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Ⅱ 平野博文の政策と実績 ―21世紀の新しい日本を創る―1.行政・官僚の無駄遣いを一掃し、小さな政府を実現する

 小泉内閣は、財政再建を掲げながら、歴代でもっとも借金を増やした内閣である。内閣が成立した2001年の4月から、この2005年3月末までの間に、国の借金(国債及び借入金等)は536兆円から782兆円まで増大した。就任からたった4年で、実に246兆円もの増加である。国と地方を合わせた借金で見れば、その総額は、今年、遂に1000兆円を突破している。行政・官僚の無駄遣いを一掃し、小さな政府を実現する
 10年後の2015年にはどうなるだろうか。政府の現在の路線を継続する限り、国の借金は、国債残高(2005年度末で538兆円)だけで対GDP比率の150%を突破すると試算されている。この水準に達すると、国債の金利が上昇して加速度的に債務が膨らむ恐れが高く、財政再建は極めて困難となる。
  こうした状況に対し、小泉内閣は今後、サラリーマンを主な対象とした増税により財政再建を図ろうと考えている。財務省からは、10年後には消費税率19~21%が必要などという観測気球も上げられている。
 もとより、従来路線の継続は、近い将来、わが国が財政破綻することを意味する。しかし、国家財政がこのような窮状に追い込まれたのは、小泉内閣も含め、歴代の自民党政権と、官僚が続けてきた無駄遣いが原因に他ならない。加えて、増税を柱とする財政再建は、国民に過重な負担を強いるばかりでなく、経済成長を抑制して思うような財政再建を実現できない可能性が高い。
  国民の負担を最小限にとどめながら、財政破綻を回避するためには、持続的経済成長が不可欠であり、安易な増税に頼るべきではない。まずは、政府の無駄な支出を可能な限り削減し、小さな政府を実現することが必要である。
【これまでの取り組み】

1公務員制度改革

 高額な退職金・年金、身分保障など、公務員の恵まれた待遇に対する批判の高まりに加え、天下りや縦割行政の弊害、さらには機密費問題など省庁の隠蔽体質、政官業の癒着体質など、行政の制度疲労は目に余るものがある。
 2001年12月、小泉内閣は、公務員制度改革大綱を閣議決定し、公務員制度改革関連法案を提出することを決めた。しかしこの「改革」は、1各省庁の人事・給与決定権を拡大して省庁の縦割りを強化し、2天下りを原則自由化する、官僚主導そのものの内容であった。
 これに対し、平野博文は民主党に公務員制度改革プロジェクトチームを創設。事務局長に就任し、公務員制度改革の民主党案を取りまとめた。その内容は、1人事におけるキャリア官僚の特権や各省縦割りをなくし、業績に基づき内閣が一括人事管理する、2天下りは明確に禁止する、3特権的身分保障は廃止し、能力・実績主義を導入する、などを柱とするものであった。
 この案をもとに、平野含め民主党は、小泉内閣の公務員制度改革、中でも天下りの解禁を厳しく追及、事実上法案を白紙撤回させた。

 

2特殊法人改革

  平野博文はかねて、特殊法人が国会や国民の監視の目が届き難いのをいいことに、不必要な事業を展開して、多額の国の予算、郵貯簡保からの財政投融資資金を食い潰していること、公務員OBの報酬・退職金お手盛りなど無駄遣いの温床となっていることに疑問を抱き、独自に調査を行って国会で追及を重ねてきた。2001年には、「核燃料サイクル開発機構」の予算流用問題を解明して国会で追及、関係者の処分を行わせている。
  小泉内閣は、特殊法人に対する批判の高まりに対し、「廃止・民営化を原則とする」を看板に、特殊法人改革を閣議決定した。しかしその実態は、ほとんどの特殊法人を、「独立行政法人」と看板を架け替えるか、単純に合併させただけ(予算も単純合計)で温存する、全く中身のないものであった。
  平野博文は、一つ一つの法人について、このごまかしを国会審議を通じ明らかにしてきたが、さらに今年、党内に「特殊法人等改革推進本部」を設置。本部長代理を務め、特に特殊法人への天下り、役員の報酬等の特権にしぼって実体調査を進めている。

