インド総選挙 与党連合が圧勝 シン首相続投へ
5月17日0時1分配信 産経新聞
【ニューデリー=田北真樹子】7億人を超す世界最多の有権者を抱えるインドで16日、下院(定数545)選挙の開票が一斉に行われ、国民会議派率いる与党連合が約260議席を獲得して圧勝した。2004年から政権を担うマンモハン・シン首相(76)の続投は確実で、“ネール・ガンジー王朝”の後継者として選挙戦を勝利に導いたラフル・ガンジー国民会議派幹事長(38)も、将来の首相候補としての地位を不動のものとした。
シン首相は同日、「われわれの政党に信頼を寄せてくれた国民に感謝する」と勝利宣言した。ラフル氏の新政権での処遇については「彼の入閣は私の希望でもあるが、彼を説得しなければならない」と語った。
地元テレビ「NDTV」によると、16日午後7時(日本時間同10時半)現在、与党連合は約40議席増やして260議席を獲得、最大野党・インド人民党(BJP)率いる野党連合の164議席を大きく引き離した。そのうち会議派だけで203議席(04年の前回選挙145議席)を占めた。一方のBJPは120議席前後(同138議席)に落ち込むもようだ。開票は同日中に終了する見込み。
与党連合は今後、過半数を制する安定政権樹立に向けて、少数政党の取り込みを図る。シン首相は選挙期間中、次期政権では引き続き雇用創出と景気回復に重点を置き、経済成長率を9〜10%に引き上げることに意欲を示している。
選挙の主な争点は、国民の7割が住む農村部の貧困層対策だった。前回選挙でBJP中心の連立与党が貧困対策をおろそかにして敗北しており、会議派は今回、9%を超える高度経済成長を達成した実績だけではなく、地方の日雇い労働者への賃金補償や農民への債務免除など貧困政策の成果も強調。これに対し野党連合は、与党連合と異なる新味のある貧困政策を打ち出せなかった。
また、BJPがヒンズー至上主義路線を繰り返し強調したことは、支持者の離反を招き、「非宗教」が党是の会議派を利することにもつながった。
会議派は今回の選挙戦をソニア・ガンジー総裁(62)と長男のラフル・ガンジー幹事長、シン首相の「トロイカ体制」で臨んだ。特にラフル氏は「党の顔」として全国を遊説。BJPの首相候補、アドバニ前総裁(81)とは対照的に新鮮さをアピールし、浮動票の多い若年層の支持をつかんだ。今回の勝利により、シン首相後の「ラフル首相」への異論は少なくなるとみられる。
一方、左派共産党と地域政党からなる「第三戦線」は78議席で伸び悩んだ。そのうち、北部ウッタルプラデシュ州の地域政党として躍進が予想されていた大衆社会党(BSP)は、州内の80議席中50議席を獲得するとの予測もあったが、20議席前後にとどまった。大票田の貧困層、若年層の支持が予想以上に会議派に流れた結果とみられている。
インドでは4月16日から5月13日までの間に5回に分けて電子投票を実施。16日に一斉に開票された。
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一方、左派共産党と地域政党からなる「第三戦線」は78議席で伸び悩んだ。そのうち、北部ウッタルプラデシュ州の地域政党として躍進が予想されていた大衆社会党(BSP)は、州内の80議席中50議席を獲得するとの予測もあったが、20議席前後にとどまった。大票田の貧困層、若年層の支持が予想以上に会議派に流れた結果とみられている。
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最終更新:5月17日0時1分
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