2008-03-23 12:37:45

統合失調症っぽくない妄想

テーマ:非定型精神病
妄想には統合失調症っぽいものとそうでないものがある。典型的な統合失調症の妄想は、文脈にあり得ない人や物が出てくるので、素人でも妄想とわかる。

このようなものは妄想気分などと言われているが、注意したいのは統合失調症でも心気的な人では、わりあい理解できる妄想も見られること。つまりトータルでは必要十分条件にはなっていない。しかしながら、荒唐無稽な妄想がある場合は、それだけで統合失調症的ではあると言える。

実は僕はこの妄想のクオリティでは統合失調症の診断はしていないのだが、参考にはしている。荒唐無稽なものがある場合、あまり例外がないからだ。

例えば、ある女性患者さんは30歳台で既に社会的成功を収めており、貯金が2億円くらいあった(注:芸能人ではない)。しかし彼女には家族がなく、家庭的には恵まれていなかった。唯一、叔父にあたる人が子供の頃から彼女の面倒をみていたのである。

彼女によれば、その叔父は一見とても優しいが、実は下心があり自分のお金を狙っているという。これは間違いないと言うのだ。

この「気付き」みたいなものは、この話し方からしても「妄想着想」的ではあるが、僕は統合失調症的ではないと思った。どこがそうなのかを言えば、話の内容にリアリティがあること。

「これはひょっとしたら、本当かもしれない・・」

と思えるところがポイントである。これは関係者を呼んで事実がどうなのかを調べないと妄想かどうかが判断できない。彼女は一見して統合失調症ではなかったし、その後精査して器質性精神病とわかったのである。このように器質性精神病の妄想になると、途端にリアリティが出てくるので統合失調症とは雰囲気が違って来る。

これは昭和50年代に当院に初診した統合失調症の患者さんの初診時の記録である。これはうちの病院の前院長によるものだ。

昭和○年○月中旬、無断で家を出た。書き置きには、ある人物を探すとか、自分の限界を知ったなどと書かれていた。○○で車を放棄し関東まで放浪し、○○空港近くの○○で働いていたらしい。○月○日父親に連絡があり、○日に迎えに行って連れ帰った。その時、わけのわからないことを口走る、狙われている、無線で盗聴される、大変なことが起こる、兵器が・・爆薬が・・ミサイルが・・という。ジャンパーのほつれた糸をアンテナと思い込み、焼き捨ててその灰を缶に入れて密封する。お菓子をすり潰して粉にし、警察に頼んで分析すると言う。早く警察を呼んでくれとしきりに言う。(中略)中からビニール袋で包んだものを2個出す。「これは自分が履いていた靴。これは○○の○○で頂いた服、これはジャンパーの焼き灰」と言い、「これを用心して他人に見られないようにして分析してください」という。

これは誰が聞いても妄想とわかる。なぜなら、荒唐無稽のものが多すぎるからだ。例えば、過去ログで出てくるイングランドまで行った人は、「公安に狙われている」という妄想がみられたが、これはいつかも書いたが、現代社会では確率的に極めて小さいものなので普通の人でも妄想と気付くだろう。彼の話を聞いて、やはり自分もそう思うと言う人がいたら、その人は相当に変っている。

一般に部屋に「隠しカメラが仕掛けられている」という妄想は統合失調症的だと思う。普通の人には隠しカメラが仕掛けられる文脈が理解できないことが多いからだ。古典的な統合失調症の妄想には、突然文脈に天皇陛下や池田大作とかが出てくるため、荒唐無稽すぎて普通の人でもその奇妙さがわかることも多い。

それに対し、統合失調症でない人の妄想には登場人物に場違いな人たちが出てこない。特に器質性精神病の人たちは、極めて身近な人との関係妄想が多いのが特徴である。最初の2億円持っている女性は唯一の身近な人、叔父への被害関係妄想が存在している。普通、父親とか母親、配偶者、兄妹が多い。

アスペルガーの人たちの妄想は概ね身近な人とのものが多い。これは器質的な色彩なのである。これはかつて過去ログにも出てくる。僕の診ているアスペルガーの患者さんは、入院前は弟に対する被害関係妄想、恨みがあった。また入院させると、彼の個室の隣の入院患者への妄想が生じていた。これは彼の話を詳細に聞くと、文脈から、なぜ彼がそう思うのかわりあい理解できる点が「統合失調症的でない」のである。彼の妄想はすべて聴覚過敏などの知覚過敏から発生していた(参考)。過去ログで「アスペルガーの人は脳に傷がある」などと言ったのはこのような感覚も関係している。