 

3公益法人の不正解明  公益法人とは、民法に基づき、省庁の許可を得て設立される法人であり、主務官庁が監督することを前提に、民間企業のような監査の義務を免除され、税制面でも優遇されている。しかし、実際には監視監督は緩く、財産隠し等の温床になっていたり、国の予算を無駄遣いする隠れ蓑となっているケースが少なくない。
  平野博文は、こうした公益法人の問題を、たびたび国会で追及してきた。2002年には、「自治体国際化協会」という財団法人に総務省が大量の出向者を送り込み、旅行会社と不当に高額な航空券を契約していることを解明し、総額1億7千万円の返還などの処分を行わせた。また、2004年にも、「世界青少年交流協会」という法人の補助金水増し請求を追及している。

 

4税の不公平の解消   サラリーマンの源泉徴収制度は、本来、戦費の確実な調達を目的として戦時中に導入されたものである。平野博文は、法律上は申告納税の原則が明記されているにもかかわらず、税の先払いともいえる源泉徴収・年末調整を強制されることは、サラリーマンを不公平に取り扱い、納税者意識を希薄にするものとして問題視し、国会で追及。源泉徴収を希望者制にすることを提唱した。

【平野博文の政策】

1官僚の無駄遣いを徹底削減する

  日本の財政は危機的状況にある。万一、国家財政が破綻に至れば、極端なインフレと増税、社会保障の崩壊、福祉・住民サービスの停止などで国民生活は崩壊する。以前、ネバダ・レポートと呼ばれる文書が国会で取り上げられたことがあるが、2001年にIMFが作成したとされるこのプログラムによれば、日本の財政状況は、公務員の給料カットなどはもちろん、年金の30%カット、所得はもちろん資産への大規模増税、預貯金の3~4割カットなどが必要な状態であるという。そして、小泉内閣4年を経た今日の財政状況は、当時よりも格段に悪化している。
  このような破滅を回避しつつ財政を再建するためには、単に毎年度の予算収支の赤字幅を減らすだけでなく、効果的な「明日への投資」によって持続的経済成長を実現し、国民経済の規模そのものを拡大していかなければならない。財政再建の財源を増税に求めることは、過大な負担で私たちの生活を成り立たなくするだけでなく、景気に致命的なダメージを与え、さらに増税が必要となる悪循環を生む危険性が高いのである。官僚の無駄遣いを徹底削減する
  従って、赤字補填と明日への投資に必要な財源は、増税ではなく歳出削減によって生み出すことが必要である。具体的には、公務員人件費2割削減、国会議員の削減(当面衆議院を定数80減、将来的には180減)などのほか、特殊法人、公益法人などへの補助金のカットを行う。公共事業も、国の直轄事業を中心に半減する。現在、国と地方を合わせたわが国の公共事業費は、二十数兆円、GDPの5%前後に達するが、先進諸国の水準は2%程度であり、半減しても十分な水準を保つことができると言える。官僚、族議員の既得権に囚われず、ゼロベースで予算を見直し、無駄な歳出を徹底して削減すれば、一般歳出47兆円(今年度)のうち、十兆円程度の削減は十分に可能である。
  なお、官僚と自民党が積み上げた日本の借金は、史上例を見ない規模であり、歳出削減努力だけでは財政再建が不可能である可能性は否定できない。この点、将来に渡って増税を行わないなどと約束することは無責任である。
  歳出削減と、経済再生による税収の自然増を以ってしても、財政赤字がなお危険水準にとどまる場合には、増税も検討しなければならない。しかし、歳出削減と経済再生に必要な期間も考慮すれば、この選挙により誕生する政権の任期中には、増税を行うべきではない(年金財源の保険料から消費税への転換を除く)。そして、増税を国民にお願いするにあたっては、政権の歳出削減努力が十分なものであったか、改めて総選挙により国民の信を問う必要があると考える。

