阪阪神電車 西大阪線 西大阪線延伸問題 阪神電車 九条 西九条 難波 延伸
指摘してきたこと 04
更新日平成17年 9月 1日
(更新内容:一部のリンク切れ修正)
カウンターsince2005.07.14
近鉄車両の乗り入れが必要か? |
西大阪線延伸の問題のひとつに重く長い近鉄車両の乗り入れがあります。
○車両長について
阪神車両は1車両18.98m近鉄車両は20.72m(パンフレット「Nから始まる新たな未来へ」西大阪高速鉄道、阪神電気鉄道(西大阪線推進室)配布)
1車両あたり1.74m(20.72−18.98)長い近鉄列車を走らす為には阪神本線で10.44m(1.74×6)のホーム延長が必要、西大阪線においては阪神車両の6両連結列車なら113.88mでよいところ近鉄車両の10両連結列車なら207.2mも必要となる。駅の長さは約倍の長さが必要となる。
近鉄車両が乗り入れなければ阪神本線の駅の延長増備は不要になり、西九条難波間において駅の建設費用は6両長の整備でよく、建設費用の削減になる。
○車両重量について
大阪都市計画都市高速鉄道 西大阪線延伸線に係る環境影響評価についての 検討結果報告書(平成14年10月大阪市環境影響評価専門委員会)の文中に都市計画決定権者提出資料として阪神車両重量は27〜35トン、近鉄車両重量は29〜38トンと表示されている。1車両につき2〜3トンの差がある。
近鉄車両が乗り入れなければ橋脚やレールの強度、耐用コストの削減になる。
○乗車定員について
近鉄車両の車両重量29〜38トンの列車の乗車定員を調べると64名から170名、とされているが西大阪線において特急運賃が発生する車両は運行されないとのことから124名から170名と推測。
一方阪神は122名から150名の乗車定員である。近鉄の最も重い38トンの車両に170名乗車した時総重量は48.2トンにもなる(38000+170×60)阪神の最も重い車両に150名が乗車した時44トン(35000+150×60)1車両につき4.2トンの差であるが連結数、運行本数を考えると大きな違いとなる。
近鉄車両が乗り入れなければ橋脚やレールの強度、耐用コストの削減になる。
○地上踏み切り箇所の渋滞について
西大阪線福駅周辺の踏み切りが開かずの踏み切りになる可能性がある。現状でも4両連結列車の10分に1本の運行でも渋滞することがあるのに倍の運行本数(現状98本の運行本数が西大阪線延伸すると190本の運行本数になる)になると渋滞は必至、まして長い列車(現状75.92m近鉄車両10両なら207.2m)なら渋滞必至。そして尼崎駅から3駅目、西九条駅からも3駅目であること、西九条駅から尼崎駅間は優等列車は停車しないので優等列車発車直後に普通列車が発車、西九条駅からも尼崎駅からも3駅目の福駅周辺は優等列車と普通列車はほど同じ間隔で通過することとなるであろ、これらのことを考え上下線の通行を考えると渋滞必至。
近鉄車両が乗り入れなく阪神車両の6両列車なら延伸後の渋滞は幾分緩和される。
尼崎駅での連結開放要員の費用について
西大阪線運行列車本数190本(上下380本)です。そのうち10両編成車が26本、8両編成車が10本、6両編成車が154本(うち143本は尼崎駅折り返し)
190本中連結開放の必要のない、真の直通列車は僅か11本です。
連結開放が必要な列車は190本中36本。
尼崎駅以西は6両編成にしなければならないため連結開放する必要がありこの連結開放要員を17名、その人件費単価7,682千円/年、総額130,594千円/年を計上しています。
また切り離した列車の留置場所が必要となります。
阪神車両の6両列車での延伸なら連結開放費用と留置場所のコストが不要になる。
○参考
現在の近鉄線の10両、8両列車の運行数について
近鉄難波駅を発する列車本数は331本そのうち10両編成列車は35本、率にして10.574%、8両編成は29本、率にして8.761%(近鉄電車運行本数、連結車両数は平成17年3月25日現在の調査:近畿日本鉄道株式会社大阪運輸総括部・運転者両部・運転課資料)
近鉄難波駅を発する10両編成列車35本中26本、8両編成列車29本中10本が西大阪線に乗り入れる計算になります。
大阪市営交通の利用客について
大阪市営地下鉄千日前線や、中央線と相互乗り入れし、奈良迄運行している近鉄東大阪線の利用客は減少する可能性がある。
このように地盤高が低い出入り口については防提扉や止水パネル等の設備がなされています。市営地下鉄は防潮、止水設備にこのように努力しているのに西大阪線は十分な防潮、止水設備がなされるのだろうか?
西大阪線新九条駅入り口予定地はもともとの地盤高が低く、OP−22センチと言う資料があります。歩道面をOP±0としても階段の一番上まで62センチしかございません。津波や洪水時にはこの駅入り口から真っ先に浸水するであろう。この出入り口から浸水すれば上記大阪ドーム前千代崎駅は当然ながら汐見橋、難波駅をも浸水、鶴見緑地線から大阪市営地下鉄網は浸水するであろう。
駅入り口の防潮扉や排水設備を強力にしたとしても電車が地下にもぐる掘り込み部分(長さ250m)の防潮設備は十分なのだろうか?大雨の時40‰の傾斜を雨が滝のごとく掘り込み部分から阪神新九条駅に流れ込まないだろうか?
高齢化社会を向けるにあたりバリアフリー整備しなければならないが、地下駅出入り口用地にスロープで設計水位まで上ってから下るような敷地があるのだろうか?エレベーターやエスカレーターは整備されるようだがしっかり止水されるのだろうか?
市営交通の設計水位について
昭和36年10月設計水位をOP+5.5mと定め以後建設された中央線阿波座、本町、千日前線阿波座、西長堀、桜川に適用している。この設計水位を定めたのは防潮堤の整備がなされないころ。
その後、安治川、尻無川、木津川の防潮水門が昭和56年に整備されているがその後にこれらの地域での新線計画がないため過去の設計水位(OP+5.5m)が変更されないままである。
大阪ドーム前千代崎駅を設計する時には水門が整備されたことからOP+4.5mを浸水防止対策上の設計水位としているが、いまだに西大阪地域において過去に定めた値(OP+5.5m)を変更するにはいたっていない。
と言う回答を頂きました。上記大阪ドーム前千代崎駅では私が実際測ったところOP+4.47m以上は確保、確保できない箇所においては頑丈な防潮扉が整備されていました(OP+4.5mに達しないのは測量誤差と推測)
このような設備にも費用はかかっているはずで、市営交通がこのような努力をしているにもかかわらず、連絡する西大阪線の設計水位が低いならば市営交通の努力は水の泡。
人口の減少、少子高齢化による労働人口通勤通学人口の減少は避けきれない。
日本経済の成長期に延伸できなかったこの計画案をなぜ日本経済の衰退期(少子高齢化による消費支出の減少、労働人口の減少による経済の沈滞化、衰退化は明白)に無理にでも延伸しようとするのでしょうか?