非定型精神病は内因性の割合が大きく、しかも身体的な要因(つまり器質性)があるので、妄想が生じている場合、不思議な内容になっている。50歳過ぎの女性患者さんの場合、「私の息子が逮捕されているんでしょう?」などと言うのをよく聴く。これは全く違った生活歴なのに同じ内容なのが個人的に非常に興味深いと思う。この「子供が逮捕されているらしい」という妄想は、彼女の話を仔細に聞いてみると、なぜそう思うのか、彼女の家族への不安感、抑うつ気分などから理解できる面もあるのである。

普通、うつ状態の人はまず自分のことを心配することが多い。うつが重い場合、他の人の心配をするほどの余裕などないから。非定型精神病の人は自分のことももちろんだが、身近な人のうつ状態的な妄想が生じており、これは僕の感覚だと、統合失調症と器質性の真ん中くらいの妄想といえるのである。

統合失調症でも緊張型の人はたいていは荒唐無稽だが、たまにわりあい理解できる内容のものもある。ある有名大学の学生さんは、「家庭教師先の家族が教えている娘さんを自分と結婚させようとしている」などと言っていた。顔を見ればすぐに統合失調症とわかるのだが、この妄想は「こういうこともあるかもしれない」と無理すれば考えられなくもない。これは妄想気分などから来るのであろうが、誇大妄想的でもあり、よく聴くとやはり統合失調症的なものだ。特に「家族が○○駅の前で待ち伏せしている」とか言っていたし。上だけならそうでもないが、こういうことを言われると荒唐無稽さが更に増してくる。

しかしなお、彼の妄想は少しだけ器質性の色彩があると僕は感じる。結局、緊張病症候群のしかもこのような状態では、器質性色彩が出てくる局面なんだと思う。これは緊張病症候群は、本来、非定型精神病的な状態だし、僕が過去ログでも話した「悪性症候群の謎」にも深く関係している。これは治療的に重要な意味を暗示しているような気がしている。(これはいつかエントリとして取り上げたい)

あともう1つ。過去ログ「3人目の女性患者」から抜粋。

その後、外来で治療を続けていたが、ある時、全く予想もしない出来事が起こった。ある日、お店のトイレにうずくまって長い時間、泣いており、救急車で搬送されてきたのである。昨年の冬の終わり頃で早朝だった。外来ではひどい不穏状態で泣きわめいた。この日にすぐ入院させざるを得なかった。ところが、翌日、不穏状態がなくなりはっきりして来ると、幻聴や被害妄想が出現していたのである。幻覚妄想は、一般に誰にでもそれと分かるものほど性質が悪い。この子は「看護師さんのお腹の中に監視カメラが入っており、いろいろ文句を言われる」などと言っていたので、これは相当にまずいと思った。

この妄想は明らかに統合失調症的なものだ。誰にでも妄想とわかるから。この荒唐無稽な妄想が出現した日の僕の失望感やショックを想像してみてくれ。

またこの過去ログの最後の部分で、

あと、薬剤性の可能性もなくはない。しかし確率的には5%以内ではないかしら。これは僕の感覚なのだが、幻覚妄想のクオリティがそういう風ではないから。

とも書いている。他に良くなかった点は、彼女の母親は典型的な統合失調症の患者さんの母親だったと言うこともあった。(参考

しかし、彼女は統合失調症にはならなかったのである。

これはどういう風に考えるか、いくつか異なる見方があるような気がしている。1つの考え方として、分裂感情障害の場合、ジキルとハイドというか、悪い時は本当に統合失調症と見分けがつかなくなるので、そういう統合失調症的な妄想が出現してもおかしくはなかろうというもの。特に年配の女性ではなく、若い人であることも考慮している。

あともう1つは、まさに統合失調症になろうとしたのだが、治療のアヤみたいなもので、途中で突然引き返したというオカルト的なもの。あの状況は四面楚歌で本当に治療的にも切羽詰っていた。僕はあの時ほど追い詰められたことはあまりない。

