「家族計画」

 

家族計画───
それは赤の他人同士が生きるために結束する、互助計画。
モラルも考えも嗜好も異なる、
噛み合わない歯車のような彼らの行く末に、
果たして幸福はあるのだろうか?


第一回 第二回 第三回 第四回
第五回 第六回 第七回 第八回

「家族計画」攻略第1回。

物語は主人公・沢村司が謎の中国人少女・春花(チュンファ)を拾ったところから始まりました。春花の持っていた薬のせいでいきなりヤってしまったのはまぁいいとして(いいのか?)、何者かに狙われているらしい春花を何となく成り行きで匿う司。

そこに突然押しかけるように現れたのは広井寛なるオッサン。このオッサンがまた最高に面白い。タダ飯を食らうだけのくせに妙に説得力があったり、時にはめちゃくちゃ強かったり、かなりバカだったり。その後春花を狙う者によって(?)住んでいたアパートが倒壊してしまった3人は住む場所を無くし、そして次々に似たような境遇の人間と出会っていきます。

自殺しようとしていながらもどこかとぼけている元人妻・真純。若い身空で学校に通いながら放浪の生活をしている末莉。住むところの無い彼等は一時期空家だと思って住んでいた家を間借りしようと持ち主・青葉と交渉。大企業の令嬢でありながらそこから飛び出した青葉はその家に関して金銭的なトラブルを抱えていて、その問題を司は旧知である準の協力の元に解決します。

誰も彼もが何かを抱えている7人。寛は互いに助け合いながら生活する『家族計画』を提案しました。無邪気な末莉や春花、真純は大喜びですが司は大反対。司は両親の顔も知らず、人は1人で生きていくという信念があったのです。人間は所詮一人なんだ、と激昂する司。そんな司を説き伏せた……と言うより命を張って『家族計画』に承諾させたのは普段は明るくとぼけている末莉でした。もう寂しいのはイヤだ、と。そうして始まった『家族計画』。父・寛。母・真純。長男・司。長女・青葉。次女・準。三女・春花。四女・末莉。こうして奇妙な共同生活が始まったのでした……。

 

と、ここまではプロローグ。

はっきり言って名作の予感がバリバリです。既にここまで来るのに爆笑すること数知れず。そのくせシメるところはシメる。さらにヒトクセもフタクセもありそうな奴らばかりの共同生活……これは期待せずにはいられません。既に自分がこの作品にハマるであろうことを確信しました。

最初は春花からいこうと思っていたのですが(あまりに可愛いので)、登場するキャラ登場するキャラ全てが見事に魅力的です。いやマイった。これはマイりました。悩んで悩んで悩んで……初志貫徹、まずは春花からいくことに。母親を探している、という春花。一体どんなストーリーが待っているのか……。

以下次回!!


「家族計画」攻略第2回。

春花狙ってGoGoGo!! ……と思っていたのですがプレイ中に大里朋さんからメールを頂きました。『春花は最後に』と。春花を最初にクリアするとイロイロとその後のプレイに支障をきたすとのことでした。ご親切にありがとうございます。ご忠告、従わせて頂きます。先人の言うことはよく聞いておけ、と仁和寺の坊さんも言ってますし。

そんな訳で最初からやり直し。まだ春花のシナリオに入っていなかった(と思う)のでよかったです。微妙に違う選択肢を選びつつ、既読スキップ最大活用。ちなみに改めて栄えある最初のターゲットとなったのは長女・青葉です。屋敷の持ち主であり、孤高の精神の持ち主でもあります。華麗なるクール(ダーク?)ビューティー青葉。彼女が一度口を開けば相手を地獄の底まで叩き落し、彼女が一度筆を取れば奈落の底まで突き落とす……そんな青葉です。

屋敷に同居するための説得をする際に司は青葉に気があることになってました。そのため微妙に青葉に対して地位が低い司。まぁ例えそんな設定が無くても青葉は勝手気侭・自由奔放・唯我独尊に暮らしていると思いますが。でもそんな青葉も寛のことはどこか認めているんですよね。一目で只者じゃないと見抜いたそうです。明らかに只者ではありませんが、確かに寛には大きな秘密がありそうです。青葉は『本当の家族』から逃げてきたけどまだ未練があるのだろう、と寛について推測していますが……どうなんでしょ?

とにかく決して他人とは馴れ合おうとはしない青葉。以前から人の(男のだっけ?)汗が異常に苦手だったりとやや不審な点がありましたが、ある時司は決定的な青葉の秘密を知ることになりました。実は青葉は薬物を使用していたのです。それは過去の話とは言え青葉は今も禁断症状に苦しんでいました。醜態を見られた、と青葉は言いますが司は過去にはこだわりません。ましてや自分達は『他人』だから。それでも青葉なりに多少は打ち解けてきている……と思うのは気のせいでしょうか。

 

他にも春花が初めて働いたり、末莉がちょくちょく頑張りすぎで倒れたり、真純の前の男らしき人物が現れたり、準とヤっちゃったり妹が現れたり……とにかく波乱万丈ですが一番の謎は寛の存在です。

一体この先クリアまでどのくらいあるのかわかりませんがまだまだ道のりは長そうです。最早完全にこの『家族計画』の世界に取り込まれてしまいましたし、焦らず気長にやっていきますのでもうしばらくお付き合いくださいませ〜。


眠い!! 眠いよ!!!