 

2天下りと公務員制度改革

(1)天下り禁止こそ、官僚の無駄遣いをやめさせる最大の改革
官僚・行政による無駄遣いをやめさせる最大のポイントの一つは、天下りの禁止である。仮に「改革の本丸」などというものを選ぶとすれば、天下りの禁止は、郵政などとは比べものにならない最有力候補といえる。すなわち、天下りは、二重に退職金をもらうなど不当な公務員の特権としての側面を持つのはもちろんだが、それ以上の弊害として、行政の無駄遣いを生み出す構造問題という側面を持っているのである。
  天下りには、
1民間企業への天下りと、
2特殊法人・公益法人などの外郭団体への天下りの二種類がある。民間企業に公務員が天下ると、
a. 天下りを受け入れる業界に重点的に予算が配分されて、本来不要な事業に予算が回され、さらに
b. 天下り官僚のいる企業を優遇し、不当に高い値段で発注する、二重の無駄遣いが発生する。
また、外郭団体への天下りでは、
a.「公務員」には出せない何千万円という高額の給料や退職金が税金から支払われ、
b.天下り先を守るため、必要が無くなってもその外郭団体や事業を廃止しないばかりか、
c.天下り先の確保のため、さらに新しい団体を作って予算を配分する、などといった無駄遣いが発生することになる。

 

(2)天下り自由化を目論む小泉内閣
 こうした問題が明らかであるにもかかわらず、小泉内閣は、公務員の天下り規制の強化に踏み込もうとはしなかった。それどころか、民間企業に天下る際の人事院の許可すらなくし、天下りを各省庁が自由に決めていいという、とんでもない「公務員制度改革」を閣議決定し、立法化しようとしたのである。
  平野博文は、民主党の公務員制度改革プロジェクトチームを立ち上げ、責任者(事務局長)として最前線で活躍。天下り禁止を含む公務員制度改革の抜本改革案をまとめて党の政策とするとともに、国会でこの問題を徹底追及。天下り自由化法案の提出・成立を阻止してきた。

 

(3)公務員の天下りを禁止する
  官僚主導の自民党内閣、小泉内閣が続く限り、天下りはなくならず、行政の無駄遣いもなくならない。平野博文は、政権交代後、内閣の責任の下に次の改革を行う。

 

1)早期退職勧奨を廃止する

天下りをもたらす制度的な原因は、キャリア官僚の早期退職勧奨にある。中央官庁では、事務次官候補が決まると、同期のキャリア官僚の大半は50代半ばまでに退職する慣行が続いており、退職先の確保として天下りが容認されてきた。
しかし、民間では既に、年齢が下の者でも上司になることは当たり前であり、この慣行は前時代的である。定年まで雇用して適材配置することを原則とし、能力・意欲が十分でない者は、天下りさせるのではなく、降格して相応の職につけることを明確にする。

 

2)天下りの抜け道をふさぐ

現在、“在職中に関係のあった民間企業”への天下りは、退職後2年間に限り、人事院の承認が必要である。
しかしこの規制は不十分である。すなわち、現職時代に直接関係がなければ規制対象とならないため、ダム工事を発注する部署からダム工事会社への天下りは規制されるが、関連の道路工事会社等への天下りは自由であるし、国土交通省のほかの部署からの天下りも規制されない。また、退職後2年間は特殊法人などに籍を移しておけば、これも天下り規制にかからない。
天下りは、行政の無駄遣いを生み出し、国民の公務員への不信を招くものである。したがって、こうした恐れのある限り、原則として全ての天下りは禁止すべきである。公務員にも再就職して第二の人生を歩む権利はあるが、独立した第三者機関が問題ないと判断した場合にのみ例外的に認めることとする。また、「天下り」であるか否かにかかわらず、省庁が再就職を斡旋することを禁止する。

 

