準決勝敗退-。髪をほどきコートを後にする浅尾美和=宮崎・霧島ファクトリーガーデン
ビーチバレー国内ツアー第3戦「霧島酒造オープン」は16日、大会2日目を迎え悲願のツアー初Vを目指した西堀健実(27)・浅尾美和(23)=ともにエスワン=組は、準決勝で浦田聖・楠原組にフルセットの末敗れ、決勝進出を逃した。17日の最終日は3位決定戦に出場する。決勝は浦田聖・楠原組が田中・鈴木組と激突する。
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「勝てたのに…」。“妖精”がポツリとつぶやいた。今月6日の東京オープン決勝で敗れた因縁の相手、浦田聖・楠原組の前にまたも悔しい敗戦。西堀が「いつもと同じパターンで負けた」と唇をかめば、浅尾も「フルセットになると勝てない」とお台場同様、1セット目を先取しながらの逆転負けに声を曇らせた。
この試合“妖精”はある決意を持ってコートに立った。攻める気持ちでいく-。その“象徴”が今シーズンから取り組んでいる「ジャンピングサーブ」。第1セット19-20と後がない状況で浅尾の足がビーチから離れた。高い打点からの一閃(いっせん)が相手コートに突き刺さり、会場はこの日一番の歓声に包まれた。
「練習が足りない」と浅尾自身も言うように、準決勝では計10本のサーブミス。13-14で迎えた第3セットでも最後にサーブを外し試合終了の笛を聞いた。だが攻める気持ちだけは最後まで貫いた。所属チームの曽根康浩社長は「弱気を見せなくなった」と評価し、ライバルの浦田聖も「あれが決まりだすとやりにくくなる」と警戒した。新しい“武器”を手にしたとき“妖精”のさらなる進化が始まる。