あの時、うまい治療法が思いつかず悪い状態のまま時間が経ってしまっていたら、ある日、魔法のように幻聴や妄想が消失したような気が全然しないのがある。分裂感情障害と言うのは、良くなるとプレコックス感も統合失調症的な鈍さも全くないので、統合失調症ではない。統合失調症的な内因性精神病の履歴が全く出ないからである。

しかし、あのまま時間が経っていたらどうなっていたんだろう?という謎は今もある。

コメント

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1 ■無題

妄想って薬の影響でも出ますか?http://m.profile2.ameba.jp/m/index.do?targetAmebaId=seisin-iryo0710この方のブログにパキシルなど精神薬の怖さを書いてあり、飲むのが不安になりました。

2 ■時に妄想だと思っていたことが真実ということがあります…

最近被害妄想だと思っていたことが真実だったということがありました。実は学校である先生にうわさされていると感じ、今年一年何らかの形で音楽を聞いていました。もちろん悪口を聞かないためです。でもよく考えると先生だし悪いうわさなんて廊下でしてないよねと思い最近開き直っていました。そしたら昨日看護の先輩経由でその先生が私の悪口を上級生に言っていたことが判明しました。ある意味被害妄想じゃなくてよかったと思う反面、どうやって対策したらいいんだろうと頭を抱えてしまいました。先生に逆らったらそれはそれで怖いし。被害妄想の方が数倍楽ということがありました。精神科での実習を通して妄想の世界の中で判断すると大変なことになると認識できていたものの、妄想の世界の中の方が楽だと思いました。今まで被害妄想にとりつかれてまともに社会に溶け込めなかった私ですけど、少し誰でも被害妄想を持ったりするんだと思って気持ちが楽になりました。

3 ■夢

妄想の話を読んでいて、夢と妄想の関係について知りたいと思いました。
夢って限りなくこういう妄想に近い部分がありませんか?
荒唐無稽なのに見ている最中はすごいリアリティがあって・・・自分の頭が考えてることなのに目が覚めるといつも不思議であまりのぶっとびっぷりに自分で笑えることがよくあります。

4 ■今日も面白かったです。

先生ってすごく冴えてますねo(^-^)o

ちなみに、我が家は四人家族で、わたしが両親や弟(大学入学以来ほとんど帰らず。「女でがっかりした」と言われるわたしよりも期待されていたのですが……)それぞれの言い分を、言いたい相手にわかりやすく伝える役割を果たしています。
ピュアな統合失調症の家族システムはどういう感じなのでしょうか?

5 ■アスペの妄想

私は主治医にアスペルガーに近いとか、非定型精神病とか言われています。頭の中で響くような声というか言葉というかそういうのがあって、よくそれと会話しています。妄想があるのかどうかは自分では分からないのですが、どんなに努力しても、薬を飲んでも埋まらないような他人との溝というか歯車というか、そういう感覚が思春期の頃からずっとあります。周りの人と自分は何かが違うと思っています。こういうのも妄想なのかな?アスペルガーっぽいのかな?と思いました。

6 ■器質性の妄想

私は症状が軽かった頃は「自分が何か悪い病気なんじゃないか」という気持ちが強くて、いろんな検査を受けたりしていました。
徐々に悪化していって一番症状が酷かった頃には「私に何かあったら、お父さんとお母さんをお願いね」と弟に電話をかけたりしていました。あとは入院中に付き添っていた母が体調を崩したときなどは「私のせいで、お母さんの調子が悪くなった」とやたら母のことを心配していたような気がします。
私の診断名は器質性気分障害なんですが、これはやっぱり「器質性」っぽい妄想になるんでしょうか?最初の頃は心気症(?)っぽい感じなんですけれど。

7 ■妄想の裏付け?

野村進氏の「緊急精神病棟」の中で、研修医の先生が医局でテレビを観ていたら、イギリスで歯に埋め込む形の微小受信器が開発されたニュースがあり、途端に「アチャーッ」と嘆声を発したそうです。

8 ■咳払い

はじめまして、僕は現在精神科通院中の不登校(高校生)です。
いきなりですが僕には中二の頃から妄想があります。それは「人から咳払いをされる。」というものです。医師にもそれを伝えていて一応、統合失調症という診断を受けていますが医師も確信が持てないそうです。
周りの咳が気になって入院はおろか外に出ることもあまり出来ません。
また「外で吠えている犬は自分に対して吠えているんだ。」という妄想?などもあります。
妄想とは関係ないのですが認知機能の低下で勉強もほとんどできずまた良好な対人関係も築けなくなり友達もいなくなりました。
そこで先生にお聞きしたいのですが僕は統合失調症なのでしょうか?