3)外郭団体への天下りも禁止する

特殊法人・独立行政法人・公益法人など政府の外郭団体への天下りについては、何らこれを制限する法律が存在しない。しかし、国家公務員が天下って、「役員」を勤めている公益法人は、現在、国が公表しているだけで2300法人、5859人もある。職員まで含めれば、この何倍もの天下りが確実に行われている。
税金の無駄遣いを無くすためには、こうした団体への天下りこそ無くす必要がある。したがって、これら特殊法人等への天下りも、法律をもって原則として禁止することとする。

 

(4)公務員の給与を民間並みに

国家公務員の給与は、民間の水準に準拠しているとされる。しかし実際は、現在は、50人以上を雇用する企業のみを調査対象としているため、零細民間企業は「民間の水準」として考慮されていない。
しかし、公務員の仕事は、高度な専門性を有するものから簡単な単純作業までさまざまであり、また、組織の規模も大小さまざまである。給与の基準を、中規模以上の企業のみに求めるのは誤りである。
したがって、国家公務員の給与水準を、改めて零細事業者も含めた全民間の平均を基準としたものに改定する。
また現在、公務員の給与は原則として、担当部署の規模や忙しさにかかわらず、また担当する仕事の質にかかわらず、採用区分と年齢により、基本的に同じ額を支給されている。これを、所属部署の仕事の内容、規模などに応じ相応の格差をつけるよう改め、より実態にあった給与体系とするとともに、公務員どうしの不公平感をも解消する。

 

(5)国家公務員を削減する

小泉内閣は、発足当初、国家公務員を10%削減すると公約し、昨年度までにこれを実現したと公言している。
しかし、これは真っ赤なウソであり、国民を騙すものである。この「削減」の中身は、特殊法人の独立行政法人化に伴って、「公務員」の定数から外した分(=人件費は相変わらず国庫からの交付金で賄われる)や、毎年の定期退職・新規採用における退職分をカウントしたものに過ぎない。100人退職して100人補充し、人件費を100人分払っているにもかかわらず、「公務員を100人削減した」と主張するのは、どう考えてもまやかし以外の何物でもない。
小泉内閣は、「これから5年間でさらに10%削減する」という方針を示しているが、この目標も、同様に公務員の純減を指すものではなく、明らかに国民を欺いている。
平野博文は、政権交代後、二段階で国家公務員とその人件費を削減する。
まず第一段階として、給与水準の引き下げと、社会保険庁などの無駄な職員の削減に着手し、国家公務員人件費を二割削減する(年6%、4年で二割)。
第二段階として、地方分権によって国の権限と仕事を地方に移譲することにより、不要となった国家公務員を地方自治体へ移管、ないしは削減していく。これにより、名実共に小さな政府を実現するのである。

 

3特殊法人(独立行政法人)・公益法人の無駄遣いを徹底削減

(1)特殊法人・公益法人制度を抜本改革する
  国の公表している数字では、特殊法人に交付されている補助金(交付金)は年間4兆円に達し、特殊法人(独立行政法人)・公益法人の無駄遣いを徹底削減これ以外に財政投融資(財投債)として、今年度は11兆円が貸し出されている。一方、公益法人への国からの補助金・委託金の合計も、約1兆円(補助金8028億円、委託費1702億円/平成14年度決算)に上る。なお、これらの金額は、各省庁から団体に直接交付されたものであり、第三者を経由したものは含まれていない。
また補助金以外にも、国民から直接お金を集め、無駄遣いしている団体は多い。通行料を徴収している道路公団は典型である。他にも、例えば資格試験や講習を独占し、検定手数料を集めているような公益法人は百社単位で存在する。その中には不当に高いと思われる手数料をとっているものや、多額の内部留保を蓄えているもの、資金の行き先がわからないものも少なくない。
  また公益法人は、省庁が監督することを前提としているため、会計監査等の第三者のチェックが入らず、また財務などの情報公開の義務もない。実際には、3年に一回程度、簡単な調査をするだけであって、その調査も利害関係をもつ官僚が行うため、客観性が期待できない。
  したがって、政権交代後は、これら特殊法人・公益法人については、その必要性を一から洗い直し、補助金の支給事務であれば省庁からの直接給付に改めるなどして、可能な限り廃止するべきであると考える。

