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韓国で任天堂のようにゲーム機を開発するには(中)

コミュニケーション分野の専門家3人に聞く

ビオッカ教授:任天堂は、競争相手が上位を占めている市場で競争相手と同じルールで戦っては必ず負ける、ということを理解している。そこで発想を変え、新しいルールと市場を作って支配し始めた。

S・シャム・サンダー教授:一味違う販売・マーケティング戦略にも注目する必要がある。新しいゲーム機を市場に送り出すときは、ゲームをする人だけでなく、ゲームをしない人の心も捕らえる戦略が必要だ。通常、ゲーム機を買うときに抱き合わせで入っているゲームは、単なる詰め合わせだ。しかし任天堂は違った。米国でWiiを買うと、Wiiスポーツがついてくる。Wiiスポーツは、動作を認識するWiiの特性を最もよく示しており、最も人気のあるゲームだ。ゲーム機を買った人々が周りに自慢し、それを見た人々が同じ製品を買った。

イ教授:ヨーロッパにも、任天堂と同じ発想で成功した事例がある。フィリップスは2004年、「アンビライト・テレビ」を発売した。このテレビは、フィリップスの市場シェアを7%から一気に14%へと引き上げた。テレビメーカー各社は画質や鮮明さに莫大な投資を行っているが、実際に画質・鮮明さで違いを出すのは極めて難しい。そこでフィリップスは考え方を変えた。画面の端に画面の中と同じ色がほのかに灯る製品を作った。視覚心理学者によると、この場合、視聴者は画面をより大きく鮮明に感じるという。また実際に、消費者はアンビライト・テレビがより鮮明で画面も大きいと考えている。重要なのは、こうした消費者自身にとってのリアルさだ。

ビオッカ教授:任天堂Wiiの利点は、全身をジョイステックやマウスとして使うことができる、ということだ。Wiiが誇る動作認識は、実際のところ技術的に変わったところはない。1990年代初めから、世界のあちこちに分散しているバーチャルリアリティーの研究センターには動作を監視する装置があった。任天堂はそれを商品化して、家庭に持ち込んだだけのことだ。動作認識機能には、また別な利点もある。老人でも簡単にゲームを覚えて楽しむことができるという点だ。もともとボーリングやテニスをやっていた人たちがジョイスティックでゲームをするには、改めて習わなければならない。しかしWiiで遊ぶために、改めてゲームの操作法を習う必要はない。もともとやっていた動作をすれば、それで十分だからだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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