唖に限らず、全盲、弱視など知覚にハンディキャップがあると精神障害を起こしやすい。これは知覚が制限されるといろいろな日常の出来事に冷静、客観的に対応し辛くなることが関係している。

ある意味、アスペルガーも知覚にハンディキャップがあるので、幻覚、被害妄想などの精神障害を来たしやすいと言える。

うちの病院では、周期的に幻覚、うつ状態が出現して入院する聾唖の患者さんがいる。家族も聾唖者なので、コミュニケーションが取り辛いため、たまに手話のボランティアの人に来ていただいている。これはボランティアなので無料である。聾唖でも、知的発達障害も合併している場合、手話ができないこともある。養護学校を卒業していて、知能が正常域か少し低いくらいのレベルでは、手話のトレーニングを受けていることが多い。

手話ボランティアも交えて診察すると、筆談よりはよく日常の状況がわかる感覚が僕にはある。紙に書いた内容でのやりとりと、実際にライブで会話をするとでは大違いなのである。

手話のボランティアの人に普段はどんな仕事をしているのか聞いたことがあった。

その人は普段は主婦をやっているんだと。同じ主婦でも、うちの嫁さんと大違いだと思った。
2007-04-01 16:37:59

レセプトについて

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
4月1日になり、またレセプトチェックの時期になった。毎月初め頃は、レセプトチェックに追われる。僕の場合、適応外の処方もけっこうあるので、処方と病名の整合性を考えなくてはならない。これはずいぶんと大変なことなのである。

こういうことは決して僕だけの苦労ではない。うつ病圏の疾患に非定型や定型薬が処方されるなんて良くあることだから。以前、デパケンRは躁うつ病の適応がなかったので、仕方なく、「症候性てんかん」という病名を追加した。こう書いておかないと減点になる(損失が出る)。

アスペルガー症候群は、現在、治療薬として登録されている薬物がない。だから例えば、セロクエルとデパケンRとデプロメールくらいが処方されている場合、非常に妙なことになる。

主病名;アスペルガー症候群(統合失調症状態、躁うつを伴う)

くらいに書いておくとチェックのドクターに理解され減点なしで切り抜けられる。以前は、これにプラスして「症候性てんかん」も書いておかないといけなかったのである。いったいどんな病態なんだ、といったところ。本当は、アスペルガーなんて、チェックのドクターにはどうでも良いように見えるので、

主病名;統合失調症(躁うつを伴う)

くらいにした方がスッキリするのであるが、これだと僕のプライドが許さん。というか、患者本人にも、そうでない病名がつくのは気の毒と思ったりするのであった。

月初めは、妙な心の葛藤がある時期なのである。


2007-03-22 22:00:38

アスペルガーの異常感覚

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
アスペルガーの異常感覚であるが、これは特殊感覚とでも言えるのかもしれない。特定の感覚が研ぎ澄まされており、特に物音に敏感で次第に妄想的に解釈するようになることがある。(もちろんそうならない人も。これは個人差がある)

僕がアスペルガー症候群の少年を個室で診ていた時、突然、「ほら、○○が自分のことを言っている・・」と、言葉を遮るようなことが何度かあった。部屋の外に出てみると人がいることもあるし、いないこともある。幻聴なのか、あるいは、本当に人の声を聴いたのか微妙だ。細かい物音に敏感で、その延長線上に、幻聴のような異常体験や被害関係念慮があるように見える。

アスペルガーの子供~青年あたりの患者さんは、家にいる時、自分の部屋の壁を殴りってボコボコにしていることがある。家具も壊している。これはいろいろな原因があるが、

① 隣の音がうるさいから殴る
② イライラのためむしゃくしゃして殴る

ぐらいが多い。人によると拳に殴りタコができているほどだ。たいてい、家族はそれを放置している。言って止まるようなものではないのがわかっているから。そういう破壊行動は入院後もある。壁やドアをボコボコにするのはまだ良いとして、ひとつずつ修理してもまた壊すので意味がない。だから僕は退院時にまとめて修理するつもりで放置していた。

本人には、「あまり殴ると拳を骨折することもあるから」くらいに言っておいた。

これはあまりにピントがずれているが、これくらいしか思いつかなかったのである。これなら2人で笑えるし。このあたりの対応は難しいが、強く叱責すると恨まれそう、というか、個人的に若い人に嫌われたくないのもある。どうしても真意が伝わらないし、コミュニケーションがズレてしまうので、僕が決定的な場面を避けていることももちろんある。つまらないことで医師・患者関係が崩れてしまうと、その後の治療が続かないから。こちらも妥協する他はない。