9 ■アスペルガーと妄想

典型的な統合失調症の妄想と統合失調症ぽくない妄想があるんですねー。
ところで、アスペルガーって妄想を抱く事ってありませんか?
私は、思った事をすぐ口に出してしまうため後ですごく悪い事をしたなーって思う事があるのですけどそう言ったため相手が怒ってるんじゃないかって変な妄想を抱く事があります。
私は、統合失調症+アスペルガーだと診断されてkyupin先生にありえないって指摘を受けたのですけどその後の話ですけど、WAISって知能検査したら発達障害が基盤にあって病気(統合失調症)はもーとっくに良くなってて今は発達障害の方が目立ってきてるって主治医の先生に言われました。
それから、対応が統合失調症から発達障害に変わってきてるようで仕事をするって話をしても妊娠して出産って話しても以前と対応が違うんですよ。

10 ■無題

統合失調症っぽい妄想で そうでない妄想・・
一体 世の精神科医・・どれだけ わかっているでしょうか・・どんな妄想でも 妄想と 捉えて
抗精神薬の処方をされ・・そんな薬には 副作用として 妄想を作るとあります。そうなると 家族は 病状が わからなくなり でも 主治医を信じて お任せ・・・そんな事から ひょっとしたら まだ 救われる可能性ありの患者が 統合失調症としての慢性患者・・人工的に 場合によっては作られるとは 思われませんでしょうか・・
妄想は 多種多様です。でも 精神科医に
それが どこから きているのか せめて
診察の重要性として お願いする事は 今は
不可能に近いかなと・・統合失調症としての診断名・・・当てはまる項目が 多々あるなら 受け入れざるを 得ませんが・・家族としては かなり
複雑です・・・いくら 薬が 開発されているといえども 究極の所 完治なしの人格崩壊・・・
多くの本に 書かれています。今でも その診断を 受けている我が子が ごめんなさい ありがとうが いえる我が子が いつの日か それさえも
わからなくなる・・そんな病気・・あいまいな診断では 済まされない気がしますが いとも 簡単に
この病名を 下す多々・・現実です。

11 ■単純な統合失調症の妄想例:私の場合

始めまして。33歳ですが、私の急性期の妄想の例を・・・。ありきたりなのでつまらないかも。

■街中を歩くと、誰彼となく大量の人数で街角街角私を付け回し監視してくる。すれ違うさまに何か聞き取れないような言葉をほのめかしていく。いわゆる集団ストーカーです。背後にいるのは、警察・検察・国家・警察とつながるのある大阪系暴力団です。なぜなら、父親が共産党員で、勤めていた会社相手に給料差別を止めろという裁判を20年近くしていたので。決定的な確証は、あるひクーラーの取替え工事に来た業者の名前が「くにや」だったこと。漢字にすると大阪弁で「国や」になります。
■妹の勤め先の近辺で不審火火災が多発するのは、私の妹に危害を加えるぞという組織の警告。
■当然、マンションは盗聴盗撮されてました、それも、マンション建設当時から。盗聴は電話から部屋からインターネットも通信すべて。加えて、盗聴はどこか遠くのマンションから、ガラスの振動を感知して盗聴する方式も弁用。どこか外からの盗撮は赤外線での盗撮だから、窓を閉めてもカーテンを閉めても盗撮される。盗聴盗撮にこちらが気付いたものだから、建設主の大手建設会社五洋○設のトップが責任を取って自殺。
■児童殺傷だとか通り魔事件とか大きな殺人事件は、警察・検察・裁判所・国家・メディアぐるみの犯罪防止のための壮大な『やらせ』だと思ってました。それを告発する大きなビラを作って、駅前で展示。似顔絵が公開された場合、それに良く似た人が、私を付きまとい、「やらせ」だということをばらすなよ、ばらすと殺すぞと警告される。(このため、護身用に刃渡り20センチぐらいの包丁を常時携帯の私です)

12 ■単純な統合失調症の妄想例:私の場合

(続き)

