【ワシントン=弟子丸幸子】米疾病対策センター(CDC)のジャーニガン医師は15日の記者会見で、新型インフルエンザの米国内の感染実態について「推計するとすれば、おそらく10万人以上にのぼっている」との見解を明らかにした。米国では同日、新たにテキサス州で死者を確認。これにより、新型インフルエンザによる米国の死者数は5人に増加した。
米政府当局が感染の実態について推計を示したのは初めてで、CDCが同日発表した感染者数(疑い例を含めて4714人)の20倍以上の数となった。感染しても病院に行かない場合があるほか、検査自体が追いついていないことから集計値と推計の数字に大幅な差が生じているという。感染の実態を把握するうえで、集計値は氷山の一角にしかすぎないことを当局が認めた形だ。
ジャーニガン医師は「(感染者の)数を集計することの重要性は低くなってきている」と述べ、感染拡大の防止と重症例の分析を急ぐことが重要だとの考えを示した。(16日 12:11)