 

(2)地方公務員の公益法人・公社への天下りの禁止
天下りの問題は、キャリア官僚だけの問題ではない。現在、都道府県所管の公益法人は約二万社存在するが、国の公表している数字だけで、その1/4以上(4971社・26.4%)の役員に地方公務員が天下っている(1万2584人)。国と同様、職員まで含めればその数はさらに膨大なものとなるはずである。
  地方公務員の扱いについては、地方分権の下では各自治体と地域住民が判断することが原則である。しかし、天下りの実態を解明できなければ住民の監視は及ばないし、地方公務員の数は国家公務員よりはるかに多い。
したがって、地方公務員の天下りないし再就職については、役員に限らず、厳格な情報公開を全国一律に義務付けるとともに、国家公務員同様、原則として天下りを禁止することを法律上明記することとする。

 

(3)特殊法人・独立行政法人・公社・公団等のファミリー企業の規制と天下りの禁止
  今年、道路公団の橋梁談合事件の発覚に伴い、道路公団が、ファミリー企業に役職員を天下りさせ、談合を主導していたことが明らかとなっている。道路公団にとどまらず、特殊法人がファミリー企業を設立することは常態化している。これらのファミリー企業は、その特殊法人からの委託事業を独占して高い利益を上げ内部留保を増やすだけでなく、しばしば利益を移転して資産を隠蔽したり、役職員がそこの役員や職員、株主などになって甘い汁を吸う手段として用いられる。
  一口にファミリー企業といっても、特殊法人が出資して設立したものや、役員を派遣しているような「子会社」として把握できるものだけにとどまらず、OBの個人名義で設立して事実上独占的に委託を受けている場合など、その存在すら外部からは把握が困難であるものが多い。
  特殊法人の無駄遣いを一掃するためには、まず、不要な官業は極力削減することは当然であるが、それと共に、ファミリー企業の設立を規制し、設立した場合は全て連結決算として、情報公開を義務付ける必要がある。また、特殊法人等から取引関係のある企業への天下りは全面禁止すべきである。民主党は、既にこの法案を提出している。
  なお、OB等の会社をファミリー企業とするケースに対しては、随意契約を禁じ、事業の委託・発注に当たり、競争入札と情報公開を義務付けることで対処する。こ
なお、郵政公社にもいくつものファミリー企業があるが、中身を伴わない民営化が、こうしたファミリー企業を利用した無駄遣いに対しする有効な対策とならないことは、道路公団の談合事件が実証した。また、民営化すると契約を公開入札とすることは困難であり、特殊法人等の民営化にあたってはこの点の当否を十分に検討しなければならない。

 

4特別会計の改革

  厚生年金特別会計や、道路整備特別会計をはじめ、各省庁は一般会計とは別の特別会計と呼ばれる財布を持っている。特別会計は、郵政を除いて31種類も存在し、その予算規模は単純な名目額の合計で387兆円にも達し、重複分を整理しても207兆円にも上ると計算されている(2004年度)。
  国の一般会計は82兆円であるから、名目で5倍近い規模の特別会計があることになるが、その収入は、道路特定財源のような独自財源だけでなく、各会計間の資金移動、民間からの借金など入り組んでおり、国会の監視能力を超えるだけでなく、財務省ですらその全貌をつかめない状態であり、特別会計は各省庁の聖域となっている。
  一般会計と特別会計を合わせると、国の予算規模は242兆円に上ると試算される。しかし、社会保険庁が年金特別会計を利用して、年金積立金をグリーンピア事業など様々な無駄遣いに浪費してきたことに代表されるように、特別会計の中には、削れる無駄遣いや、国民の知らない隠れ借金がたくさん隠れていると考えられる。
これらの特別会計の改革は、各省庁と利害関係のない民主党への政権交代により、はじめて政府一丸となった改革が可能となる。特別会計の実態を解明して徹底した情報公開を行うとともに、不要な特別会計は大胆に整理して、官僚の無駄遣いを一掃しなければならない。