そんな訳で一気に青葉シナリオをクリアしてしまいました。気付くと朝の4時。翌日は至って普通に会社です。そんな自分が好きです。

いや〜、もう先が気になって気になってやめるにやめられなくなってしまいましたよ。これはもう間違いありません。『家族計画』……キました。まだ青葉をクリアしただけでもわかります。断言できます、『名作』だと。

 

とりあえずざっと青葉シナリオを振り返ってみます。

波乱万丈ながらも少しずつ絆のようなものができかけていた『家族計画』。でもそんな『家族計画』も春花を追う中国マフィアが現れたことにより破綻への道をたどります。付けねらわれ、さらには襲われる高屋敷一家。そんな中準が去り、真純が去り、春花が去り、そして正気を取り戻した寛さえも去り……残ったのは司と青葉と末莉のみ。一度は崩壊しかけてながらも何とか続けることができた『家族計画』でしたが、既に限界がきていたのです。俺的には「本当の家族」の元へ帰る、と言った寛に殴りかかった司が痛くて痛くて……ああ、司もこの高屋敷家に『家族』を感じてきていたんだなぁ、と。それはきっと黙って殴らせた寛も同じで。もちろん高屋敷家を出て行ったみんなは簡単に出て行った訳ではなく、悩んで悩んで、そして謝罪と感謝と共に出て行ったのです。それだけでもこの『家族計画』は意味があったのだと思います。

そして残った末莉はただひたすらに健気に頑張り、青葉はただひたすらに庭を掘り返すのみ。そうこうしているうちにも高屋敷家は中国マフィアに狙われます。最早春花だけの問題ではなくなっていたのです。そんな中司は末莉のことを思い、わざと冷たくすることで末莉を家から追い出しました。それが司の優しさです。もっとも末莉はずっと屋根裏に隠れていたのですが。

青葉は周囲のことはまるで目に入っていませんでした。青葉の目に映っていたのは過去の思い出だけ。自分に優しくしてくれた祖父の思い出だけが青葉を突き動かしていたのです。何かに取り憑かれたように庭を掘り返し続ける青葉。司はそんな青葉に自分が出来る事を考えます。いつのまにか司は青葉に惹かれていたんです……がそれがいつからなのかは不明。一体どこに惹かれたのかも不明。司は自分に似ている青葉に何かを感じたのかもしれませんね。実際屋根で休んでいる司のところにたまに現れる青葉は素敵でした。と言うか惚れました。

そして青葉の昔の日記を読んだ司は1つの事実に気付きました。祖父に愛されていた子供時代を綴ってあったその日記は全て青葉の書いた虚構の世界だったのです。実際には全く相手にされずに1人で寂しく過ごした子供時代を鮮やかに彩るために改ざんされた記録。両親から疎まれ、蔑まれてきた青葉。大会社の娘に生まれたがために政略結婚の道具にされ、全く人間として扱われてこなかった人生。それは実家の会社が倒産し、両親が自殺したと言うニュースを見て狂ったように笑っていた姿からも想像ができます。

孤独だった子供時代を過ごした青葉。それを司に見抜かれ、『事実』を受け入れた青葉は司に対して多少は心を開いたようでした。しかしそれはまだ『真実』ではなかったのです。

壊れて、修理されて、でも飛ばない竹とんぼが青葉の祖父の机に入っていました。そこから司が導き出した『真実』。それは青葉が本当に祖父に愛されていたと言う事。青葉と愛し愛されることでいつか青葉に訪れるであろう悲しみから守ろうと祖父は距離を置いていたということ。それを知った青葉は本当の家族の愛を知り、司の愛を知り、司への愛を知りました。そして司も青葉と同じでした。司を捨てたと思われていた両親は司のかばって事故に遭っていたのです。母親は先に亡くなり、父親も司を悲しませまいと怠けているふりをして入院して司の前から姿を消して……亡くなっていたのです。青葉にすがり付いて涙を流す司。

翌日、司と青葉は生涯を共にすることを誓いました。そして結ばれた2人。

「……あなたを、愛することにするから」

ああ、なんて青葉らしい言葉なんでしょうか。2人は一心同体です。思えば今まで『家族』と言うものから一番遠い場所にいた青葉でしたが、それだけに『家族』というものを求める心は強くなったのでしょう。2人は貪欲なまでに互いを求め合います。なんて言うか、ここまでHシーンが必然だと思えたシーンはそうは無かったと思う俺です。

 

強いながらも優しい口調で司に対して真っ直ぐで強い愛情を注ぐ青葉。その気持ちを真正面から受け止める司。そんな2人の生活は長くは続きませんでした。ついに中国マフィアが本腰を入れて高屋敷の家を襲ってきたのです。寛の残して行ったボーガンやスタンガンなど持って屋根裏部屋に隠れた2人でしたがそこにはあろうことか、末莉の姿が。そして末莉のたてた音を聞き逃さなかったマフィア達が屋根裏部屋に乗り込んできました。善戦する司や青葉でしたが銃には勝てず……しかし司と青葉は互いに相手が傷つくことに最も怒りを感じる人間でした。キレる司にキレる青葉。特に銃で撃たれた司を見て青葉は冷徹にマフィアを殺そうとまでするほどに我を忘れていました。怖い、怖いけど……そこには青葉の司に対する愛を感じます。お兄さん感動です。