■株を少々やっていたのですが、野村○券の悪口をインターネットに書いたばかりに、それがばれて、私がする取引すべて操られ、買った銘柄は下げられ、空売りした銘柄は踏み上げられる。また、車のナンバー(株はここの銘柄ごとに4桁の番号がついてるのですが。。。たとえば、ソフトバンクは9984。任天堂は7974)を利用して、売買を野○証券に指示される。無数の車が走ってるので、私は大混乱。たとえば、猛スピードで走りだす車はその4桁のナンバーの株を暴騰させるぞという暗示だったり。ただし、それは、私を陥れるための罠なんですよ、たぶん。それを買うと、暴落させられると。
■たとえば、新潟で起きた大きな地震はアメリカの地震兵器のせい。私にはそれがわかってしまったのですが、それがばれないようにばらしたら殺すぞという脅しで、ガル○ージェンシーという探偵会社の広告チラシが頻繁に入る。ちなみに「ガル」とは地震の強さの単位です。

病気の時は、これらをほんとにリアルに感じるんです。冗談じゃなく。だから、病院に連れて行かれたときは父親にも警察にも絶対復讐してやると思いましたがね。

ちなみに、母親と妹は私の病気を怖がって(それ以前に両親は共産党の裁判等の関係で家庭不和気味だったのですが)家を出て行ってしまいました。それ以来、音信不通。

まぁ、こんなところですかね。リスパダール(2mg→4mg→2mg)→エビ(12mg)といった変遷で、障害年金(5年で再審査)をもらいながら今は落ち着いてますが、急性期前はずっと10年近く引きこもっていたので、妄想が取れても、働けません。デイケアすらいけません。そんなこんなの暮らしです。

13 ■非統合失調症の現実的な妄想の場合

医学的な予後ではなく、人間関係などの面で見れば、身近な人に妄想が現れた時、荒唐無稽な統合失調症的妄想よりも、現実的な妄想の方が、ある意味問題が大きくなるように感じています。
例えば、「嫁にイジメられている」とか「○○さんに××な仕打ちを受けた」などという話なら、妄想患者の方が信じられ、嫁や○○さんの方が悪者になって、近所関係や友達関係が拗れたりすることが往々にしてあると思います。
うちの祖母が認知症という診断を受けているのですが、実際にそのような問題が起こっています。
しかも、元々若い頃から嘘や作り話をする癖があり、うちの両親とも仲が悪かったので、困らせるために嘘話を広めているのか、妄想で本当に思い込んでいるのか、さっぱり区別が付きません。
それから、妄想ではありませんが、年齢を聞かれて実年齢より10歳ぐらい高く言うのも、本当に歳がわからなくなって言っているのか、あるいは高齢の方が周囲に優しくしてもらえるので言っているのか、区別が付きません。
(周囲の気を引くために、本当は健康なのに、人前に出ると足が悪くて歩けない振りをしたり、手が悪い振りをして物運びを人に押し付けたり、という傾向が、若い頃からありましたので。)
両親は、認知症という診断自体を疑っていて、「全ては私達夫婦を陥れるために仕組んだ祖母の罠である。」と、それこそ被害妄想的なことを言っているのですが、妄想と嘘の区別は出来ないものでしょうか?
それから、もし祖母が本当に病気であっても、あまりにも両親に対して意地悪なことをする場合、怒っても良いものでしょうか?
エントリーのお話の筋から外れた内容になりまして、すみません。

14 ■常連匿名さんと同じで・・・

私も「認知症」と、どう見分けるのだろうと素朴に感じました。
うちの祖母は母が同席していても、認知症の確認をする医師の「今日の年月日は?」という質問に「昭和22年×月×日○曜日」と、年以外はきっちり答えるそうです。昭和22年だと、母は就学前だし、私は存在していません。しかし、私に田植えしろ!耕せ!と、農地改革時のGHQとの攻防戦を熱く語ります・・・
脳梗塞で、三途の川辺から戻ってきた祖母なので、脳が本当にダメージを受けていると考えますが、近年、若年性認知症なる病気もあるようですが、どう見分けるのでしょうか。

15 ■無題

小学校の高学年ころ、友達と遊んでいると必ず「もしかしたら、この子たちは僕の親からお金を貰って嫌々友達のフリをしているのかな」と思っていました。今考えれば馬鹿らしい妄想なのですが、当時は物凄く悩んでいました。小学生でも妄想ってあるのでしょうか?それとも単なる思春期の入り口だったための不安定さからくる妄想かな?まぁ、今となってはどうでもいい思い出です。

16 ■無題

あと、先生が以前からブログで統合失調症の人は顔で・・・と書いていましたが、やはり顔は心の鏡ってことなのでしょうか?