 

5サラリーマン増税は許さない

(1) 6月に公表された政府税制調査会の報告書において、所得税の各種控除の廃止・削減を検討すべきとの見解が示された。具体的には、主に

1定率減税を完全に廃止し、

2配偶者控除・扶養控除・特定扶養控除などの家族を養うための控除を改廃すると共に、

3サラリーマンの必要経費として控除が認められてきた、給与所得控除を削減ないし廃止することを求めている。

これは、課税の公平を口実としているが、実際に計算してみれば、現在16兆円程度に過ぎない所得税収を、一気に11兆円も増やそうというものであって、これは単なる大規模増税以外の何物でもない。

 

(2)増税内容は、公平とは程遠いものである。

 

1)そもそも現在、サラリーマンの必要経費として申告が認められる費用は、通勤費、研修費、単身赴任者の帰省費用などごくわずかである。税調は、総務省の家計調査を根拠に必要経費は少ないと決め付けているが、この調査では平均的世帯の衣服費を2万円、理髪・クリーニング費を年1.4万円などと見積もっており、その内容はあまりに実態とかけ離れている。

 

2)給与所得控除は、サラリーマンと事業所得者の所得捕捉率の不公平の是正の性格をもっており、削減すればかえって不公平を拡大する。

 

3)配偶者控除は、世帯単位で見たときの、共働き世帯との控除額の均衡や、配偶者の家事労働への貢献を考慮して認められているものであり、こうした点の説明がなされていない。

 

4)高校生・大学生(16~22歳)の子どもを扶養している場合に認められる特定扶養控除について、特定年齢の子どもを優遇する合理性がないとしている。しかし、子どもがこの年代にある時にもっとも家計の教育費負担が増えることは明らかであって、廃止することにこそ合理性がないと言うべきである。

 

5)定率減税は来年から半減されることが決定しているが、税制にゆがみを生じているとして、これを全廃するとしている。しかし、定率減税はもともと恒久減税として導入したもので、ゆがみを生じているとの批判はあたらない。

 

 

(3)政府は景気が回復過程にあると主張している。しかし個人の所得に関しては、政府の統計を信用しても、小泉内閣誕生以来前年割れを続けてきたところ、ようやく前年比でわずか0.6%上がったに過ぎない。個人消費も、授業料の値上げなど教育費の支出増の影響を除けば伸びているとはいえない。
個人消費が伸びなければ景気の回復は持続しないし、個人の所得が増えなければ、いくらGDPが伸びようが、生活者にとっては景気回復と呼ぶに値しない。今回の増税を実施すれば、年収500万で25万円以上、同700万では50万円以上の増税となると試算される。景気がいまだ回復したと言えない現状において、個人を対象とする増税を口にすること自体が誤りである。まして、取り易いからとサラリーマンを狙い撃ちする不公平な増税など、絶対に認めるべきではない。

 

6税の不公平を解消する

税の不公平を解消するサラリーマンは、毎月の給与から所得税を源泉徴収され、また、年末調整制度による所得税の自動清算を受け、確定申告をしないのが原則となっている。源泉徴収・年末調整制度は、国にとって、民間企業の負担で税金を徴収でき、しかも取りはぐれのない大変都合のよい制度である。
しかし一方では、俗にクロヨン(所得の捕捉率がサラリーマンは9割、事業所得者は6割、農家は4割を意味する)と言われるように、ほぼ完全に所得を把握されているサラリーマンと、自営業者などとの間には、所得捕捉率に不公平があると指摘されている。政府は、所得捕捉率の格差は解消ずみとの立場であるが、納税者の実感から考えても、民間の調査結果からみても、実態にそぐわない見解と言うべきである。
源泉徴収制度は、サラリーマンの納税者意識を希薄化させ、税金の無駄遣いにつながってもいる。納税の原則は申告納税であって、サラリーマンだけが天引徴収を受けるのは不公平というべきであり、少なくとも源泉徴収の強制をやめ、確定申告といずれかを選択できるようにすべきである。
   

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