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新型インフル拡大「ドクターは戦場にいるような状態」

2009年5月18日5時1分

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写真神戸市内の病院は、入り口に発熱外来を増設した=17日午前、諫山卓弥撮影

 「ドクターは戦場にいるような状態だ。能力オーバーになりつつある」

 神戸市保健福祉局の桜井誠一局長は17日午前の記者会見で、新型インフルエンザの感染者の診療にあたっている市立医療センター中央市民病院の現状について語った。

 神戸高校で初の感染者が出た16日以降、電話相談を経ずに発熱外来を直接訪れる市民が急増。ウイルスが病室外に出ないよう工夫された病床が36床あるが、感染した患者らで、すでに「ほぼいっぱい」。別の病棟を空けて検査結果待ちの患者を入れ始めた。

 大阪府北部の発熱外来には17日、発熱相談センターの紹介で17人が訪れ、直接来たのは21人。それぞれ前日の約3倍という。17日朝、市消防本部が病院前に待合用のテントを二つ張って対応した。自家用車で来た人には、車の中で待ってもらった。

 病院職員は「これ以上増えると救急医を発熱外来に回さなければならない。新型は季節性と症状も治療も変わらない。分けないで対応したいのだが……」と話す。

 一方、発熱相談センターも相談の電話が急増している。

 兵庫県と県内の政令、中核市の各発熱相談窓口に16日に寄せられた相談は、前日の6倍以上にあたる計約900件に達した。神戸市の相談センターは16日分は588件。その後もこれを上回る勢いで増え、電話回線を3本から7本に増やした。

 大阪府でも16日、15カ所への相談センターの相談件数が、前日の125件から8倍以上の1039件に跳ね上がった。その6割にあたる651件は本庁の発熱相談センターに集中。前日の65件から10倍増となった。専用電話は鳴りっ放しの状態だ。

 大阪市の発熱相談センターも市内で感染者が出てから相談件数が激増した。中川正・同市保健所長は嘆く。「発熱相談の電話でてんてこ舞い。疫学的な調査に人がさけない。感染者のつながりがどうやねんということはまだ」

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