17 ■>>りぃ

パキシルで音などが聞こえたり焦燥感を煽ったりするのはありますが、妄想まで来たすことはあまり見たことがないですね。

18 ■>>苺

そういうシンクロナイズすることが過去ログにも出てきます。

19 ■>>夢

あまり僕は詳しくはないですね。

20 ■>>るーらん

否認などが入っているので、何かしっくりかみ合わないですね。これは典型的とはいえないかもしれないですが。

http://ameblo.jp/kyupin/entry-10057629027.html

21 ■>>junko

これだけではなんともいえないですね。

22 ■>>nonoyume

うつ状態ではないですか?
この所見だけだと器質性とは断定できないような。

23 ■>>サム

僕は貴方を診察していないのでなんともいえない。普通、そのような妄想があると、病院ではすぐに統合失調症ということになってしまいますが、そうでない人も相当にいるのではないかと思います。だいたい、貴方はこういう風に僕に聞いていますし。真に統合失調症の人は、このように質問する展開にはあまりならないのが普通です。

「クレッチマーの敏感関係妄想」とか以下のエントリも参考にしてください。

http://ameblo.jp/kyupin/entry-10026335904.html

24 ■>>理紗

>>発達障害が基盤にあって病気(統合失調症)はもーとっくに良くなってて今は発達障害の方が目立ってきてるって主治医の先生に言われました。

こういうのはむしろ統合失調症とは診断せず、やはり発達障害と考えるのが普通です。

http://ameblo.jp/kyupin/entry-10075373866.html


25 ■>>チョコ

僕は薬で統合失調症になることはないと思います。これは過去ログでも出てきます。

26 ■>>たかし

これを見ると、貴方は典型的な統合失調症ではないのかもしれないですね。

陽性症状的にはかなり良くなっているようですし。薬物療法的にも良い方法があるかもしれない。

27 ■認知症

これはもともとのパーソナリティの関係で複雑なものに見えるのかもしれないですね。

認知症はあるわけで、単純に叱責するのはあまり意味ないというか、何も解決しないかもしれないです。

28 ■>>ぽっぷ

若年型認知症ですが、かなり特徴があるのでわりあいわかります。種類がありますが。長くなるのでここでは紹介しません。

29 ■>>なると

こういうのはそこまで臨床的意味はないかもしれないです。

>やはり顔は心の鏡ってことなのでしょうか?

対人接触性などの話です。

30 ■あれ?典型的じゃなかった?(汗

>これを見ると、貴方は典型的な統合失調症ではないのかもしれないですね。

典型的だと思ってましたが、典型的じゃないですか?大学時代から離人症状がずっとでていて(効く薬なし!)、だんだん大学院に行かなくなり(行けなくなり)・・・10年ぐらい引きこもって、数年前に妄想発生といった感じです。年金の申請は急性期にしたので妄想型の統合失調症という診断ですが・・・、違うんですかね???うむむ・・・。2~3年間、上記の妄想に苦しみましたが(最終的には他人に危害を加えかねないということで、警察官エスコートのもと医療保護入院1ヶ月+任意入院6ヶ月)。

一過性の精神病性エピソードってことですかね、根っこは引きこもりの方で。それとも破瓜型?(診断時に妄想はあまり話さなかったですけどね。妄想体系をあまりまともに聞いてくれないし、話せば話したで症状が改善してないと思われて、リスパダールの量が増えるのでね・・・。www マンション住まいなので、メシッとかピシッとかいわゆる心霊現象で言うところのラップ音がするのですが、それも幻聴にされてしまってました。関係妄想+被害妄想で、上の階の住人が嫌がらせで音を出しているのだとその当時は解釈してましたがね。)