そうこうしているうちに、修理代がどのくらいかかるか彼の方から僕に聞いてきた。さすがに家とはちょっと違うのに気がついたか、あるいは他の患者さんが教えてくれたのかもしれない。だいぶん本人が落ち着いてから、どういうメカニズムでボコボコにしているのか、順を追って説明した。彼が理解したかどうかはわからない。

あと、かっときて他患者を殴ったときは、すぐに強く叱責して相手の人に一緒に謝りにいった。なかなか最初は行こうとしなかったけどね。壁を殴るのと人を殴るのは全く意味が違う。こういう体験が、今後どの程度意味があるのか、その時はわからないと思った。

統合失調症の人の治療との違いは、こんな時にちょっと気を使わないといけないことかもしれない。それに、僕はアスペルガーの治療経験が多くはないので、このような対応が良かったかどうかさえ自信がない。

あと、「におい」に敏感な患者さんもいる。僕は、アスペルガーの人にタバコを吸う人があんがい少ないのは、タバコの臭いを嫌っている人が多いからと思っている。僕が診た中でタバコを吸う人では、統合失調症と誤診され閉鎖病棟に10年くらいいた人がいた。これは次第に慣れていったのと周りが皆吸っていたからと思う。

アスペルガーの聴覚に関する敏感さについて、ある患者さんは「地獄耳」と言った。地獄耳というのは非常に的確なイメージで、まさにその通りだと思う。しかし、精神科医が「それは幻聴ではないのか?」と聴いたため、そういわれればそうかも?と本人は思い始めたのである。つまり、この異常体験には本質的な幻覚のクオリティがやや欠けている。

「幻聴といわれれば幻聴かもしれない」と本人は思っていた。こういう他人事風味が、ちょっと統合失調症のそれと違うと思うのである。

2007-03-05 17:36:14

統合失調症とアスペルガー症候群

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
最近、アスペルガー症候群の患者さんによく遭遇する。先日の簡易鑑定でもそうだったし、最近転院してきた統合失調症疑いの患者さんもたぶんそうだと思う。

アスペルガー症候群と統合失調症の患者さんの違いなんだけど、診察時の目の動きが決定的に違うと思う。ぱっと見でかなり違いがあるように感じる。ただし、アスペルガーの人は視線を合わせない人もいるくらいなので、ちょっとわかりにくい時ももちろんある。

僕は、診察時に明らかに統合失調症とは違うと思ったら、それ以外の疾患を考えるが、アスペルガーは発達障害の1つに過ぎないので、統合失調症じゃなかったらアスペルガーと言うことは全然ない。アスペルガーは他覚的にそれっぽい所見はあるのだけど、普通にしていると正常と区別がつかない人も多いので、やはり生活歴や現病歴みたいなものが重要だと思う。

基本的に、統合失調症は慢性進行性の要素があるけど、アスペルガーはその逆だ。つまり、ある程度社会的な経験が本人を成長させ、なんとか社会に適応できていく人もきっと多いのだと思う。

アスペルガーは健常人に近い人とかなり重度の人の間になだらかな連続性があって、何パーセントくらいアスペルガー的といった言い方も可能かもしれない。要するに、アスペルガーは突き詰めていくと、おそらく正常も異常もない(正常と異常の境界がないと言う意味。精神疾患の一部には、本人または周囲が苦しんでいて初めて「正常ではない」という病気がある)。

それに対し統合失調症の場合は、正常とは連続していない。ある時、大きな断層があると思う。

僕がアスペルガーは統合失調症とは逆だと書いたが、実際には、ある日、突然発病するように見えることがある。これはおそらく発病しているわけではなくて、社会的というか環境的なストレスのため、ある時、破綻してしまうのである。そのとき初めて不適応が明瞭になる。本質的に本人は何も変わっていないのだけど。

だから、例えば大学生や大学院生などのようにモラトリアムを容認する環境なら、不適応を起こさず生きていきやすいとは言える。もちろん大学の先生もそうだ。医師でもずっと医局にへばりついているような人々。うちの大学でもそうなのであるが、大学を出て関連病院で普通に働ける人は「予後良好」なのである。

