2009年5月17日8時16分
特に小沢代表になってからは、「口べた」という小沢氏の代弁者として、小沢氏への批判を受け止める緩衝材の役割をこなした。小沢氏が欠席した会合では「なにぶん代表はシャイなもので……」と笑いをとる。「小沢代表は『政局顔』だけど、政策にも通じている」などと擁護することもあった。
昨年4月の日銀副総裁の同意人事では、小沢氏と衝突した。2度にわたって拒否した総裁人事への同意を決めたことで、党内では副総裁にも同意すべきだとの意見が大勢だった。不同意を主張する小沢氏に「幹事長を辞める覚悟だ」と迫ったが、説得に失敗。やむなく不同意で党内をまとめる鳩山氏に、同僚議員からは「幹事長が泥をかぶっている」と評価が高まった。こうした打たれ強さは持ち味だ。
7年前に代表の座を追われたのは、旧自由党との新党構想をめぐる党運営のブレが原因。しかし、最近は「目的が『小沢氏を支える』と『政権交代』に絞られている。頭が混乱していた代表時代に比べ、顔つきが変わってきた」(周辺)との指摘が出てきた。
祖父が元首相の故一郎氏、父が元外相の故威一郎氏という政治家一族。弟の邦夫総務相と合わせ総額100億円はくだらないとされる資産家。政権を投げ出して「ひ弱な世襲政治家」とされた安倍、福田両首相や、麻生首相にも通じるイメージだ。
しかし、就任後の会見で「親類縁者一人もいない北海道という新天地を政治家のスタートラインに置いた」と世襲批判を否定し、こう言い切った。「メール問題、大連立とか、この数年の間にもいろんな民主党の歴史があり、これを一つひとつ乗り越えてきた。そう簡単に気力がなえて、さじを投げる鳩山ではないことをご理解願いたい」