31 ■(続き)あれ?典型的じゃなかった?(汗

>陽性症状的にはかなり良くなっているようですし。薬物療法的にも良い方法があるかもしれない。

自分でわかる範囲といっても、いつか「精神科医が統合失調症になったら自分でわかるかどうか? 答えはNO」とkyupinさんは書かれてましたので、自己申告で陽性症状はないですというのは意味がないのかもしれませんが、身の危険に迫る上記のような体験といった意味ではまったくなくなりましたね。

現在エビリファイ単剤服用なのは、リスパダールで『20キロぐらい太った(理由の9割)』+『手の指のこわばり感(残り1割)』がでたからです。担当の医師はエビリファイ自体はそう処方してないようで、あまり使い慣れてない様子です。大塚の人柱といった感じです。(まぁ、妄想がでないのでそれで良いのですが。)単剤投与を好まれる先生なので、「これ以上の陰性症状の改善を他の薬との組み合わせでどうでしょうかね?」ときりだしたものの、あっさりと断られました。

急性期に入る前の状態が引きこもりで超低レベルなだけに、そこから上へ上がるのが困難です。自立支援の更新用の診断書(?)だったかな、最近の状況の診断としては「無為・自閉」となっております。

32 ■典型例ではないのでしょうか?

私も転院前の病院で「自己申告」で統合失調症の診断を受けています。それ以前は神経症や躁鬱、ADDの診断で「あなたは絶対に統合失調症ではない」と言われていました(転居で転院し、自己申告で統合失調の診断になる)。
再転院した現在も前院の診断ですが、現在主治医とは主に躁鬱の治療に苦慮しているところです。非定型に近いのでしょうか?
このエントリと皆さんのコメントを読んでいてそう感じたので書かせて頂きました。

33 ■やはり自分は発達障害の範疇かなあ。

自分は統合失調症ではないんだと、ハッキリ分かってちょっぴりスッキリできました。

私は現在、周囲の人間への関係妄想(念慮?)があって、自分でもおかしいと思うこともありますが、完全には否定できないので、日々悶々としています。
可能性の極端に低い事を気にするところは、妄想というよりも、5、6年ほど前から続いている強迫観念と似た感覚です。
同じ根っこから色々なものが生まれてくるのは、他人事のようですが、面白いな、と思います。

34 ■大事な事を書き忘れました。

一見似ているようでも、根っこの違うものを見分けられる先生はすごいなぁ、と思います。
世の中には、それができない精神科医もたくさんいるんだろうか、と考え出すと、また不安が止まりません。

35 ■>>苺さん

こういうことって実はありがちなんじゃないかと思います。苺さんは治療はよそで受けたほうがいいんじゃないかとずっと思っていました。すごくよくがんばっているからもっと違う治療を受けたらもっとよくなると思います。評価する側の立場の人に診察を受けていたら絶えず自分がどう思われているか気になって当たり前だと思います。それより関係ない病院で心情を安心して吐露できる環境で治療したほうがいいと思います。大学病院は綺麗かもしれないけど、医師の能力は病院がきれいかどうかとは関係ないと思うから、ほかにもよい病院を探す指針はあると思います。
 努力家で頑張りやさんの苺さん。そんなに頑張らなくても大丈夫です。具合の悪いときは少し休んでも大丈夫です。金銭的なことなど無責任だと思われるかもしれないですが、今がんばっている自分をほめてあげてくださいね。
  

36 ■>>たかし

こういうことがこのようなブログで語れるからです。これは典型的な統合失調症の人にはけっこう難しいことだと思う。

深い意味はなく、その程度の根拠です。

37 ■>>tokumei

たかしさんのレスにほぼ同じです。

貴方の場合、たかしさんよりいっそう統合失調症から離れる感じです。ひょっとしたら、統合失調症以外の疾患かもしれません。

38 ■>>しん

これは一般的なことです。

39 ■返答感謝です

二つの診断の間に紹介状のやり取りがないので、kyupin先生の仰るとうりの可能性があるとは思います。
しかし、自立支援法などへの影響を考えて、あえて主治医には診断のことをつっこまないつもりです。

40 ■kyupin先生の仰るとうりでした

さっき診察でしたので、黙っておくのも心苦しいので、主治医にも聞いてみました。
典型例ではなく、非定型と言っても良いとの事でした。
只、精神科の診断では、データーをとってどうこう、と言うわけではないので、なかなか線引きが難しいのだ、との事でした。(自立支援等の問題でそういう計らいになっているわけでもないとの事でした)

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