社会人になると、なぜ破綻しやすいかというと、いろいろバランスを取って生活しないといけないから。このバランス感覚なるものが彼らには乏しい。例えば、仕事上でこの書類を仕上げてくれとか言われると、これはできる。ただし、「この書類もだけど、忘年会の段取りもお願いね」とか言われると、混乱してしまう。1つの仕事を忠実にやっていくならできるし能力も高いのだけど、平行していくつか仕事をやらせると、なんとなくメリハリをつけてできないので、どうして良いかわからなくなる。

10年前のマッキントッシュは積んであるメモリが8メガバイトだったりした。メモリは1メガバイト1万円の時代もあったのである。このマックに同時にいくつかソフトを立ち上げて仕事をしていると、すぐにフリーズした。これに似ている。

アスペルガーの人々は基本的に真面目なのである。だから、すべて完璧にやろうとする。こういうところがバランス感覚の欠如している部分だと思う。アスペルガーの人で東大に合格してしまう人は、こういう徹底的にやる強迫性が実を結んだとしか言いようがない。

アスペルガーの創造性と統合失調症の創造性は少し違っているような気がしている。限定された場面での創造性がアスペルガーにはある。もちろん統合失調症にもあるけど、統合失調症の場合、自然にほとばしるというか湧き出てくるような感じだ。つまり発想という意味で統合失調症の方が上回っているのである。

アスペルガーの場合、時間をかけてそこに到達している。時間的な推移が必要というか、何か知識を集積してそこに到達していて、創造性でもプロセスが違う。

今回、簡易鑑定の診察時に、

小学校の時、どんな科目が好きだった?
テレビゲームはどんなのが好きですか?
体育で得意なのと苦手なのを教えてください?


なんて質問をしていたので、付き添いの人に、この先生はバカじゃないかと思われたかもしれない。

例えば、他はそれほどでもないけど地理がすごく得意とか、苦手教科が多いけど漢字だけはすごくできた、走るのはそれほど悪くないけど球技が全然ダメ、なんてことが非常に意味があるのである。
2007-03-03 23:45:49

アスペルガー症候群の犯罪

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
今、簡易鑑定書を書いている。やっと本人歴の後半に入ったところ。今回はアスペルガー症候群の犯罪。だから、後半が長いのよね(考察の部分)。よく考えたら僕のブログの中のアスペルガー症候群のエントリは、治療経験しか書いていないので、こういうときに全然役にたたん。こういう簡易鑑定は、早く仕上げないといけないので、今日、明日が勝負。それ以上時間をかける気がしないのもある。

この事件はすごく興味深い内容なんだけど、ちょっと面白いと思ったのが「統合失調症」と誤診されていたこと。いかに、調子の悪いときは見分けがつかないかがわかる。最初、簡易鑑定の場面で、すぐに目の動きが統合失調症とは違うのに気がついた。いろいろ生活歴を聞いてみると、ますますアスペルガーらしきエピソード満載といった感じ。

僕の場合、統合失調症かどうかはすぐわかるのよね。普通1分以内。瞬間的にわかることもある。ただ、否定的なケース、つまり統合失調症でない時、「だったら何なんだ」というのがすぐにはわからないこともある。僕は30分以内にわからない時は、その日はもういくら診たってわからないと思う。こういうのは考えて思いつくのとはちょっと違う。別な日に診るとか、生活歴や現症を検討して決めるしかない。

今回の誤診のドクターは僕の後輩で知っている人なんだけど、2000年頃に診断しているので、まぁ仕方がない面もあるかと。日本でアスペルガー症候群が認知され始めたのは1990年くらいからで、それまではアスペルガー症候群の診断自体がなかった。それに、アスペルガーは診察時に視線を合わせない人もいたりと接触性に問題があり、特に病状が悪いときは判りにくい面がある。しかし、しばらく診てれば統合失調症ではないのは明らかまではないけど、普通はおかしいと思うはずで、統合失調症以外の誤診をしてほしかったというのはある。

ところで、アスペルガー症候群で幻覚妄想に支配されてなされた犯罪ならともかく、そうでない場合は、責任能力ありで罪を償わなくてはならないケースが多い。アスペルガー症候群は人格障害的に扱われているのである。