逃げていったマフィアがイタチの最後っ屁とばかりに屋敷に火をつけていきやがりました。逃げようとする3人でしたが1階にまで火が完全に回っていてどうにもならない状態。2階の窓から木に飛び移れば助かるかもしれない……けど今の司にそんなことはできません。見詰め合って、互いに全てを理解した司と青葉。2人は末莉に2階から逃げるように言いました。当然自分だけ逃げることに抵抗する末莉ですが、叱りつけるように逃げさせると炎の中に残ったのは司と青葉だけ。もうすぐ死ぬと分かっていても司の心は穏やかなもので満ちていました。なぜなら最後に青葉と共に幸せを感じることができたから。そしてそれは青葉も同じ。

「己の死より、恐いものがあるの」

ああ、なんて青葉は格好いいのでしょうか。2人はそのまま死を迎え……ません。炎の荒れ狂う家の中に現れたのは春花と寛。ジープでトイレをぶち破って救出に来てくれたのです。外に出ると準や真純、司のバイト先の店長代理である劉さん(この人も謎だらけだよな)まで。みんな来てくれました。そして救急車で運ばれる司。

「司、生きなさい」

「あなたが得損なった愛情を……私が全て注いであげるから」

ああ、なんて青葉は司を深く愛しているのでしょうか。その後病院に運ばれた司は一命をとりとめ、ベッドの上で目覚めた後は青葉とキスを交わします。

「おかえりなさい、司」

ああ、なんて(以下略)。ちなみに他のみんなのその後ですが、春花は劉さんの店で働くことになり、準は妹である景と一緒に自分の育った施設の建て直しに奔走し、そして寛と真純はくっつくことに。寛は家族の元に返ったものの三行半を突きつけられてまた変になっちゃったんだとか。真面目な寛もいいけどやっぱり寛はこうでないと(笑)。そしてあぶれたのが末莉。司と青葉は青葉の祖父が残してくれた田舎の家に行くことになっていましたが、司はあぶれてしまった末莉も一緒に来るよう誘いました。自分のせいでマフィアに見つかってしまったことを謝罪したら司に「家族だから迷惑かけて当り前だ」と言われ、さらに一緒に暮らさないかと誘われて……末莉は本当に嬉しかったことでしょう。でも末莉はその誘いを断ります。そしてみんながまた一緒に暮らす【真・家族計画】を推進することに。末莉は強くなりました。他人に依存することで生きてきた末莉でしたが、この【真・家族計画】はそんな裏の意図などなく、ただただ『家族』と暮らしたい、という願いの込められたもの。

 

1年後、司と青葉は田舎の家で暮らしていました。青葉の祖父が冷たい記憶のある高屋敷家ではなく、自分自身の生まれ育った田舎の家を青葉に残したのは本当に青葉を愛していた証拠でしょう。その暖かい家で穏やかに司と青葉は寄り添っていました。すっかり険のとれた青葉は何故か和服姿(元々日本的美人な青葉でしたが何故和服になった途端にパーマをかけちゃったんでしょう……)。

「おべんちゃらを使わなくても、ちゃんと愛してるわよ」

険がとれても青葉はやっぱり青葉。刺々しさが無くなっても司は青葉の尻に敷かれっぱなし。そして末莉の【真・家族計画】は難航しているようでした。この1年、誰もこの家を訪ねてくることは無かったのです。

「心配しないでも、みんないつか来るわよ」

「だって、ここは高屋敷なんだもの」

末莉の頑張りに期待しよう、と言う司に「考えてもみなさい」と青葉。

「……やつら、一人で平穏に暮らせるようなタマじゃないわよ」

青葉もやはりあの暮らしを待ち望んでいるのでしょう。そして青葉との生活に確かな幸せを感じる司はその想いを自分を愛してくれた両親に……

 

絆が、できました−−−

 

 

と言う訳で青葉シナリオクリアー!! おめでとう俺!! ありがとう青葉!!

いや〜、面白かった。本当に面白かった。そして感動しました。涙あり、笑いあり、感動あり。そして『家族』あり……。ずっと『家族』という繋がりを否定してきた司と青葉が手にした確かな絆。よかった……本当によかった……。

 

初プレイを通して全体的な感想を。

ボイスが無いのは全く気になりません。それはそれだけテキストが優れているからに他ならない訳ですが、これって「加奈」と同じ山田一氏のシナリオなんですよね。流石としか言い様がありません。「加奈」における緻密な心理描写が今度は『家族』というものに対する描写として如何なく発揮されてしました。キャラクターも全員が全員個性的で魅力的。シナリオも抜群。音楽も完璧。CGも作品の雰囲気にピッタリ。……文句の付け所がありません。

 

青葉をクリアしたらメニュー画面の高屋敷家に青葉が登場しました。門にたたずむ青葉ですが、クリアするとそのキャラがメニュー画面に追加されていく、ってことでしょうか。それはつまり全員クリアして初めてみんなが家族になれるってことかな、なんてのは考え過ぎですか? さて次は誰を攻略いたしましょうか。


「家族計画」第4回。今回の対象は次女・準でございます。

 

