新型インフルエンザで、日常生活で注意する点をまとめた。
Q 感染が出た地域に住んでいる人が外出する時は、どうすればいい?
A 16日に出た国の方針によると、人込みはできるだけ避け、込み合った場所ではマスクをつける。せきエチケットを徹底し、手洗いやうがいなどを呼びかけている。企業や学校には時差通勤・通学、自転車の使用を認めるなど、感染のリスクを減らす工夫を求めている。
Q 自分が感染したと思ったら?
A まず最寄りの保健所などに置かれている「発熱相談センター」に電話し、専門の治療をする「発熱外来」の案内などアドバイスを受ける。
Q 治療方法は?
A 治療の柱は抗ウイルス薬のタミフルとリレンザ。国も世界的大流行に備えて備蓄してきた。タミフルは季節性インフルエンザの治療に幅広く使われ、発症から48時間以内に飲み始めると高い効果が望める。それ以降でもある程度は効く。普通は5日間飲み続ける。リレンザは吸入式で、これも5日間専用の器具を使って吸う。
ただ今回のウイルスは日本でこれまでに確認された人を含め患者の多くが軽症。海外では、大半の患者は特別な治療をしなくても回復している。米疾病対策センター(CDC)は、たいていの人は自宅で安静にしていればいい、とする。
Q 特に気を付ける人は?
A 小さな子どもや高齢者、妊婦のほか、心臓病やぜんそく、糖尿病といった慢性病がある人は、抗ウイルス薬による治療が必要。こうした人が発症すると、重症になるリスクがある。
Q 妊娠していると、どうして重症化しやすい?
A 元日本産科婦人科学会長の荒木勤・日本医科大名誉教授によると、妊娠中の女性は体内の赤ちゃんを異物として攻撃しないよう、免疫力がふだんよりも下がっている。このためウイルス感染の影響を受けやすい。心血管や呼吸器にも、ふだんより負担がかかっていて、重症化のリスクが高い。ぜんそくを抱えている人は特に注意がいる。
抗ウイルス薬を妊婦が使うことによる影響は、まだよくわかっていない。でも、重症化のリスクを考えれば利点の方が大きいという。
Q 幼児向けの治療薬はあるの?
A 「タミフルドライシロップ」がある。粉末を水などに溶かして飲むタイプだ。
Q 感染者が急増すると、重症者以外は自宅で過ごすことになる。家族の注意点は?
A 世界保健機関(WHO)は、次のように勧めている。▽患者と最低限1メートル以上離れる▽面倒をみるときは、口と鼻を清潔なマスクなどで覆う▽患者と接した後は、せっけんでよく手を洗う▽窓やドアを開け、患者のいる部屋の換気をよくする▽部屋など周囲の環境を清潔に保つ。