では、鑑定書に戻ります。
2007-03-02 20:32:26

プライベート・ライアン

テーマ:広汎性発達障害、アスペルガー症候群
プライベート・ライアン
1 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/02(日) 12:52
プライベート・ライアンという映画を観た。 最初の20~30分ぐらい続く戦闘シーンは興味深かった。(ノルマン ディー上陸作戦) かなりリアル。敵の銃撃でバタバタと倒れる。顔が吹き飛ばされた り、手がちぎれたり、内臓が飛びだして叫び声をあげている兵士。 すぐには死ねないし手当ても受けられないので、それはむごいものだっただろう。

自分の手がちぎれておちてしまい、それを拾って持っていくシーンがあるが気持ちはわかる。 衛生兵は銃弾が飛び交う中、応急処置をしている。 彼はモルヒネを打っていた。あの環境でそういうことをするっていうのはすごいものがある。だいたい処置の途中に自分が銃弾で倒れることもあるから。 手や足がちぎれてもモルヒネをうつと痛みは止まるという。

4 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/02(日) 13:49
ところでプライベート・ライアンだが、海兵隊が上陸する際に水中の兵士も弾丸が体を貫通して死亡する映像があった。 あんな1km以上も離れた、しかも水中の人間を貫通するほど弾丸にパワーがあるのか?

摩擦力は質量に比例するので、弾丸ほどの重さがあれば水中に入った時点でかなり速度が落ちるような気がするが・・

5 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/02(日) 21:56
プライベート・ライアンっておかしくない? いくら兄弟の仲で生き残りが一人になったとしても どうしてその人を助けるわけ?ほかの人の命よりライアンのほうが重いの?全員の命っていうのは平等でそれぞれに死を悲しむ人がいて どうしてライアンだけが助けられるの?おかしいと思いませんか?

6 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/02(日) 23:44
>5
確かに誰の命も平等だと思う。
でも、4人中3人?の息子を亡くした状況を考えればわからなくもない。もちろん兵士の中には1人っ子もいるだろうし、2人いて1人は死んだって状況もある。たまたま4人中3人っていうのが目についたんじゃん?

7 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/03(月) 00:04
僕はあの映画を1回しか観ていないが・・・

作者の意図は(あるいはスピルバーグの意図は)国の上層部のかわいそうな母親への配慮は、結果的に他の兵士の尊い生命 を失わせる結果となった。 これは実は戦争の実行者(つまり政治家)の一般民衆への偽善のポーズ(戦没者の遺族にはこんなに心遣いをしているんですよ)がまたまた悲劇を生んだ、ということを言いたかったのではないか? 強烈な皮肉と、戦争自体の無意味さを示したかったのではないでしょうか?

皮肉という意味ではいたるところでそういうものがみられる。 捕虜にしたドイツ兵を殺さず逃がしたために、ミラー大尉(トム・ハンクス)の部下はこのドイツ兵に殺されてしまう。 戦争自体に、ライアンを救いにいくような馬鹿げた、滑稽な面があるので、この話に象徴しているところもあるんじゃないか?とも思います。 自分がそう思っているだけで実際は違うのかもしれません。

10 名前: 山波瀬香 投稿日: 2000/07/03(月) 04:55
プライベート・ライアンは、珍しく映画館で観ました。 私は(特に最初の上陸作戦のシーンは)面白く観ておりましたが、 一緒に行った(つうか、私を無理矢理映画館に連れ出した)家内は『もう二度と観たくない』と申しておりました。 でも、海は死にますか~なんて映画を造るより、このような映画を子供のうちに見せておくと、よっぽと反戦教育になるのでは?などと不謹慎な事まで考えたりして・・・・・きっと、トラウマ造りまくりでしょうが。

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/03(月) 05:54
>戦争自体に、ライアンを救いにいくような馬鹿げた、滑稽な面があるので、この話に象徴しているところもあるんじゃないか?とも思います。

ライアンとは、つまりアメリカにとっての「フランス」です。

12 名前: >8 投稿日: 2000/07/03(月) 07:52
ノルマンディー作戦そのものが、新兵器の実験のための無謀な試みだったとの指摘もあるぞ。 すでに降伏済みだった北イタリアからの侵攻作戦のほうが、リスクも被害もずっと少なかったと。

13 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/03(月) 08:35
>11
確かにその通りですね。 戦争末期は、もう対ソ連という次の敵が連合国に見えてきていたので早く戦争を終わらせようと、無謀な作戦が多かったようですね。 手をこまねいているとソ連がどこまでも西進しますし・・

15 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/03(月) 12:36
ノルマンディー上陸作戦は成功面だけが有名ですが, 映画の上陸ポイントは,本当に激戦で,失敗に近かったようです。 史実と矛盾しない点も含めてすごい映画ですね。 でも板が違うのでは?