準は司と高屋敷家の中で唯一過去からの繋がりがある人物です。それも普通の友人ではなく極めて特殊な。学生時代2人はクラスメートであり、当時から人との付き合いが少なかった司とクラス委員だった準は肉体関係にありました。司がバイトして稼いだ金を準に渡すことで成立する関係……それすらも当時の司は確かな絆を感じており、結局準に手酷くフラれる形になったため司はそれ以降現在のように完全に人との繋がりを拒絶するようになっていたのでした。

そんな準との生活が上手くいくのかと最初の頃は心配したものですが、2人の関係は徐々にイイ感じになっていきます。ほとんど……と言うより全く感情を表に表さない準でしたが、それでも司は冗談を言えたり軽口を叩けたり。

そんなある日司は1人の人物と出会いました。それは久美景なる学生時代の知り合いで、実は準の妹。現在は親のいない子供の養護施設で働く明るい笑顔の女の子です。その施設の小さな娘に何故か好かれた司は景も交えて3人でデート(?)。その後高屋敷家に帰ってきた司に突然「お金が欲しい」と言いながら迫ってきた準。激情に流されるように交わる2人でしたが何故準がこんなことをしたのかは後々はっきりました。

その後は青葉の時と大体同じようなパターンで家族計画は崩壊していきました。春花を狙うマフィア。そして準は去っていきました。自分のせいで家族計画が崩壊してしまったのだと。実は準はお金が必要になり(施設に送っていた)、春花がマフィアからギってきた薬を売り飛ばしていたのです。それで春花の居場所が発覚し……という訳。

「わたし、ここで人間になれた気がする」

最初は引きずられるように家族計画に参加していた準でしたが、やはり高屋敷家で確かな絆を感じていたのです。そう言ってもらえるとこっちも嬉しいです。司は真純の貯金通帳を準に渡しました。全てが片付いたら戻ってくる、と言い残して去っていった準。その後正気を取り戻した寛。ますます激化するマフィアの行動に寛は家族計画の終了を宣言。「本物の家族の元に帰る」という寛に殴りかかる司……やっぱり痛いです。司以外の人間にはそれぞれの身の振り方を提案するだけでなく、ちゃんと居場所まで用意してから末莉を連れて去っていった寛。やる時はやる男です。そして春花も去り、真純も去り、高屋敷家に残ったのは司と青葉のみ。

そうしている間にも司は準を探し続けていました。母校で仕入れた薬の売人としての準との連絡方法である駅の伝言板にメッセージを毎日書き続ける司(シ○ィーハンター?)ですが一向に準と連絡を取り付けることはできません。そうしているうちに養護施設は経営難から廃業。景は園長と共に民家で子供たちの引き取り先を探しながら暮らしていました。

そして高屋敷家は放火されて火事に。行くあての無くなった司はたまたま景と一緒に暮らすことになりました。それはそれで楽しい生活。でもそのまま司がそこにいることに景は異議を唱えます。一緒に居て欲しい。でも司の気持ちは他にあったから。子供の頃、両親に虐待されていた準と景。父親からの性的虐待に、それに伴う母親からの肉体的虐待。それが元で気持ちまでもが離れ離れになってしまった姉妹。さらには景の分まで母親の作った毒入りのシチューを飲んだことにより人の作ったものを食べることができなくなっていたのです。準と心が離れてしまったことを泣きながら悔やむ景。司のやるべきことはタダ一つ。

 

ボロボロの準はお金を全て施設に託し、既に生きる意志までも失っていました。ただ身体だけが空腹を訴えるのみ。食べることすらできやしないのに……と準は自嘲。浮かんでくるのはそのような自嘲めいた想いと司への想い。そこで強烈に湧きあがってきたのは生への衝動。ただ「生きたい」と。そんな準を支えたのは司でした。どこにも行くあてなど無かった準はいつの間にか高屋敷家跡地に来ていたのです。さらには春花の姿も。そして春花は言いました。全部許す、と。準がみんなを裏切ったことも、春花の薬を売り払い家族計画崩壊を招いたことも、それらを悪いことだと全て認めた上で「許す」と。それは準が解放された瞬間。

さらにゾクゾクと終結してくるキャラ達。去っていった家族計画の面々から施設の園長さん、そして最愛の妹である景。そして家族計画は再発動しました。新しいアパートを借りてまた一緒に生活を始めることになっていたのです。新居では真純達が多くの料理を用意して待っていました。それらを勧められて準は戸惑います。食べ物を拒絶してしまう身体と心。ここでそんなことをしてしまったら何よりも自分自身が自分を許すことができません。助けを求めるように司を見る準ですが、司は食べるように勧めてきます。怯えるようにスプーンを口に運ぶ準。口の中に広がる豊潤な味わい。二口、三口とそれは進んでいき……食べ物の拒絶は起こりませんでした。それは当たり前です。何故なら毒なんて盛られるはずがないことを準の身体も心も理解しているから。涙を流しながら食べる準。それは準が本当の『家族』を手に入れた瞬間。お金よりも何よりも、最も欲していた『家族』を……。

 

 

よかったぁ!! 本当によかったぁぁぁ!!!

