新型インフルエンザについて記者会見する二日市本部長=16日午後4時半すぎ、県庁
新型インフルエンザが国内で発生した十六日、県新型インフルエンザ対策本部の二日市具正本部長は「冷静な行動を」と重ねて県民に呼び掛けた。
県庁で開かれた対策本部会議で二日市本部長は「県内発生もあり得る。しっかり準備を」と指示。その後の記者会見では「安全安心のためしっかり対処し、県民の皆さんに正しい情報を伝える」と強調した。
県によると、四―十日までに感染症動向調査の定点医療機関(計五十八カ所)から報告のあった季節性インフルエンザ患者は八十二人。「全体の二割程度がA型患者」という。A型患者の検体をすべてPCR検査することについて県対策本部は「監視体制を強めるため、大分独自に取り組む」とした。また「政府や神戸市は感染した高校生の接触者などを把握しており、該当地域を訪れることによる感染の可能性は考えなくていい」と説明した。
そんな中で、県立盲学校と日出養護学校は、それぞれ六月初めに研修・修学旅行で大阪市内を訪れる予定にしている。両校は十八日の保護者会で対応を決めることになった。
県は県内の商業施設などに対し、当面は営業自粛などの要請はしない方針を示した。各施設は「推移を見守りながら国や県の指導に対応したい」としている。
大分市のトキハ本店とトキハわさだタウンは「今のところ対応に変化はない」。パークプレイス大分は「店側が過度に対応すると来店者に不安を与える」と話す。「万が一、県内発生すれば、県からの営業自粛要請もあり得るので、その際の対応についてはテナントと調整中」と言う。
日出町のハーモニーランドは従業員や来場者用のマスクを備蓄。営業自粛などの事態になった場合は「県の指導に基づいて対応する」とした。
一方、大阪と大分・別府を結ぶフェリーを運航する関西汽船は十六日、切符売り場や乗り場に、マスクやうがい、手洗いをするようお願いするポスターを掲示した。フェリー内のトイレや食堂には消毒液を置いた。
大分、別府で張り出し
大分合同新聞は十六日、新型インフルエンザの国内発生を知らせる号外を大分、別府両市の計二十二カ所に張り出した。
大分市府内町では、若者や買い物客らが足を止めて号外に見入った。大分市の男性(80)は「今後は国内のどこで発生するか分からない。すでに国内で感染が広がっているかもしれない」と、不安そうに話した。
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