大阪府でも16日、私立高校の生徒ら9人の新型インフルエンザ感染が濃厚になった。大阪府などによると、症状を訴えるなどしている生徒は系列の中学を含めて約100人に上る。感染が大勢に拡大している可能性があり、関係者に緊張感が走った。高校の校長は同日夜、感染濃厚の生徒に「頑張ってほしい。学校として最大限守ってあげたい」と呼びかけた。
生徒が通う茨木市の私立高校では午後8時10分から、校長らが記者会見。校長は「予想していないことが現実になり、とても残念だ。これからの危機管理を含めたチェックを徹底したい」と苦渋の表情を見せた。同校では、インフルエンザと診断された生徒が2年生に多かったため、13日、3日間の2年の学年閉鎖を決めた。その学年閉鎖は16日に解除。今回の事態は、2年生が登校を再開したばかりの判明だった。
最初に感染濃厚となった女子生徒(16)は午後8時半ごろ、大阪府豊中市の市立豊中病院に搬送され、感染症病棟(14床)の個室に入院した。病院の説明では、女子生徒は搬送された時、38.4度の熱があったが、話ができて元気という。
女子生徒が住む豊中市は市立小中学校の休校や市主催行事の中止などを決定。浅利敬一郎市長は市民に冷静な対応を呼びかけた。17日、市内の診療施設に発熱外来を開設する。また、私立高校のある茨木市は16日、17日に出発予定だった市立中学1校の修学旅行の延期を決めた。
大阪府では午後8時から、笹井康典・健康医療部長らが記者会見。笹井部長は「準備はしていたが……」と疲れ切った表情で話した。豊中市に隣接する大阪市の平松邦夫市長は「大阪市内で発生したのと同じ認識で対応を」と職員に指示した。学校の休校やイベントの自粛要請などは、17日以降に判断する。
毎日新聞 2009年5月17日 0時07分