 

今までの人生でいいことなんて何も無かった準。唯一の思い出である司との情事も、景との生活も、全てが自分を苦しめるだけだった準。そんな準が本当に求めていたものを手に入れることが出来たのです。そりゃ泣くっちゅーねん!! ああ、泣いたよ!! 最後の方なんてボロボロだったよ!! 準にも負けないぐらいなぁ!!!(←逆ギレ)

今まで失っていたモノを取り返すのは難しいかもしれません。多くの困難が待ち構えているかもしれません。でも準なら大丈夫です。司がいる。景がいる。何より家族がいる……。『家族計画』万歳!!!


お次は高屋敷家の母親役・真純です。青葉・準と来て真純とアダルトチームばかりを攻めているのに他意はありません(笑)。

母親役と言っても特に頼れるよな存在ではなく、逆に司には頼ってばかりの存在の真純。金銭感覚が無に等しいし、ちょっとしたことで鬱状態になるし、年齢のことですぐに落ち込むし。そんな真純は去年まで29歳。微妙なお年頃の三十路です。

そんな真純も徐々に高屋敷家の中では母親役が板についてきていました。少なくとも末莉にとっては立派な『母親』だったと思います。しかし真純には暗い過去の影がありました。真純と婚約しながらも結婚は引き伸ばし、真純が溜めていた結婚資金をことごとく使い果たし、お金が無くなったと思ったら真純から離れていく……そんな腐った男が。そのクソ野郎は真純からさらにお金を引き出そうと高屋敷家の周りを付きまといます。男の狙いは真純の母親が唯一残した300万円の通帳。それはただのお金ではなく、真純にとってはかけがえの無い形見であり、使うぐらいなら死んだ方がマシとまで思っていたものです。しかし真純は男を突き放すことができません。思うに真純は結婚とホンの少しの幸せな記憶をネタにお金を吸い上げられる典型的なヒモに騙されるタイプなのでしょう。そこには必死で自分の幸せのために頑張ってくれて、そして死んでいった母親のためにも幸せにならなくてはならないという想いもあったのです。そんな真純を見てどうにもすることが出来ない自分を恨めしく思う司。

その後中国マフィアが登場。準が消え、寛が末莉を連れて去り、青葉も疲労と日射病で入院し、高屋敷家に残ったのは司と真純の2人きりに。そして放火。居間から中庭に飛び出そうとした2人に襲い掛かる炎。とっさに真純を先に外へ突き出した司は崩れ落ちてきた屋敷の下敷きに。死すら意識した司を助け出したのは腕の火傷も省みなかった真純でした。ああ、真純はこんなにも司のことを想っていたんだなぁ。

入院した2人は退院後一度は別々に生活しようとしましたが両腕が使えない真純を放っておける司ではありません。……いや理由は他にもあったのでしょうけど。とにかく腕の火傷が治るまでは一緒に暮らそう、と司。こうして2人の生活は始まりました。

両腕が使えないため普段の生活すらままならない真純をかいがいしく世話する司。それはお風呂からシモの世話まで。それは楽な生活ではなかったでしょうが、司にとってはある意味満ち足りた生活だったのでしょう。しかし真純の火傷も癒える日がやってきます。リハビリをこなせば生活に支障は無い、と火傷の跡が残ってしまった自分の腕を見つめる真純の表情は晴れません。火傷が癒えると言う事は司との生活の終焉を意味していたからです。しかし司は言いました。その火傷の跡が消えなければ火傷が治ったとは言えない、と。火傷の跡なんて消えないかもしれない。そうなったらずっと一緒にいなければならない。そう言う真純ですが司もそんなことは百も承知です。なぜなら火傷のことなど単なる言い訳や理由付けでしか無いから。

真純は例のクソ野郎と対峙しました。まだ真純が自分のところに戻ってくると思っているクソ野郎に通帳を突きつける真純。その真純を想っているなら決して手を出すはずのない通帳に卑下た笑みと共に手を伸ばすクソ野郎。そんなクソ野郎に真純は言いました。

「今まであなたがわたしに対してした事を全部許します」

「けど、もう二度と私の前にあらわれないでください」

それは弱かった自分との決別の言葉。本当の幸せを求める決意表明。そして結ばれた2人。22歳と30歳。そんな年齢差も2人には関係ありません。真純は母親が残してくれたかけがえの無い300万円で『勉強』したと共に司との幸せを買ったのです。

「ずっと可愛がってね、ツバメさん」

 

その腕の、尊い火傷にかけて−−−誓った。

 

数年後、司と真純の間には可愛い女の子が生まれていました。そして一緒に暮らしているのは高屋敷家の面々。事業家である寛に秘書の準。その苛烈な性格故になかなか仕事が長続きしない青葉。そして春花や末莉も。そこは火事で焼け落ちた高屋敷家のあった場所にもう一度建てられた高屋敷家。明るい家庭。確かな絆と幸せ。真純の願い、母親の願いは叶いました……。

 

 

と言う訳で真純シナリオクリアーです。青葉シナリオや準シナリオと比べるといまいち印象が薄かったような気がしましたがクリアしてみるとそんなことはありませんでした。【結婚詐欺→破産→自殺】という地獄のフルコースを経験してきたにも関わらず純粋で素直な真純が幸せを求める姿は涙を誘います。亡き母親への想いや懺悔。そんな真純の心の叫びには胸が痛みました。共通部分の司が真純の通帳を盗もうとしてしまうシーン、ここは毎回見ているにも関わらず涙が出てきてしまう俺です。虚像とも言うべき『幸せ』にすがってきた真純が司と共に掴んだ本当の幸せと家族。もう決して手放すことは無いでしょう。

