最終更新: 2009/05/18 10:46

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福岡・3幼児転落死事故 危険運転致死傷罪を適用、懲役20年の判決 弁護側は上告の方針

2006年8月、福岡市で幼い3人のきょうだいが犠牲となった飲酒運転事故の控訴審判決で、福岡高裁は、1審で認められなかった危険運転致死傷罪などを適用し、被告の男に懲役20年の判決を言い渡した。
15日の判決後、死亡した3幼児の父親・大上哲央さんは「裁判長が(判決を)言い渡された時は、もう...、胸がいっぱいになり...」と、言葉を詰まらせながら思いを語った。
幼いわが子3人の命を奪った事故からまもなく3年。
危険運転致死傷罪などに問われた元福岡市職員・今林 大(ふとし)被告(24)に、福岡高裁は「1審を破棄する。被告人を懲役20年に処する」との判決を言い渡した。
死亡した3人の幼児の母親・大上 かおりさんは「紘彬(ひろあき)、倫彬(ともあき)、紗彬(さあや)の命が奪われたことの悪質性、その原因の悪質性がきちんと裁かれたんだと」と述べた。
2006年8月、大上さん一家5人が乗った車は、飲酒運転をしていた今林被告の車に追突され、海に転落した。
事故は、幸せな家族を一瞬にして引き裂いた。
裁判の争点は、「危険運転致死傷罪」の適用。
飲酒の関係では、正常な運転が困難な状態と規定されているだけで、適用についての具体的な判断は、裁判所に委ねられている。
1審は、「飲酒の影響で正常な運転が困難だったとは言えない」とし、脇見運転による過失と判断、業務上過失致死傷罪などの罪で、懲役7年6カ月の実刑判決を下した。
1審判決後、大上さん夫妻はフジテレビの「ニュースJAPAN」の取材に、切ない胸の内を明かしていた。
2008年1月、大上哲央さんは「なんかもう、言葉にできないほどのやりきれない思いと、業務上過失致死傷罪で7年6カ月ということを聞くと、やっぱり納得はできません」と話していた。
大上 かおりさんは「危険運転致死傷罪があるにもかかわらず、適用できないことの苦しさとか。これはやっぱり逃げ得を許していることだし...」と話していた。
そして迎えた15日の控訴審判決。
大上さん夫妻は、3人のわが子それぞれの遺影を携え、法廷に入った。
福岡高裁は、1審で事故原因とされた長時間の脇見について、「現場付近の道路はこう配があり、前を見てハンドル操作しないと直進できない」と否定し、「飲酒の影響で前方を認識できなかった」として、危険運転致死傷罪を適用した。
判決の瞬間、大上さん夫妻は声を詰まらせ涙したという。
今林被告は出廷せず、判決を聞くことはなかった。
控訴審判決後、大上 かおりさんは「こんな大きな遺影がいつも家にあって、それがどんなにつらいことなのか」と話した。
大上哲央さんは「この事件と向き合って、本当に反省してもらうことが、一番のわたしたちの願いです」と話した。
1審と2審で判断が分かれたこの裁判。
今林被告の弁護士は、「判決は極めてエモーショナル(感情的)。到底納得できない」と、上告する方針を示している。

(05/16 01:52 テレビ西日本)


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