行政機関に対する不当要求への対応を学ぶ「行政対象暴力対策研修会」がこのほど、大津市役所であり、市職員ら約150人が出席した。
県警組織犯罪対策課や大津署の捜査員らが、県内の暴力団情勢や不当な要求をされた時の対応方法について説明。さらに、暴力団員風の2人組が「市発注の公共工事で車が脱輪した」と言いがかりをつけ、補償や下請け工事への参入を要求するという設定で模擬訓練を実施した。参加した市職員らは、捜査員がふんする2人組が声を荒らげても、き然と対応した。
訓練後には県警側から、断片的にでも相手の素性を知る▽交渉役や記録役を分担し、事実関係を確認する▽不用意に謝罪したり、相手の要求に即答しない--などと助言があった。同署の澤田邦雄刑事官は「組織として方針を立て、しっかり相手に伝えなければ、後に尾を引く。警察も事件化を視野に入れ、強く臨んでいきたい」と話していた。【豊田将志】
毎日新聞 2009年5月8日 地方版