まぁそれとは全然関係無いのですが。この『真純』と言う名前には個人的に苦い思い出がありまして。最初名前を見た瞬間からさりげなくブルーでした(笑)。


「家族計画」第6回。今回は四女にて末っ子の末莉です。

18禁ゲームの宿命上年齢は明らかにされておりませんがおそらく末莉は中○生。しかも身体は小さくて初潮もゲーム中に向かえるというロリっ娘ぶりです。司もそこに苦しむ宿命にある訳ですがそれはもう少し後のお話。末莉は高屋敷家の中でも最も露骨かつ真剣に『家族』を求める存在です。寛が計画を提案した時も真っ先に賛成しましたし、計画に反対する司を身体を張って引き止めたのも末莉です。

その訳は末莉が送ってきた人生にありました。決して長いとは言えない人生において末莉は辛く悲しいことを経験し、強く人との繋がりを求めるようになっていたのです。常に浮かべている愛想笑いは末莉なりの処世術であり、それは切実なまでに生きることそのものを目的としていました。いつもケンカばかりで末莉に対して冷たくあたっていた両親。それでもいてくれるだけでよかったと思えるような生活。しかしその両親は離婚し、さらには亡くなってしまった末莉は親戚の家に預けられましたがそこも決して末莉にとっては安住の地にはなりえません。後に出てくるこの親戚連中ははっきり言って万死に値します。ここまでムカつく連中も珍しいです。ゲームに出てくるどんな悪役も霞むぐらいの最悪っぷり。まぁその辺も後程。

自分が『いらない子』にならないためならどんな無理も厭わない末莉は度々身体を壊しました。その度に注意されるのですが決して無理をやめようとしない末莉。「おにーさん」と慕ってくる末莉を司は最初煙たがっていましたが、自分でも気付かないうちに『守るもの』へと見方が変わっていくことに。それをはっきりと認識させるきっかけとなったのは末莉の家出でした。青葉に誤って煮えた味噌汁をかけてしまい軽い火傷を負わせてしまった末莉は高屋敷家から姿を消しました。中国マフィアに狙われて不安定な高屋敷家ですが司は末莉のことを探しつづけます。一度は出て行った準に依頼することで見つけた末莉は親戚の家にいました。学校の登校日に末莉を待ち伏せた司が見たものは親戚と思われる良太なるクソガキと一緒にいる末莉でした。どう見ても嫌々従わされている様子の末莉でしたが末莉自身の言葉で親戚の家に留まることを選びます。

毎晩かかってくる末莉からの電話。楽しげに話す末莉ですが無理をしていることが司にはわかっていました。そこである決心の元、児童問題の専門家とも言うべき養護施設の景に同行を依頼して末莉の親戚の家に向かった司が見たものは性的嫌がらせを受ける末莉の姿でした。一瞬で頭に血が上る司に冷静になるように諭す景。末莉は親戚のクソガキに言われるがまま。この時点でこのクソガキの両手両足を切り落とした上で便所に転がして『人豚』と呼んでやりたい衝動にかられる俺。クソガキを追い払った司は末莉を預かっている親戚夫婦を伴って高屋敷家に。

高屋敷家の代表として寛がクソ夫婦との交渉にあたりました。末莉を引き取りたい、と。しかしクソ夫婦は口をそろえてそれを断ってきました。それは末莉に愛情があるためではなく、クソガキに与えた玩具として末莉を見ていたからに他なりません。もうこいつらは時間無制限の油風呂(by民明書房)にでも肩まで漬かっててください。その様子を見守る司を始めとした高屋敷家の面々に沸きあがる怒り。末莉のいる目の前で末莉の両親と末莉自身の悪口をたたき出すクソ夫婦は春花でさえも気分が悪くなるほど。怒りを抑えて司がクソ夫婦に差し出したのは真純の通帳からおろした300万円の札束でした。それで末莉を引き取る、という寛ですがクソ夫婦はさらに高額を要求。そしてとうとう司がキレました。自分でも何を言っているのか分からなくなるほどの罵詈雑言を叫ぶ司。それを的確かつパワーアップさせてクソ夫婦に通訳したのはずっと黙って見つめていた青葉でした。もう後半はほとんど伏字になるほどの毒舌っぷりがスゴイことスゴイこと……惚れ直しました。トドメとばかりにクソ夫婦とクソガキの虐待が法に抵触(というかバリバリのベタベタ)することを告げる景と、末莉による大嫌いだという言葉、さらにその金で手打ちにしてやると言ってるんだ、とスゴむ寛。父親の威厳炸裂です。クソ夫婦は去っていきました。できればそのまま地獄にでも旅立ってくれればコレ幸い。

