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【新型インフル】足取り把握できるのか プライバシー保護が課題 (2/2ページ)

2009.5.16 23:28
このニュースのトピックス新型インフルエンザ

 ■感染力は?

 感染力について専門家諮問委員会は「通常のインフルエンザと同じか、それ以上」としている。このため、岡部信彦・感染研感染症情報センター長は「電車やバスなどに短時間乗り合わせたりすれ違ったりした人まで接触者としてリストアップする必要はないのではないか」という見解を示した。

 感染者が増えていくと、これまでのように「濃厚接触者」を追うことが物理的に不可能になってくる。感染者が疑い例も含め4700人以上出ている米国では日本のような積極的疫学調査を行っていないという。

 ■学校名報道

 感染者が出た神戸市の高校名について、厚労省はこれまでの感染例と同様、明らかにしていない。「特定の場所に(感染が)起きているため(公開の)必要はない」という考えだ。野球場のように不特定多数の人が集まる場所に感染者がいた場合、国も施設名を公表する可能性がある。

 産経新聞を含め、多くのメディアが学校名を明らかにして報道している。「海外渡航」と感染経路をたどる手がかりがなくなり、感染が追えなくなっていることや風評被害が広がることを避けるという判断だ。

 ただ、東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授は「新型インフルエンザは致死率が高いわけではない。一部の患者で重症化するが、季節性のインフルエンザを超えるほどではなく学校名を報道する必要はないのではないか」と指摘する。

 感染者が出た大阪府の学校には誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。感染の封じ込めとプライバシーをどう守るかという大きな問題が残されている。(杉浦美香)

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