17 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/03(月) 18:23
まるっきり板違いとは思わないのだが・・・
朝鮮戦争(昭和25年頃)時、戦死した若いアメリカ兵は星条旗に包まれて北九州に移送された。(アメリカから来た遺族が面会するため) なにしろ戦死した遺体のため、内臓が飛び出ていたり、手足がちぎれていたりと損傷が激しく、ある程度遺体を修復する必要があった。(そのままでは家族に見せられない)

当時の九州大学・外科の若い医師はそれにかり出され、おそらく大雑把なものであろうが、遺体を縫合・修復する仕事をしたという。 臭いが酷かっただろうし、大変な仕事だったと思う。

その作業の際、彼らは重大な発見をした。ほんの20歳ぐらいの若い 兵士の血管は、すでに動脈硬化が始まっていたのだ。この後、彼らは学会発表したが、日本は敗戦国ではあるし(日本は遅れた野蛮な国と思われていたし・・)最初は信用されなかったらしい。 戦争の度に医学が進むというのもまた事実だ。

18 名前: >17 投稿日: 2000/07/03(月) 18:53
>戦争の度に医学が進むというのもまた事実だ。
アメリカの脳外科学が世界のトップに立てたのは朝鮮戦争とベトナム戦争のおかげだと思う。医者は戦争に感謝すべきである?

20 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/03(月) 22:34
>12
まったくわかってないね。 北イタリアからの侵攻はドイツの防衛ラインにもろに ぶつかるため、ノルマンディー以上の激戦になることがわかっていたんだよ。 映画にあった程度の戦闘なんて常識。あれはたいした部類には入らない。

21 名前: ニャルラトテップ 投稿日: 2000/07/03(月) 22:43
>20
戦争ヲタクさんですか? あの程度の戦闘とおっしゃいますがそれはあなたの実体験に基づいているのですか。それとも単に通ぶりたいだけですか?

22 名前: 何か 投稿日: 2000/07/05(水) 19:29
戦争体験者がいらっしゃるらしい・・・・(笑)
もっとも、これからの時代は、シャレにならなくなるのかもしれませんが。

23 名前: 山波瀬香 投稿日: 2000/07/05(水) 19:34
でも、実際戦争になったら、私ら医療職はバリバリ前線にやられる事でしょうな・・・精神科の先生だって、ある意味むしろ需要がありそうだし。 眼科の先生も、外科系という事でかり出されるのかしらん???

24 名前: kyupin 投稿日: 2000/07/05(水) 19:52
>23
まずは防衛医大の人が行くのでは? いや、自衛隊は後方支援しかできないので一般の医者の方が前線かもしれません。

映画の中で、ジャクソン(狙撃の名手)が銃弾の中を駆け抜けて行ったあと、「今のはおふくろさんには見せられないな」とミラー大尉が言ってました。 映画だからなんだろうけど、そのユーモア(ブラック?)に笑った。パラシュートで敵地に降りた部隊(ポーランド人の部隊)もドイツ兵が待ち構えていて、 地上に降りるまでにかなり死亡したような映像もありました。

29 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/06(木) 21:46
知人が防衛医大の人から聞いた話ですが(要するに又聞き) 最前線に行くのは、日赤の医師と看護婦で、それより安全なところに行くのが、防衛だそうです。

30 名前: 名無しさん 投稿日: 2000/07/07(金) 18:12
昔の日赤は戦争となると召集され、「いかなる状況でも必ず」戦場に赴かねばならなかったそうです。妊娠中だろうが育児中だろうが、お構いなし。おそろしい。

(2チャンネルの過去ログ(病院・医者板)。少し加筆しています。九大・外科の若手ドクターの話は、僕の知り合いの還暦を過ぎた先生から聞きました。)

後記
この九大外科の若い医師の発見があまり注目されなかったことと、アスペルガー症候群の発見の話は非常に似ている。アスペルガー症候群はまだ第二次世界大戦中の1944年、ドイツ語圏、オーストリア(当時ドイツに併合)の小児科医ハンス・アスペルガーにより最初に発見されている。当時ドイツは敗戦国だったので、戦勝国では全然注目されなかった。アスペルガー症候群はイギリスの医師ローナ・ウィングにより、やっと1981年になって紹介され、表舞台に出てくるようになったのである。


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