とにかくこうして末莉は帰ってきました。親戚の家から奪い取った末莉にはもう帰る場所はありません。司は末莉を本当の家族……妹とすることにしたのです。めでたしめでたし……なのですが平和は長く続きません。こうしている間にも中国マフィアの攻撃がいつやってくるかわからないのです。家族として末莉が帰ってきたにも関わらず一人また一人と減っていく高屋敷家の面々。残ったのは青葉と司、そして末莉のみ。その頃になると末莉は司のことを兄としてではなく、異性としての好意をはっきりと示すようになっていました。夜這い(?)にやってきた時などは司も末莉の顔の美しさに気付き、我を忘れかけたほどです。準が最初に指摘し、青葉が青葉シナリオでヤキモチを焼いていた末莉の美しさが証明された瞬間でした(笑)。司はそんな末莉を拒絶しました。妹として共にいることを誓った末莉に対してやましい気持ちを持つことを自ら諌めたのです。しかしそんな司の行動と思いは最早末莉を傷つけるだけ。ますます危なくなってくる高屋敷家を出る決意をした司は一緒に出るよう伝えますが末莉はそれに答えません。諦めたかのように、そしてどこか後ろ髪を引かれるように高屋敷家を出た司は数日間安い宿を転々としていました。

数日後、公園で出会ったのは屋敷を追い出された青葉でした。中国マフィアなどキナ臭い噂の絶えなかった高屋敷家に対して周囲の住民が立ち退きを要求してきたためです。抵抗した青葉ですが何しろ多勢に無勢。結局追い出されて公園まで来たことろで司と出会ったのです。末莉はどうしたのかと言うを未だ自分の部屋に閉じこもっているとのこと。末莉を置いてきた青葉を責めることなんて司にはできるはずもありませんでしたが、とにかく2人は屋敷へと向かいます。

そこで見たのは燃え盛る高屋敷家。司と青葉は水を被ると炎の中へと突っ込んでいきました。手分けして末莉を探す2人。鍵のかかった末莉の部屋のドアに体当たりして中に突っ込んだ司の目に飛び込んできたのは末莉が倒れている姿でした。抱き上げると呼吸をしていない……呆然とする司。こみ上げてくるのは果てしない後悔の念。どうして意地をはったりしたのか。どうして一緒に連れていかなかったのか。どうして末莉を受け入れてやることが出来なかったのか……。末莉を抱き上げながら動くことすらできない司に覆い被さるように落ちてきたのは炎に包まれたカーテン。まともに受ければタダではすまないであろうそれを避けようともしない司。しかし燃え盛るカーテンは司まで届きませんでした。青葉です。青葉が自分の左腕でそのカーテンを受け止めたのです。結果青葉の左腕は炎に包まれましたが青葉はそれを振り払おうともせず司に言いました。

「司、あなたに恩を売ってあげるわ」

「……生き残って、死ぬ気で返しなさい」

ああ、青葉はなんてカッコいいのでしょうか。もう最高。もう最高。もう最高!! 青葉の発破により末莉と共に窮地を脱した司。早々に気を失っていた末莉はあまり煙を吸っていなかったらしく人工呼吸によってすぐに息を吹き返しましたが、青葉は死の一歩手前まで行きかけるほどの重傷。結局司ともども入院となり、司は青葉の下僕として生きる人生が決定。うらやましいです(←問題発言)。

司は退院後末莉と一緒に暮らす生活を選びました。それも末莉が昔両親と住んでいたアパートの同じ部屋で。しかし2人はどんな関係として暮らすのか……それが一番の問題でした。改めて自分の気持ちを伝える末莉に司は時間を要求。一緒に暮らして、末莉が学校に通って多くの人達と出会って、それでも自分に対する気持ちが変わらなかったら自分も末莉のことを『対象』として考える、と司。その期間は協議の結果半年に決定。こうして2人の生活が始まりました。

母親の命日、司は墓参りへと行きました。自分を捨てた両親として怨んできた司ですが、そこでその価値観が一気に崩れる事実を知ることに。お墓の前で出会ったのは両親から司を引き取って育てた大場氏。その大場氏の口から語られた真実。

司と両親の3人が乗ったバスで起こった転落事故。
司を挟むように抱きかかえて守った両親。
一瞬意識を取り戻した司が見たのは司を抱きかかえたまま死んだ母親の姿。
自分の命が残り少ないことを知って司を大場氏に預け、そのまま死んでいった父親。

愕然とする司。怨んできた、憎んできた両親。しかし本当は自分を守って死んでいった誇るべき両親。でももうその両親はいない。逢うことも謝ることもできない。そう、人間なんていつそうなるかわからない。ならば今自分が本当にしたいことをするしかない−−−。

2人の暮らしは以前の高屋敷家での生活のように明るく、楽しく、騒がしいもの。まさに末莉が望んでいた生活です。でもそんな中でもやっぱり事件は起こるもので。例のクソガキが仲間を引き連れて末莉を襲ってきたのです。末莉がかけた携帯電話を受けて司がガード下に駆けつけてくると、ちょうど今にも末莉が襲われんとするところでした。要するにこのクソガキは身の程も知らず末莉のことが好きだった訳です。ホント身の程を知らないにも程があります。大豪院邪鬼のように肉片一つ残さずに死んでください。その際には間違っても防衛庁長官になって蘇ったりしないように。その後ナイフで怪我をさせられた司は再び入院。

約束の半年が過ぎていました。末莉の気持ちは変わりません。そして司の気持ちはもうはっきりしていました。結ばれる2人……ですがそう簡単には参りません。司を受け入れるには未熟すぎるのか何度トライしても上手くいかない2人。末莉も決死の覚悟で臨んでいます。鉢巻に描かれた文字も【七生報告】→【忠君愛国】→【滅私奉公】とどんどんパワーアップ……と言うか面白すぎ。末莉はかなりのチャレンジャーでした。そのかいあって2人はやっとのことで結ばれます。すると今度は司が完全に末莉の身体に溺れてしまいました。末莉もそれに答えるようにどんどん実力(?)をつけていって……数年が過ぎました。

 

末莉は大学に進学せずに司と結婚。誰も祝福してくれない結婚でしたがそれでも2人は幸せでした。司も組織に属すのは性に合わないなんていってられなくなっていました。そして2人にはある目標が。高屋敷跡地で進められていた工事。その施工主は『高屋敷家再建委員会』。そこには出資者達の名前も記されていました。『幸福太郎』『死髑髏菩薩』『JUN』『ミス・フラワー』『ますみん』……どこかで見たことのあるような名前ばかり。『高屋敷家再建委員会』に出資したい場合はとある口座にお金を振り込めばいいらしく、司達もその出資者の仲間入り。その仲間に会った訳ではありません。すぐに家が建つぐらいのお金が集まるわけでもありません。

 

それから10年が経ち、司と末莉の間には3人の娘がいました。口の悪い長女・若葉。無口で貯金箱を抱えている次女・純。そして野生のタフさと脳天気を兼ね備えるよう放任主義で育てている遥香。そんな子供達を連れて2人が向かっているのは高屋敷跡地。ついに家が建ったのです。司達の向かう先には『幸福太郎』『死髑髏菩薩』『JUN』『ミス・フラワー』『ますみん』の姿が。末莉はみんなのところへ駆け出しました。

 

 

絆を、目指して−−−

 

 

……

…………

………………

…………もう…………なんて言うか………………もう…………末莉が……末莉が…………末莉がさぁ!!!

 

末莉なんだよ!!!(←意味不明)

 

末莉は幸せになりました。愛する人とかけがえの無い『家族』を手に入れて。もう末莉が愛想笑いをすることもありません。そんなことしなくても心からの笑顔が出来るから。本当に幸せだからこそ浮かべる笑顔が出来るから……。よかったなぁ……本当によかったなぁ……。ちなみに司のことを「司」と呼び捨てにする末莉がとても新鮮でイイ感じでした。

エンディングで司は左手が不自由になり、片目がほとんど見えなくなっていました。クソガキに負わされた怪我が元だと思いますが確か退院直後に末莉は「何事も無くてよかったですね」とか言ってたはずです。司が気を遣って言わなかったんですね。

 

ところでこの末莉シナリオでは青葉が大活躍でした。高屋敷家の中で最も末莉を遠ざけていた青葉が、です。もうカッコよすぎ。最高です。マジで惚れました。そう言えば青葉シナリオのエンディングで青葉が着物姿でパーマをかけてる、って以前書きましたが改めてみるとパーマはかかってないですね。ほとんど本編と同じです。なんでパーマかかってるなんて思ったんでしょう俺? イメージかな。

 

とにかくここで敵を作る発言でもしてみます。

 

【末莉こそが妹キャラのNo.1である】

 

今まで妹キャラの中では暫定チャンピオンだった「みずいろ」の雪希は末莉の前に敗れ去りました。「D.C.」の音夢も「君望」の茜も…………末莉の前では霞みました。

最高の妹キャラ……ここに降臨!!


 

 

ちゅ…………春花ぁぁああ!!!!!

 

 

……詳細は後ほど。


「家族計画」プレイ日記最終回。前回ああは言ったもののダラダラ書く気にはなれません。未プレイの方は即やって頂きたいし、プレイ済みの方も即再プレイして頂きたいのです。申し訳ございません。ちなみに私は既に真純シナリオ以外は2回ずつやりました(かなりすっとばしましたが)。

と言う訳でかなり省略して書きます。まずは前提を箇条書きで。

  • 春花は母親に会いに来て蛇頭から逃げ出してきた。
  • 春花の母親は日本人で昔中国で学生をやっていた時に春花を生んだ。
  • ただしそれは中国人による集団レイプによるもので、母親はその事を記憶から消している。
  • 春花を密入国させた組織は敵対している組織があり、薬を持って逃げ出した春花の身柄は共に金のなる木である。
  • 司のバイト先の店長である劉さんは多国籍組織を束ねており、春花を第三者である司に預けることにより前述の組織同士の抗争を招いた。

 

以上を踏まえて……

 

母親を物陰から見るだけだった春花に泣いた!!

身分を明かさずに母親に按摩をする春花に泣いた!!

春花を姉だと知らないにも関わらず涙を流す妹に泣いた!!

春花の初めての慟哭に泣いた!!

他人を信じることができずに苦しみながらも司を利用した劉さんに泣いた!!

そんな兄を涙ながらに諌める楓に泣いた!!

司と別れて中国に帰る時にも平然としてみせようとする春花に泣いた!!

春花を引きとめようとする司に泣いた!!

 

そしてハッピーエンド!!

 

 

結論を申します!!

 

 

四の五の言わずにやれ!!

 

 

とりあえず泣け!!

 

 

……全体の感想は落ち着いてからレビューでも書きますので御容赦を。

名作に出会えて本当に嬉しいと思える作品でした。



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